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女神適合者の異世界侵行  作者: 水無月鷹野
第一章 一節 森に降り立つ百合の花
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第2話・確認タイム!

※2023/08/09 加筆修正済み

 与えられた知識を二人で共有してみたんだけど、特に偏りもなく一緒の知識を与えられていた。

 世界の基礎的な知識がメイン、だけどそっちは情報量が重いからまたいつか。

 今は魔力とかステータスとか、そういう即触れられる要素について詰めていこう。


 さて、まずはステータスに関してだけど、『すてーたすっ!』って言ってUIが出てくるVRゲームタイプじゃなくて、頭で思い浮かべるのがこの世界のベーシックな方法みたい。

 でもあくまでベーシックだから他にも方法があって、魔導具に表示させたり、力技で思い浮かべたステータスを表示させる方法がある。

 今回は魔力操作を感覚的に(おこな)って、魔力で作ったプレートを可視化、そこに自分のステータスを転写させてみよう。


 因みに私はもう自分のステータスを見た。

 システムチックだけど、身体的能力が数値化とかCBAS評価とかが無いし、レベルとかも存在しない。

 あるのは称号とか定着したスキルとかだね。

 意図的に隠されてない限り、知識と照らし合わせても、これ以上の情報は無さそう。


「音亜ちゃんのステータスはどうだった?」

「ん、見せる。次にえーなのもみせて」

「もちろん見せるわよ」

「んぅ......すてーたす、見せる為に魔力操作の練習」

「あ〜確かにこの感覚は一旦掴まないとキツイわね」


 流石に今まで無かったものをすぐ行使できる訳じゃないかぁ......知識だけあってもすぐ出来るもんじゃないね。

 でも知識があれば目標までの道が明確で、練習が手探りにならなくて済む。

 

「ふふっやっぱり早いわね」

「んっ、すごい。これが魔力......!」


 身体の中で巡り、循環する、熱いナニカ。

 ナニカはここに来てから既に知覚していて、違和感を感じずにありのまま存在していた。

 それを身体で圧縮させ、練り上げ、手のひらに放出させた。

 

「ゆらめいた赤色......魔力を見ていると魅入られそうで、すべてを見透かされている気がするわ」

「ん、えーなのも、みたい」

「私もやってみるわね」


 えーなが手を広げてちょっと時間が経つと、手のひらから迸る、青く全能感を感じる魔力を目にしていると、なぜか愛情が爆発しそうになる。


 魔力には人によって個性が出るみたいだけど......魔力が濃いとそれだけ個性も強く感じるのかな。

 個性は魔力の色、魔力の動き、魔力を見て感じる存在感。

 私達はお互い、魅入られ愛情が爆発してる。

 もはやこの愛情は概念だね。

 

「んっ」

「あら......やっぱり音亜ちゃんも?」

「ぅん」

「暫くゆっくりしましょう。ほらおいで」


 情欲ではなく、ピュアな愛情が溢れて抑えが効かない。

 えーなが芝生に座り込んで、女の子座りした自分の足を叩き私を招く。

 クラシカルメイド服で、丈の長いスカートを広げて、私を直接地面に座らせないようにしながら。


「ん......でも、毎回こうなると困る......」

「きっと初めての体験で、色々抑えられなかったのかもしれないわね」

「流石に、最初だけで済んでほしい」


 えーなの身体に背中を預け、心を落ち着ける。

 頭を撫でられる感覚は、高ぶる気持ちを優しくおさめてくれる。


「んっ、ちょっと落ち着いてきた」

「良かったわ」

「ふぅ......すてーたす、出してみるね」


 ちょっと心が乱れたけど、気を取り直してステータスを出して行こう。

 練り上げた魔力を手のひらに集めて......ぐにゃってして形を整えて、ぱきってする。

 

「さて私も......あらっ、もう音亜ちゃんは出来てるのね」

「んっ、みてみて」


 実体化した魔力プレートにステータスを転写する。



 

==============

名前:水無月音亜 神名ネシス・シアーカ

種族:魔法の女神・現人神


武器スキル

 <杖:長杖><小火器:拳銃><暗具:仕込銃>

魔法スキル

 <魔法>

特殊スキル

 ≪鑑定≫≪ステータス≫

称号

 <最高神の領域を侵す者><魔法の女神>

==============



 

 おぉ......色々あるけど、知識の通りなら称号の詳細が見れるみたい。

 転写して実際に見てみよう。


<最高神の領域を侵す者>

素質が既に最高神の領域に至っているモノに贈られる称号。

君は知っているね、君は手を入れているね、君は至るね、ようこそ。


 ......これは創造神が称号を作ってる訳じゃ無さそうだね。

 ふーん、まぁいいや次。


<魔法の女神>

魔法を司る力を持つ女神へ贈られる称号。

魔力を操り、マナを纏い、神力を創る、魔法は貴方の指先。


 これは私に与えられた神格ってやつかな。

 それよりさらっと流したけど、私に神としての名前も与えられてる。

 知識を参照するに、聖女への神託の際に使われる名前みたいで、なんならこの世界に神託として神が降りたと伝わってるらしい。

 聖女って教皇とは別の強い立場なのかな? それとも沢山いてレアリティの薄い役職なのかな。

 

 ちなみに世界の宗教は創造神を中心に、世界に存在する神を足して信仰してるみたいで、下級と中級の神も信仰されて居るみたい。

 私の知識......いや記憶にある"世界"さんは信仰されて無いのかな。

 てか宗教が存在するのは構わないけど、教会とかあんまり関わりたくないなぁ......信仰されるのも気持ち悪いだろうし、腐ってる組織だったら嫌だなぁ。


 さて教会について考えると脱線しそうだし、各カテゴリについて確認していこう。


 種族について。

 神は基本神界でしか活動できず、神界から出るには化身を作り召喚しなければならない。

 だがそれは下級と中級の話であり、上級や高位、その上の神は現人神として顕現できる。

 制限された化身と違い、ありのままに顕現できる事。

 要するに弱体化しないってことで、その分死んだら終わりって感じ。

 

 武器スキルはゲームみたいなものより、自分の技術(スキル)が表示されているだけって感じ。

 <杖:長杖>はアレだね、地獄に居た頃に常用してたからだと思う。

 <小火器:拳銃>は地球に居た頃に持って使って訓練してたっていうのがある。

 <暗具:仕込銃>も同じくで、何処に仕込んでたかって言うと、私のこの右腕だよ。

 残念ながら装弾はしてなかったから、今は撃てない。

 

 魔法スキルは、習得した魔法の系統が表記される。

 私は魔法を司るから<魔法>としか書かれてないけど、普通の人が魔法を覚えたら<火属性>とか<空間属性>って表記され、内訳に≪ファイアーボール≫とか≪ショートワープ≫とかが増える。


 一応この世界に魔法以外にも、魔術や魔導ってモノがある。

 それらは魔法と違って発動が異なる。

 魔法は魔力を操り、行使して、発現する。

 魔術は回路を作り、動作させ、実現する。

 魔導は触媒を使い、作用して、出現する。


 簡単に言うと、魔法はイメージ通りのモノで、魔術は道具みたいなので魔法を使うって感じで、魔導は化学反応みたいな感じに触媒を適切に使い魔法を使う。

 それぞれ利点があるけど、使う時にでも思い返そう。


 特殊スキルは文字通り武器スキルや魔法スキルに無いスキル。

 ≪鑑定≫とか<ステータス>に当たるもので、新しく作ったり何なりすると増えるのかな。

 ≪ステータス≫も今やった魔力操作と転写の結果だもんね、これ。

 ≪鑑定≫は......後でやってみてかな。


 最後に称号だけど、これは書いてある通りだね。

 何かを成し遂げたり、規定のナニカを超えると"世界"さんや他の神から与えられる。

 称号は神が関わる重たいものだから、詐称出来ないらしいよ。


 ちなみにさっきからちょいちょい"世界"さんって言ってるけど、ただの世界と"世界"さんは別の事。

 世界はもらったイルミナ世界とか、地球が存在していた世界の意味合い。

 "世界"さんは、さっき言った世界を内包した世界の事を指す。

 さん付けするのは......後に語ろう、ただ会った事があるだけだから。


「音亜ちゃんはネシス・シアーカね。なにか名前の由来はあるのかしら?」

「んぅ......ねしす・しあーか......うーん。ねしすねしすねしす、うーん。しあーかはしぁ......はーか......わかんないや。類似してるものがあるかと思ったけど、そうでも無さそう」

「私達の知らない言葉が妥当かしら。魔法の方は結構自由な感じかしらね」

「ん、多分。ちゃんと魔法で水出せるかも」


 魔法をどれだけ活用できるかが、今後楽に出来るか決まるねこりゃ。


「魔法で出した水は無毒なのかしら......あれ、そもそも私達って食事いらないんじゃないかしら」

「まぁ......そうだろうけど。それは流石に」

「それもそうね。安全の確保されたサバイバルを楽しむってイメージで楽しめばいいわね」

「ん」


 食事なんてそもそも神である以上、不要。

 不要だけどサバイバル飯とか絶対楽しいし、食事は娯楽のトップ2だからしない訳には行かない。

 因みに娯楽のトップ1はえーなだ。


「あ、≪鑑定≫やってみる」

「私にも見せて〜」

「んっ」


 ≪鑑定≫試してなかったから、適当に鑑定をしてみよう。


[植物] ソノヘンハエルクサ レアリティ:G 品質:A

 その辺に生える草。

 ただの雑草。

 美味しくはない。


 ほーこんな感じなんだね。

 [植物]って所はカテゴリー表記部分で、次に名称が書かれてレアリティと品質って感じかな。

 ランクはG~Sでそれを超えるのもある感じで、超えてきたらユニークな表記になるっぽい。


「へぇ......こんな感じになるのね」

「ね、鑑定して回るのも、図鑑を見てる感じで楽しめそう」

「たしかにそうね! それに私達で作ったものも鑑定して行くのも面白そうね」

「ん、どんなふうに図鑑登録されるんだろ」

「ふふっ、もう図鑑呼ばわりね。でも転写した情報を書物にしたら実際に図鑑になっちゃうわね」

「でしょ。それよりえーなのもみせてよ」

「じゃあ私の番よ〜」


 鑑定して回るのはちょっと楽しみだけど、それよりも今はえーなが作ってくれた≪ステータス≫を見てみよう。




==============

名前:文月 永那 神名エイナ・ガルド

種族:守護の女神・現人神


武器スキル

 <刀:太刀><斧:ハルバード><槌:大槌><盾:葉形盾>

 <小火器:突撃銃><小火器:拳銃>

魔法スキル

 <光属性><闇属性><空間属性><生活魔法>

スキル

 ≪鑑定≫≪ステータス≫

称号

 <創造神の領域を侵す者><守護の女神>

==============




 武器スキルめっちゃ多いっ、絶対現代日本で使わないスキルばっかりだ......魔法スキルは私と違ってちゃんとある。

 <生活魔法>ってのが結構気になるけど、どんな魔法が内包されるんだろ。

 それより......

 

「えーな、神名もえーなだ」

「そうねぇ......でも音亜ちゃんがネアとかじゃないのが気になるけど、調べようがないわね」

「ん、まぁ私のは良い、わかんないし。<生活魔法>って何出来るの?」

「あ〜〜〜えーっと、まずこれね」


 えーなが少しの間をおいて魔法を行使した。


「≪洗浄≫っ!」

「ほわぁ......使い古した靴がキレイに、手もきれいになったっ」

「魔法便利すぎでしょ。何よこれ、まぁ良いわ使えるに越したことはないし。音亜ちゃんはまぁ<魔法>を持っているから出来ると思うけど、出来ないうちは私がやってあげるわね」

「んっ、ありがと。私のこときれいにしてね......♡」

「ふぐぅっ......♡私が汚したくなるぅ......♡」

「えーななら、むしろきれいになる、よ」

「あぁもうこれ以上はやめてっ、称号、称号の詳細を見ましょう!?」

「はぁーい」


 ついついイジっちゃったけど、これが家の中でゆったり出来る状況だったらもうやることやってたね。

 切り替えてえーなの称号もみていこー


<創造神の領域を侵す者>

創造に()けた神に贈られる称号。

その力は一つの想いに集約され、行使される。

 

 えーなは物作り所か、会社だってなんだって創ってきたもんね。

 この義手だって似たようなものだもん。


<守護の女神>

守護を司る力を持つ女神へ贈られる称号。

対象の神と守護契約を成せば、真の力を開放される。


 なんだかわかりやすいね......えーならしいよ。

 ちょっと感慨深い神格に目頭が熱くなっちゃう。


「こんな感じなのね〜さて、音亜ちゃん。私と守護契約して、守護対象になってよ」

「んふっ、それじゃ胡散臭いよ。もちろんするけど」

「真の力が何であれ、神の権能が何であれ、守護することには変わりないけれどね。では契約を『守護契約:守護者/文月永那 守護対象/水無月音亜」

「受理、します』」


 えーなの契約の為に2人で、魔力を使うような感覚で、身体を構成する神力を言葉に乗せて契約。


「んっ......なんだかえーなに包まれてる感じ」

「私は音亜ちゃんとを強く感じるようになったわね」


 見えないナニカで繋がった気がする。

 さっき感じたえーなの魔力みたいな、そんな感じのものを身体中に感じる。


「ふ〜色々確認も終えたし、そろそろ拠点作りや食料の用意を進めましょうか」

「んっ、そうだね。役割分担」

「離れていても......うん、守護契約の影響で直ぐに転移も出来そうだし、音亜ちゃんの状況も感じるから大丈夫ね」

「なら私はご飯獲ってくる。えーなは拠点おねがい」

「任せなさい〜ゆったり出来る拠点を作っておくわよっ!」

「楽しみにしてる。じゃ、行ってくる、ね」

「はい行ってらっしゃいな。気をつけるのよ」

「んっ」


 離れて行動するのは寂しいけど......地球で一緒に住んでいた時も、えーなの仕事を見送ったりしてたし、大丈夫大丈夫。

 さて、えーなもよろこんでくれるような、良い成果を得るためにがんばるぞー!

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