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18:オクタン価上がらないんだけど。

 たわしちゃんから大昔話を聞き届けた頃には既に夕暮れになっていた。


「たわしちゃんはどうするの?」

「アンタと一緒にいるわ。」

「貴族ママは?」

「普通に屋敷に帰って寝るわよ。」

「屋敷ってどこ?」

「……領地だわ。」

「それで、どうするの?」

「城に泊めてもらうわよ。」

「そうなのかー。」



 俺たちは、相変わらずインプレッサで車中泊することにした。


「これ、硬いわねぇ……」

「バケットシートだし。」

「私、後ろで寝るわ。」

「じゃあ俺は運転席で。」

「その硬い奴?」

「バケットシートな。……にしても汗でベタベタだな。石鹸が欲しいもんだ。」

「石鹸?……ああ。あの高級品ね。」

「確かに日本でも明治時代くらいに一般流通したって言われてるし。……作ろうか。」

「作る?どうやって?」

「また明後日くらいに探しに行こうか。」

「明後日……?なんで?」

「明日はハイオクを完成させるからだよ。おやすみ。」

「……おやすみ。」



 ヘクセは小さくつぶやいた。


「変な奴。」




「ふわぁぁぁぁ……」


 いやー。体が痛い。もう、ガチガチ。腰痛めそうだぜ。まったく。


「眠れた?」

「体がバキバキ。そろそろふかふかのベットで眠りたいもんだぜ。」

「ベッドは高級品よ?」

「布団でもいい。」

「ずいぶん生活水準が高いのね?」

「まぁな。」


 織物するのならミシンも欲しいもんだ。


「そんじゃあガソリンのおっちゃんの所に行こうぜ!」

「がそりんのおっちゃん?」



 ガソリンのおっちゃんの所へ来た。

 たわしちゃんは貴族ママと話をしてきているそうな。


「おっちゃーん。ハイオクできた?」

「ありったけの方法は試した。ただ、70くらいまでは持ってこれたと自負している。」

「えい。」


 はてさて、オクタン価は……?


「お。74。おっちゃん。添加物入れてないんでしょ?」

「おう。」

「それじゃあ逆にさ。オクタン価が上がる添加物入れて見るのはどう?」

「……!その手があったか!」


 小さなおっちゃんは工房の奥へと潜っていく。


「そういえばおっちゃん。名前は?」

「ん?俺の名前はボスミンだ。」

「ボスミンかぁ……ボスミンのおっちゃんでいいか?」

「構わない。」


 ボスミンは薬品を2つ持ってきた。


「この薬品は入れると非常に燃えやすくなる薬品だ。だが、この薬品と1:1で混ぜることで逆に燃えにくくさせる効果があったはずだ。俺も純度を上げることばかり考えてて全く思いつかなかったぜ。」

「これの比率を調整して95近くまでもってこればできるのかぁ……!」

「95でいいのか?」

「ああ。95~100くらいでいい。」

「ちょっと待ってろ。恐らく比率は200:1くらいで丁度いいはずだ。1リットルに5ミリリットル。これでいい。」


 ……ん?リットル?


「リットル?」

「ああ。地方ごとに単位が違うのはどうかって若い貴族が唱えたそうでな。長さのメートル、重さのグラム、水の量のリットルが決められたそうだ。だから王都ではすっかりこれが適応されてな。今となっては明確な基準ができたからミスが減ったそうだ。」

「ほえー。」

「どれくらい用意すればいい?」

「じゃーざっと80リッターで。」

「80!またそりゃ多いな。ここじゃあそんなに用意できないぜ?」

「マジかぁ……」

「それにそんな量を仕入れるのも難しい。」

「うーん……」


 どうすりゃあいいんだろうか。

 悩みどころだ。


「それなら彼を私の領地にまで連れてこればいいじゃない。」

「領地?貴族ママの?」

「ええ。私の領地には魔石の純度向上の為の工場があるわ。その違法研究に使われるものが。」

「……俺のやってることは違法研究だ。それを回してアンタの立場が悪くなるんじゃないのか?……ところでアンタの名前は?」

「ルーシャル。ルーシャル・ローリンソン伯爵よ。」

「え。貴族ママ伯爵なの!?」

「ええ。旦那は行方をくらましたから私が継いだのよ。」

「ぽえー。」

「そんな伯爵様の順位が失墜しかねない。本当に俺なんかを領地に囲っていいのか?」

「そこらへんは問題ないわ。私、実力と影響力は公爵並みだから。」


 (。´・ω・)ん?


「だからと言って……」


 ボスミンのおっちゃん……多分大丈夫だよ?


「それにプレアデスのクルマを作るのに必要と言えば何も言われないと思うわよ?」

「確かに。ボスミンのおっちゃん。多分大丈夫だよ。」

「そう……なのか?」

「うん。」

 バケットシートって何?って思った人!あつまれ~

 そもそもバケットシートというのは、車が曲がるときや加速するときに体がブレない為にある程度の支えがあるシートのことをバケットシートという。

 バケットシートには2つあり、セミバケットシートとフルバケットシートの2種類がある。

 そもそもバケットシートの形がわからないのなら、分かりやすい例にゲーミングチェアがある。

 ゲーミングチェアのホールドするようなあの形はもろセミバケットシートだ。

 ちなみに頭のクッションを取り付けるあの穴にシートベルトが本来通る。

 セミバケなら座席の横の支えに穴が開いていて、そこに4点式シートベルトが通るようにしてあるぞ!

 4点式シートベルトがどんなものかは自分で調べてみてほしい。


 セミバケットシートとフルバケットシートがわからない?

 作者が聞いた話だとリクライニングするものがセミバケットシートと聞いたことがある。

 セミバケットシートはリクライニングする代わりに干渉するか何かでホールド性能が低い。

 フルバケットシートはリクライニングできない代わりに非常にホールド性能が高く、体がブレない為、運転しやすい。

 ちなみにどっちも運転するときが純正より高さが低くなり、乗り降りしにくくなる。

 ただし、体が横に吹き飛ぶことはなくなる。

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