私はギルドの受付嬢のお姉さんですが、なにか?
私はラノベ村の冒険者ギルドで働く受付嬢、エリーナ。
ギルドが小さいから受付は私一人。つまり、私がこのギルドの看板であり顔であり、名物である。
5年前、「受付嬢になれば冒険者と恋が始まるかも♡」
なんて期待しながらここに来たけど、現実は……ああ、ろくでもない冒険者ばっかり!
そんなことを考えていたら、扉が開いて少年が入ってきた。
きょろきょろ、そわそわ。迷子かな? それとも新人冒険者?
「すみません、冒険者パーティ『黒猫のダンゴ』の使いなんですけど……」
……なにこの美少年! 12、 3歳くらい? 天使が迷い込んだのかしら!?
「いらっしゃいませー♡!」
あっ、自分でも驚くくらいかわいい声が出てしまった。
少年が私の方を見てニッコリ笑った。
「あ、すみません。ギルドのお姉さん、いませんか?」
「えっ?」
「この経費精算の書類なんですけど、リーダーが『ギルドのお姉さんに渡してこい』って……。
で、ギルド見渡してもお姉さんが見つからないんですよ、どこにいるか知りませんか?
ねえ、オバサン」
……は?
その瞬間、私の頭の中で何かがぶっ壊れた音がした。
「オ・バ・サ・ン……?」
気がつけば机を乗り越えて少年の襟を掴んでいた。
「こら、ガキィ! 誰がオバサンだって!? 面洗って出直してこいやー!」
少年は「ぎゃー!」と悲鳴を上げ、何か叫びながらギルドを飛び出していった。
たぶん「ダンジョンの魔物より怖い」とかそんな感じだと思う。
はぁ……最近、ホントに、ろくな冒険者、来ない。
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