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女神適合者の異世界侵行  作者: 水無月鷹野
第一章 一節 森に降り立つ百合の花
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第6話 探索と生産

チートというのはズルをするという意味であって、適正の存在に適正な能力を与える事はチートとは言わない・・・かもしれない。


※2021/11/20 整合性が取れてない所とか色々修正

※2022/04/07 改稿


「ん、んぅ、ふあぁぁあっふ......」


 木枠の窓から日の光が差してくる。


「あら可愛いあくび。おはよう音亜ちゃん」

「ん、おはよ」


 昨夜は凄かった。まだ体の一部が鋭敏でちょっと擦れるだけでよろしくない。

 あまり肌は出せないね、体中痕がすごいから。


「もうお昼ぐらいだから、昨日の残り物を温めてくるわね」

「ん、わかった」


 ふへぇ......ぼーっとしちゃうな。前もちょろっとされたけど、自分の身体に変化を齎して舌を伸ばしたりするのは反則だよ......いつもじゃ届かない所を舐められてしまった......。

 うぐぅ、恥ずかしぃ。はぁ......そろそろご飯食べに行くか。

 昨夜の事を思い出して悶えていると、徐々に頭が働き始めたから、寝室を出てリビングへと向かった。


「来たわねはいどーぞ」

「んっありがと。いただきます」

「私もいただきます」


 温めなおされたハーブスープを口に運び、スープと一緒に肉を咀嚼する。

 うんやっぱりおいしい。

 余剰分の肉はアイテムボックスに入れてあるし、またこのお肉が食べれるのはいいね。


「そういえば、ウサギを解体した時に余った角。これ音亜ちゃん用の杖にするのはどうかしら」

「ん、良いね。あっ角鑑定させて」

「いいわよ。はい」


[素材] ブラックホーンラビットの角 レアリティ:B 品質:B

 ブラックホーンラビットの角。

 マナ草を主食にしている為、魔力伝導性能が良く魔法用の杖に向いている。

 形状をそのまま利用して槍としても使用可能、魔力を這わせると鋭さが増す。

 ポーション材料としても使用される。


 お~魔法用の杖に向いてるんだ。確かに私は魔法で基本的に戦う事になるし、持っておいた方が違和感なさそうだね。

 槍としても使えるらしいし、スタッフスピアなんて面白そうだけど。まぁあんまり動きたくないし無しかな。


「ん、確かに丁度良さそう」

「でしょう? しっかりとした奴作ってあげるから、楽しみにしてなさい?」

「んぃ」

「それじゃこれ食べ終えたら、休憩して山に行ってみましょう」

「んっ」


 それから二人で一緒に黙々とご飯を食べて、食後に軽く休憩してから山へと向かった。


 * * *


 山北産業、岩肌のおっきな山に来たよ。

 確かにここなら鉱物も表面に露出してそうだね。


「さて何かあるかしら?」


 すっごい高くまで伸びている岩山の麓で、暫く辺りを探索していると......


「ん、あそこ色違うよ」

「あら? 本当ね」


 周りを見ながら歩いていたら、岩肌から少し色の違う肌が見えた。

 歩いたは歩いたけど、もっと探すものだと思ってたから早めに見つかって嬉しい。


「これ前音亜ちゃんが話してたミスリルってやつじゃない?」

「んっ、確かにファンタジー鉱石っぽい」


 見つけたのは青緑色の鉱物だった。鉱物類に明るいわけじゃないから、地球にも似たようなのがあるかもしれないけど多分これはミスリルって奴だね。

 地球との差異は創作ファンタジー物でよくある物が有るか無いか、って知識と照らし合わせると分かる事らしい。だから《《創作ファンタジー物》》と言ったらミスリルでしょ。


「ここは私に任せなさい<ディメンションカット><ディメンションカット><ディメンションカット>! そして<アポーツ>!」


 おぉ、えーなが<ディメンションカット>の乱用をしていらっしゃる。

 んでアポーツで引き寄せたものは三角錐に切られた鉱物。鑑定してみようか。


[素材] ミスリル鉱石 レアリティ:A 品質:B

 未加工のミスリル鉱石。

 魔力伝導が良く、柔軟な素材。

 武具や道具にするとそれぞれ効果が表れる。


 おぉ、やっぱりミスリルだった。

 武具や道具にするとそれぞれ効果が表れる。って書いてあるけど、一体どんな効果なんだろう。それも気になるね。


「やっぱりミスリルだったわね」

「いいね。柔軟な素材だから刀作りやすいんじゃない?」

「確かにそうね。私の最初の武器は刀かしら」


 すごくワクワクした表情をしながらディメンションカットして、追加で素材を採取しているえーな。

 まぁ楽しみだよねファンタジー鉱石を加工して刀作るなんて地球に居たら体験できないよ。


「よしっ! 鉱脈全部取ってやったわ」

「ん、豪快。いっぱいあっても損はない」

「そういう事ね。それじゃあゆっくり帰りましょうか、道中で果物でも探しながら」

「んぃ」


 そういえばこの世界の果物を見た事が無いから、ちょっと楽しみ。


 * * *


 岩山の麓から、来た道ではなく少しそれた道を歩いて家を目指している。

 ここの森は海の位置と岩山の位置、それぞれを照らし合わせれば簡単に家が見つかるから、海が見える範囲で動けば遭難はしない。

 そんな森をきょろきょろと、周りを見ながら歩いていると果物の生った木を見つけた。


「えーな、果物見つけたよあれ」

「あらほんとだわ。見た目はリンゴね」

「鑑定してみよう」

「そうね」


 リンゴみたいな果物を発見したけど、リンゴみたいってだけで異世界なわけだからちゃんと鑑定しないと毒とかあるかもしれない。

 それにリンゴって名前でバナナ味かもしれないし......そんなファンタジー齟齬を楽しみにしてたりもする。


[植物] リンゴの果実 レアリティ:B 品質:A

 マナを一杯吸い上げた木から生ったリンゴの果実。

 栄養価地が高く魔力も回復するし、とてもさっぱりした味わいになっており気分転換にピッタリ。


 ファンタジー齟齬は生まれなかった......残念ではないけどね? 食べれるんだから。


「まんまね」

「だね、食べてみて良い?」

「ん~、先に私が一口食べるからそのあとの物を渡すわよ?」

「わかった」


 心配してくれるのは嬉しいけどなぁ、まぁ言っても聞かないのは知ってるからちゃんと甘える事が大事だと思ってる。

 えーなが果実を一つ手に取り、<洗浄>で奇麗にして――


 ――シャクッ


「すっごい果汁出てくるわね......はいどうぞすごい美味しいわよ」

「ん、ありがと。はむっ......ん~みずみずしいね。味もさっぱりしておいしい」

「採っていきましょうか」

「んっ、今度えーなのアップルパイ食べたい」

「いいわよ~材料があったら作りましょうか」


 えーなの言った通り、すっごい果汁が多くてみずみずしさに溢れてて、甘みがメインだけどさっぱりとした味わいだった。

 美味しかったからえーなの作るリンゴ料理食べたいなぁ......ん、あれなんだろ。

 リンゴの木の根元に生えている雑草とは少し違った草を見つけ、鑑定をしてみる。


[植物] 鎮痛草 レアリティ:B 品質:A

 鎮痛草。

 傷口に直接付けると痛みを和らげてくれ、加工すると効果が上昇。


「えーな、鎮痛草あった」

「鎮痛草......? <鑑定>......便利な世界ね、ここ」

「ん、こういうの大事。持って行こ」

「そうね採っていきましょうか」


 鎮痛草ってなんだよ。って思ったけど、異世界ファンタジーと言えばポーションとかいう謎理論な回復薬があるし......いやこの世界にあるかは分からないけどね?

 地球で生きて来た分、鎮痛草とドストレートな草の名前に苦笑いしてしまう二人だった。


 * * *


 あれから特に果物は見つからず、鎮痛草とリンゴと濃厚マナ草をすこし採取して拠点に戻ってきた。


「さて、次は武具を作る為の加工場を作らなきゃね」

「ん、素材はあるし。魔法とか使えば作れちゃいそう」

「そうね、まずは炉でも作ろうかしら」

「手伝える事あったら言って」

「えぇわかったわ」


 そういってえーなは炉の建築へ向かった。

 炉ってそんな簡単に作れるわけないって思ったけど、えーなだし私の知らない未知の技術を知ってるかもしれない。

 さて私は......呼ばれるまで鎮痛草の加工でもやってみようかな。

 まずはすり鉢を用意してってなんですり鉢あるんだろう......? まぁとりあえずこれで鎮痛草をすりつぶして。


 ――ゴリゴリ......ゴリゴリ......ゴリゴリ......ゴリゴリ......


 地味に硬いね......


 ゴリゴリ......ゴリゴリ......ゴリゴリ......ゴリゴリ......


 よし、かなり磨り潰せたんじゃないかな? 次にこの濾し布......いや本当に何でも作ってあるね。これで濾して液体だけを抽出する。

 おっ、おぉ? すごい粘っこい液体になった。これでよさげかな、鑑定してみよう。


[素材] 鎮痛液 レアリティ:B 品質:B

 鎮痛草をすりつぶし濾して出来た液体。

 患部に塗ると痛みを麻痺させることができる。


 おぉ、出来た出来た。これを土魔法で作った瓶に入れておこう。


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