16:たわし、それはパーム、シュロ、ザイザル麻のうちどれかで作られる器物を洗うものである。
アンフィニ祐です。
今気づいちゃいました。
まだ3日目だァ……!?
主人公が異世界に来て3日目だァ・・・!
16話なのにまだ3日目だ!
怖い・・・
スローライフが過ぎるのか……!?
「そうそう。お願いがあるんだけど。たわしちゃん。」
「なによ。七人姉妹。」
「はい?」
「知らないの?プレアデス星団の別名に七人姉妹があるのよ。」
「せめて昴にして?」
「やなこった。七人姉妹よ。」
「まぁいいや。たわしちゃん。現実世界に帰ったら俺が転生者って言わんようにしてくれ。」
「なんで?」
「現実世界だとコーハイっていう異世界人からクルマも知識も受け継いだ設定だから。」
「なるほど?」
「なんか嫌な予感するのよ。異世界人って言ったら。」
「そう。そのほうがいいかもしれないわね。」
「なんで?」
「異世界人は進んだ知識を持ってるからね。その知識を取り入れようとするために取り込もうとするからよ。基本的に。国によっては幽閉するしね。」
「ヒエ……」
「アンタの行動は案外正解よ。」
「ヨカッタァ………」
「ところで。」
「ところで?」
「そろそろこの世界多もおさらばの時間帯よ。」
「へぇー。」
「次の世界でまた会いましょう?」
「あ。そうか。そうだった。」
煌びやかに輝く粒子が辺りを包み、自分以外が全て真っ白に包まれる。
「来るときもこうなってた!?」
「ええ。貴方は意識を失ってたからわからないでしょうけど。私はこれを見たことあるわ。」
「ほぇ~」
光は次第に強くなり、自分を認識することさえできなくなっていく。
「うお……眩し……!」
「す……デス……プレアデス!」
「んあ?」
「起きた!全く。どうしたのプレアデス。」
「ん?……ああ。貴族ママかぁ。」
「いきなり意識を失って驚いたわよ!」
「意識飛んでどれくらい?」
「5分くらいよ。」
「そう。」
ポン。
肩に感触。
(。´・ω・)ん?後ろに感触?後には誰もいなかったような……
右に居た貴族ママの顔が青ざめ、リアシートを指さす。
助手席側に居た中性天然水は足元を見ると、膝が小刻みに震えていた。
「で……で……出たぁぁぁ!?」
「貴族ママ……鼓膜破れちゃう。」
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「天然さん……!?」
「あ。あぶないあぶない。口が滑るところだったぜ。」
でも、後ろに何か居たのか?
後ろを振り向く。ニコニコの笑顔の魔女っ娘。
( ゜д゜)ポカーン
「なんでたわしちゃん居るの……?」
「誰がたわしちゃんよ。」
俺の左肩が軋む音がする。
「痛い痛い痛い!ギブギブギブ!」
「プレアデス……彼女は?」
「呪いのディスク繋いで意識失ってる間に会ったんだよ。」
「どうも。私の名前はヘクセ。魔女ヘクセ。」
「伝説の……!?」
「あら、私そんなに有名になってたのね?」
「どゆこと?どゆこと?」
「プレアデスは知らないのですか……伝説の魔女ヘクセを。」
「(。´・ω・)ん?」
「魔女ヘクセは相当な戦闘能力を誇っているとされており、その実力をもってその当時世界を魔の力をもって統べていた王者を4人で討ったという伝説のパーティーの一人ですのよ!?」
「知らないよ。」
「なるほど。あの戦争もそうやって伝えられたのね。」
「戦争だったの。たわしちゃんちょっと教えてよ。」
「あれは大昔のことよ。貴女、どれくらい前のことか伝えられていないかしら。」
「たしか1200年前と。」
「そう。それくらい前の話になるわ。」
「ずいぶん昔のことなんだなぁ……」