23:ハコスカのトンデモナイ問題。
「……洗ったのか。」
次に来た時にはハコスカは綺麗さっぱりとしていた。
「ええ。表面に傷をつけないように気を付けながら綺麗にしたわ。」
「ああ。そうしてもらったほうがハコスカも喜ぶ。」
とりあえずハコスカの状態を確認するためにインプレッサの純正ジャッキを使ってハコスカの車体を上げ、それをジャッキスタンドにのせる。
「……大惨事じゃねぇか!」
「どうしたの!?」
貴族ママが思わずそう聞いてきた。
「……ガソリンタンクが腐食して穴が開いてるんだよ……。」
「つまり?」
「ガソリンを貯める所に大穴が開いてる。」
「どうすればいいの?」
「形は分かる。職人さんとかに作ってもらってくれ。そうだ、たわしちゃん。そのガソリンタンクが錆びないようにできないか?」
「できるわよ。」
よーしよしよし。
この調子じゃあオイルパンも怪しいな……
オイルパンを覗くと……
「あらやだ。オイルパンめちゃめちゃキレイ。新品みたい。ただ、オイルフィルターが欲しいな。」
そう考えると何でもできる職人が欲しいもんだ。
「なぁ、貴族ママ。何でも作れるような職人って居ない?」
「うちの所には一人居るわ。あとヒューズ伯爵の所に一人居るわ。」
「そうなのか。それなら今から頼む部品全てを作ってくれ。」
「そうしたらこれは動くの?」
「ああ。絶対に動く。ハコスカの状態はメンテをしてダメな部品を交換すれば動く状態だ。ちょっとレストアしただけで走行可能な状態だと言って問題ないだろう。」
「そうなの?」
「ああ。間違いない。まだ全部を見たわけじゃないが、そんな感じがする。」
「プレアデス。それじゃあ他にしてほしいことはあるかしら。」
「そうだな……作業場が欲しい。仮で建てるだけでいい。あと地面は土にしておいてくれ。そうじゃないと困る。」
「分かったわ。半日でできると思うわ。セバスチャン。」
「承知しました。当主様。」
どこからともなく現れた執事さんは返事をするとすぐまたどこかへ消えた。
「すごいなあの人。」
とりあえず、ハコスカをインプレッサで引っ張るか。
俺はハコスカのフロントに牽引フックを取り付けた。
もともと取り付ける穴なんてものはないので、違うパーツが取り付けてあったところに共有させることにした。
そしてGC8はリアに下から生えるように取り付け、2台をロープでつなぐ。
「インプレッサで引っ張るぞ。そうだ。貴族ママ、ちょっとハコスカに乗って運転してくれ。」
「どうやればいいのかしら。」
「自分で動けないからな。ハンドルを切ってくれるだけで十分だ。丸いステアリングホイールだ。」
「これね。……魔導車と同じように回転させるのよね?」
「ああ。そうだな。」
インプレッサが吠え、ハコスカを動かす。
ハコスカは特に何も問題を訴えずそのまま自然と動く。
倉庫に置いてあったであろうハコスカは少しずつ日のもとに現れる。
「よし。ハコスカ。お前をもう一度走らせてやる。頑張れ。」
ハコスカは素直にインプレッサについてくるのだった。
ちなみにジャッキは車を上げるときに使う道具のこと。




