103:決着!モナコ・モンテカルロ戦!
A110はふわあ……とリアが流れ始めていた。
「慣性ドリフトか……!」
まさしく天才。
たった1周半で使えるドリフトの幅がここまで広がるとはな。
「子どもの吸収力ってのは末恐ろしいぜ。」
インプレッサも続いてリアを振り出し、ヌーベル・シケイン突入に備える。
「見せてもらおうか。アンタにどこまでの技量があるのか……!」
アルピーヌは2つ目のコーナーまで綺麗にクリアする。しかし右コーナーを左ドリフトで駆け抜けたのだ。もうそろそろ壁に突き刺さるコースだったのだ。
「アクセルを抜くんだろ?俺もやってるからわかる。」
「ここかな?」
二人はアクセルを抜き、一瞬戻ったグリップ力で逆ドリフトに移行する。
「ふぅ。うまくいったあ。」
「追いついたぜ。」
プレアデスの宣言通り、先ほどまで車1台半ほどあった車間が気づけばA110の後ろには車半分ほどの車間にまで迫っていたのだ。
「シケインではガクッと速度が落ちる。そこからの立ち上がりでやっぱり車の性能が出るんだよ……!」
「やっぱりここでは詰められちゃうよね……!」
230馬力までチューニングされているA110に対し、インプレッサはチューンして500馬力なのだ。
そりゃあパワーの差というものもある。
序盤では単純なコーナー処理。公判では複雑な複合コーナー処理。
複合コーナーではどうしてもコーナーが連続することもあって速度がガクッと落ちる。
しかし、パワーでそれを何とか打ち消すことは可能なのだ。
技量で負けているなら後は車の性能で勝つしかない。
大人げないが、それしか方法はないのだ。
「絶対に抜かさせないよっ!」
二台はもつれあいながら、複合コーナーをクリアしていく……。
そんなシナリオを誰もが描いていた。
「僕たちを忘れてもらうと困っちゃうよネ!」
「おんどりゃあああああ!!」
「ほい。」
するすると追い上げてきた後半組3台。
複合コーナーが苦手なアルピーヌに頭を押さえられているのだ。
そりゃあ必然的にペースは落ちる。
に対してアルピーヌより速いペースでコーナーをクリアしていた彼らが先頭に追いつくのは必然であった。
「次が、アントニー・ノーズだぞっ!」
プレアデスの言った通り、次は最終コーナー、アントニー・ノーズであったのだ。
全ての車が各自出せる全ての技術を投入して旋回していく。
統べたがバラバラ、綺麗に全てが全く同じ動きなどしていなかった。
「絶対に、抜かせない!」
「行くぞ。」
〘Go.〙
「今回こそは勝たせてもらうヨ!」
「ランエボ、行くぞ!」
〘600馬力の底力、フルで発揮してやるよ!〙
「私も行けたらいいけどね。」
アルピーヌに対してインプレッサ以下全台がオーバーテイクの姿勢に入る。
「絶対、勝って見せる……!」
あと少し間で追い抜かれそうになったが、アルピ-ヌがギリギリ首位を押さえて。今、ゴール!
ギリギリ頭を押さえたアルピーヌ、その後ろではなんと、インプレッサとらねぼがピタリと横並び一直線にゴールしていたのだ。
「おいおいあれどっちが勝ったんだ!?」
掲示板に順位が張り出される。
1位:アルピーヌ
2位 (同着):インプレッサ・ランエボ
3位:ポルシェ911
4位:アルファロメオ・ジュリア
「嘘だろ同着!?」
「いままでロクに見たことねえぞ!同着なんて!」
ただ、今まで勝利してきたプレアデスやプロドライバーの平志が負けてしまうという結果に落ち着いてしまうのだった。




