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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

原作や原案ありの小説

男女比1:43.1の世界だからこそ美女カップルの百合は尊い

作者: 本羽 香那

しいな ここみ様が主催されている「リライト企画」の参加作品です。

雛宇いはみ様の「こんな男女比1:43.1の世界だから百合させていいでしょ 1431」をリライトさせて頂きました。

https://ncode.syosetu.com/n0591im/


 私は想像もしたくもなかった場面を今見る羽目になった。

 私の最愛の推しである川月(かわつき)茉釉(まゆう)様が、同じクラスの()()の男子である中島(なかしま)勝緒(かつお)に告られているのだ。

 確かにあいつはイケメンで、そこら辺の女子達にキャーキャーと騒がれている。

 しかし、メイクをしなくても大変可愛い顔で、ツヤツヤの髪のツインテール、身長も低くて、見ているだけで癒やされる小動物のような茉釉様に、あいつが「あたかも選ばれて光栄だろ? さっさと受け入れろよ」と言う感じの態度で告白しているのは許せぬ。

 今すぐあいつを殺してやりたいぐらいだ。


 茉釉様はごめんなさいと謝った。

 あいつに謝罪なんてしなくても良いのに。

 悪いのは、茉釉様に告白すること自体が身の程知らずであるあいつの方なんだから。

 それでも、あいつは自分を選びなかった理由を聞いてすぐには下がらない。

 あいつ、どこまで身の程知らずなんだ。

 本当に私が殺してやろうか。

 その質問に、茉釉様は自分には好きな人がいるからとキッパリ断る姿に私は痺れてしまう。

 もう、あの雰囲気で格好良い姿は反則だよ!

 すると、またあいつが質問する。


「それって、どこの()なの?」


 は?

 何で男って限定するの?

 そんなの茉釉様が答えにくいからやめなさいよ!

 茉釉様、一体何て答えるのかしら?

 不安で不安でたまらない。


「は? 何で相手が()だと決めつけるの! ……あっ」


 そりゃそうですよね。

 共感している場合じゃなかった。

 この発言は流石にヤバい。

 私的には大喜びだけど、状況としてはかなり不味い。

 あ、やっぱり周りの女子達が引いている。

 変な目で見られている。

 茉釉様はその雰囲気に耐えることが出来ずに、逃げ出してしまった。


 本当に残念なことなのだが、今はまだ一般的に百合が受け入れられているではないのだ。

 何でかは全く分からないが、そうなのだ。

 

 私はそんなことを思ったことは1度もない。

 寧ろ百合はあるべきだと思う。

 だって、男女比が1:43.1なのに、百合がない方が可笑しいでしょ。

 それに女が多いとは言え、美女がそこまで多くいるわけではない。

 だからこそ、美女カップルの百合はこの世で1番尊いものだと思っているのだ。

 私の最推しの美女カップルの百合は、先程も何度も呼んでいる川月茉釉様と茉釉様の好きな人である金ヶ崎(かねがさき)七莉(ななり)様である。

 七莉様はツヤツヤの黒髪ストレートで高身長の美女であらせられるのだ。

 共に美女で、身長差カップルとなれば、もう萌えるよね。

 そのため、絶賛2人を陰で見守り中なのだ。


 私は、早く七莉様が茉釉様の元に駆けつけて欲しいと願うことしか出来なかった。

 名前も名乗る必要すらないただのモブである私にはそれ以外方法がなかったのである。

  

 すると私の願いが叶ったのか、七莉様が茉釉様を追いかけて行ったのであった。


 茉釉様の方ばかり見ていて、七莉様が何処にいらっしゃったのか気づかなった。

 何と言う失態!

 最愛の推し様なのに!

 いけないいけない、このままだと2人を見失ってしまう。

 早く追いかけなくては。

 

 そう言って私は2人を追いかけようと後を追ったのだが、2人の足が速すぎて、あっという間に2人の姿を見逃してしまう。

 足の遅い私自身が憎い。

 でも、2人のことを熟知している私からすれば、何処に行くかなんてお見通し。

 このまま真っすぐ体育館の裏に向かって追いかけた。


 回答は合わすまでもなく、2人は体育館の裏にいた。

 2人のやり取りを大きな木に這いつくばってにそばだてる。 

 すると2人がこんな会話をしていたのだ。


「ね、川月さん、あたしを襲ってみない? それともあたしが襲っちゃうかしら?」

「金ヶ崎さん……」


 普段の七莉様だと想像できない言葉を、茉釉様に向かって言っていたのだ。

 こんな最高のシチュエーションある?

 襲うところを想像するだけで幸せ。

 そして、更に七莉様が茉釉様を押しかけた。


「川月さんのことが……好き!」


 キター!

 七莉様の告白を頂いた!

 ついに両片思いから両思いになるのね。

 茉釉様、頑張って!

 

「私の好きな人って、実は金ヶ崎さんのことだよ」 


 ヤッター!

 ついに両思いキター!

 両片思いも素敵だけど、両思いに勝るものはないわ。

 今日の晩御飯は赤飯を炊いてお祝いよ。


「では、私と付き合ってくれないかしら?」

「それはもちろん是非!」


 バンザイ! バンザイ! バンザイ! バンザイ!

 万歳三唱だけだと気が収まらなかったから、つい万歳四唱してしまった。

 でもそれぐらい嬉しい。

 これから茉釉様✕七莉様の日記を書かねば。

 いや、責めが七莉様で、受けが茉釉様だから、七莉様✕茉釉様の日記ね。

 カップリング名は、やっぱり七茉よね。

 もう最高な予感しかしない。


 でも、2人の会話を聞いていると驚きの事実が分かったわ。

 それぞれの前世の記憶を持っていて、また前世の男女比がほぼ一緒とか、逆に男ばかりと言うのだ。

 正直に言って予想はつかなかったが、それそれで気になった。

 だが、それ以上に気になったことと言えば、お互いが共に男であったと言うこと。

 私は生粋の百合好きで、特に美女カップルの百合好き。

 だから、私は少しだけダメージを受けた。

 

 しかし、これは中々にない珍しい百合カップル。

 こんな希少な百合カップルを眺めることが出来るのではないか?

 なんて、私見る目あるの!

 先程の素敵な予感は当たったわ。

 

 私は2人の前世が男であったと知り、尚更追っかけを続けようと決意した。

 

ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] リライトして頂いて嬉しいです。ありがとうございます。 しいなここみさんのリライトと同じように、見方を変えて違う視点から語るリライトですね。 こうやって違う視点から見ることで色々世界観は…
[一言] バンザイ! バンザイ! バンザイ! バンザイ!
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