104:敗訴!あ。間違えた敗北!
「ずーん……」
〘Ugh… I’m kinda down.〙
「負けてしまった俺はプロ失格、負けてしまった俺はプロ失格、負けてしまった俺はプロ失格……」
〘もっと加速できていれば……!〙
〘I even used the scramble boost, and yet…〙
「あーるーじーさーまー!」
レイサがぴょいんとプレアデスに抱き着く。
「ああ、レイサ。ちょっとだけ、そっとしておいてくれ。」
「らしくないですよ~?あるじさまー。」
そういったってさあ……(´・ω・`)
「負けちゃったものはしょうがないんですから、まずは二人とも表彰台に立ってください!」
よっこらせっと。
「・・・(。´・ω・)ん?」
「(・ω・‵。)ん?」
なんか、隣に一平ちゃんいるんやけど。
「え。何で一平ちゃん隣に居るの?」
「二人、同着ですから。」
「はえ?」
「ほあ?」
どう……ちゃく……だと!?
「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」
まずありえねえよ同着って!
信じらんねえ……
こうして、秋季レースことモナコグランプリは幕を閉じるのだった。
「流石にここまでハードに動いたんだ。オイルとかは交換しとかねえとなぁ。」
インプレッサはすっかりエンジンも冷え込み、水温系はぱたりとColdにまで落ちていた。
できればアライメントも多少見ておきたいものだ。
「あー忙しいなあ。」
ボンネット、オープン!
「……よく、頑張ったな。」
〘Of course. I gave it everything to win.〙
ドレンプラグを外し、オイルがどばどばと抜けていく。
「どばどば~」
もはや疲れ切ったプレアデスにとってはそんなオイルが抜けるさまでさえちょっとした楽しみに化けてしまっていた。
「そうだ。ついでにオイルフィルターも変えとくかぁ。」
オイルフィルターは予備を積んでおいたはずだ。
プレアデスはオイルフィルターレンチでオイルフィルターをくるりくるりと回転させ、手で回せる程まで緩むと、オイルフィルターレンチを外し、てでくるくるとオイルフィルターを外す。
「よし。あとはオイルが抜け切るのを待つだけだな。」
後は放置ってワケだ!
「プレアデス。作業してたのね。」
「ああ。貴族ママか。」
「アンタいなかったからちょっと探したのよ?」
「なんだぁ?愛の告白でもしに来たんか?」
「しないわよ。」
「だろうな。」
「はい。」
貴族ママは俺にコーヒーでも入っているのだろう。湯気が立ち上っているマグカップを俺に渡す。
「ありがとう。頂くよ。」
相変わらず貴族ママのコーヒーはうまい。
「やっぱ美味いな。」
「そう言ってくれると淹れるこっちからしてもうれしいわ。」
ふふっと貴族ママは微笑み、何をしてるの?と聞いてくる。
「オイルをいったん抜いてるんだ。」
「オイル?何で抜いてるの?」
「そろそろ交換時期だったのもあるんだが、最近はハードに使ったからな。劣化も早まるんだ。」
「そういうものなのね……」
「ああ。」
「そうそう。一応ホテルは取ってあるわよ。」
「おお。助かる。」
「あーるーじーさーま!」
「(。´・ω・)ん?どうした。」
「私、一緒に帰りたいです!」
「そうだなぁ……明日考えてもいいか?」
「いいですよ!」
「すまんな。今日はちょっと疲れてるんだ。」
そうしてオイルが抜け切れたのを確認した俺はインプレッサに新しいドレンプラグを取り付け、新しいオイルを継ぎ足すのだった。




