112:リベンジ!モナコGP!
そうして、4台はその場に止まっていた。
「まさかあの嬢ちゃんまで参戦するとはなぁ。」
今回のスタートはグリッドスタート方式でインプ、ランエボ、RX-8、86の順番となっていた。
しかし。
ズォォォォォ……
「ん?この音は……?」
後ろから1台何か迫ってくるような音がする。
なんだ?こりゃあ。
プレアデスがルームミラーを調整し、その車をその鏡の中に収める。
「……おいおい。マジか。ここでエスプリだと……?」
基礎設計がいっちゃん古い奴来たんだけど。
70年代から2004年まで粘ったイギリスのマシン……か。
「見せてもらおうじゃないか。その性能を!」
「……キミたちの技量、見極めさせて貰うよ。」
エスプリのドライバーは青い瞳で前の4台をじっと見据える。
その直後、全車両が前へ飛び出す。
「行くよ。エスプリ。」
エスプリもそれに乗じて飛び出す。
「サン・デボーテ、一気に曲げるぞ!」
〘Go!〙
インプレッサはフェイントを利用し、強引にドリフト状態に持っていく。
さらにランエボも同じようにドリフトでサン・デボーテをクリアしにかかる。
「先輩たち、やっぱり速い!」
……けど、絶対に勝てないほどじゃない。
先輩たちは今のを見るに全部を意地でもドリフトで抜けようとしてる。
パワーがあるからゴリ押そうとしてるのかもしれないけど、それじゃああっという間に追い抜かれちゃいますよ。
RX-8は左のギリギリに寄せ、軽くブレーキを当てながら斬りこみ、ふわりと出てきたリアをアクセルワークと僅かなカウンターで制御しながら彼らほど速度を殺すことなくサン・デボーテをクリアしてしまった。
そんな神業が出来たのはRX-8の特性によるものが大きい。
その理由は主に2つ。
一つはアドバンスドフロントミッドシップレイアウトによるもの。
先代RX-7より胴体中央にエンジンを寄せることによって前後重量配分50:50を達成し、旋回性能が高められている。
ピュアスポーツカーであるRX-7のFD3Sを一部をRX-8は超えているのだ。
確かにパワーや重量ではRX-7に軍配が上がるだろう。
しかし、それ以外ではRX-8はFD3Sを上回っている箇所が多いのだ。
そしてもう一つの理由はターボを積んでいないという点である。
ターボはどう足掻いてもターボタグが発生する。
これはターボの宿命なのだから仕方ない。
だが、ターボを積んでいないRX-8はターボチューンのモンスターマシンたちとは違い、NAのメカチューン。
なにが良いのか。イマイチわからないだろう。
簡単に言えばだ。
ターボはガツンとしたパワーはあるが、微調整が苦手。
それに対してNAは微調整は得意だがパワーはどうしてもそれだけ絞り出すことはできない。
このふたつをいいとこどりしたようなクランクシャフトでタービンを回すスーパーチャージャーもあるが、これは高回転域で過給が足りなくなる欠点がある。
ただ、メカチューンは回転数の微調整が必要なコーナーで追い込みやすい。
つまり、コーナーではRX-8は他のクルマよりワンテンポ速く旋回できるのだ。
「さぁ、行くよ!RX-8!」
〘ゴー。〙




