26:セリカXXって最終的にスープラになったんだよね。
セリカXXかぁ……久しぶりに見たな。
俺が10かそこらの時にフルモデルチェンジしたような。
「さてさて。なんか普通のXXの音じゃありえないような音してるぞ?こいつ。」
さっき走らせたときにウエストゲートが抜けた音がしたんだよな。
4M積んでるのに。
まだ2リッターターボモデルならわかるんだが、ガッツリ4M-EUって書かれてたし。よく見たら79年モデルだし。
ギリギリ前期だな。
って。そうじゃない。絶対こいつ、ボルトオンターボしてあるって話だ。
足もなんか強化されてる動きだし。
絶対普通じゃないのだけは分かる。
「いったい何処まで手を加えてるんだ?こいつ。」
「どうしたんだ?」
「いえ、このクルマ、かなり手を入れられた車だなって思いまして。」
「手を入れられている?」
「はい。純正からかなりチューニングしてパワーアップしてるなって。」
「それは良いことなのか?」
「悪いことではないんですけど、個人的にどこまでされているのか気になりまして。」
ふとメーター類をもう一度見てみる。
「……ブーストメーターついてたわ。」
俺、運転席に乗ってなかったから気づかなかったわぁ。
それじゃあ何のタービンが乗ってるかだな。
「……TD06ついてる…。」
「てぃーでぃーぜろろく?」
「旧式のタービンだが、未だに現役の優秀なタービンだ。」
「なるほど。そこ手を加えてるのね。」
「いや。どうやらそれだけではなさそうだぞ?」
プレアデスはエンジンルームを入念に覗いていた。
「あぁ……マジか。80年代くらいだろうな。これ組んだの。」
「分かるの?」
「チューニングメニューがそんな感じするだけだよ。」
「具体的にはどんな感じなんだ?」
「あ。王様それ言っちゃまずいかも……」
たわしちゃんはなんとなく嫌な予感がした。
クルマの作業をするときはまるで別人のような奴に喋らせてしまえばまるで呪文のようなことになるだろうと予想していたからだ。
「まず吸排気系、マフラーとエアクリーナーだな。交換してある。その上TD06をボルトオンターボ。それに、十中八九メタルガスケット。足回りを見るに2代目XXのブレーキ類を移植してるな。あと駆動系は強化クラッチに軽量フライホイールってとこか。車高調もつけてかなりじっくり仕込んである。」
呪文だった。
二人ともちんぷんかんぷん状態であった。
当たり前だ。クルマの構造すらわからないのだから。
「これだけしっかりとチューニングしてるのにチューニング車特有の運転のしにくさが無い。強化クラッチも重すぎない物を搭載してあるから疲労しにくい。普段乗りも考えて組んだんだろうな。こりゃあ。」
「う~ん……やっぱりわからない。つまり?」
「弄ってあるのに普段使いしやすい……要するに乗りやすいってことだな。」
「乗りやすいの。」
「ああ。俺のインプレッサよりかはな。」
「となると結構弄ってあるのだろう?」
「ええ。」
「それならどれくらいのパワーが出ているんだ?」
どれくらいか……かぁ。
計測してないしECUも見てないし。分からないなぁ……
見て見るかぁ。
プレアデスはセリカXXのECUにつないでみる。
「ふむふむ。ざっと280馬力か。」
「40馬力ほどの差か。」
「ええ。」
「40馬力しか違わないの?」
たわしちゃんが意外とでも言いたげに俺の顔を見てきた。
「まぁな。それでも俺のは徹底的に弄ってあるし。」
元々605馬力だし。
「そうなんだ。」
「これからどうするんだ?」
「まだ決めてないんですよね。」
「そうか。……一国の王の儂が言うのもなんだが、他の国へ行ってみるのはどうだ?」
「それは本当に国王とは思えない発言ね。それに貴方は気づいているんでしょう?」
たわしちゃんがぐいと国王に詰め寄る。
「もちろん。」
「気づいている?」
何のこと?
「プレアデス。君が転生者だということだ。」
「え。」




