第17話 辺境伯からの感謝と依頼
まぁ説明と生産回なんですけどね。
※2021/11/23 整合性が取れてない所とか文脈とか、一部加筆などの修正
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道中は特に襲撃もなく町に来た。町に入るとそこら中に屋台があり商業が盛んな町に見える。港だから他の大陸や輸送手段としての要所になっているのかな?
ナタリーちゃんから町の事を色々聞いた。実際魔の森近くだからこの港から商品を出荷して王都や他国と交易しているから栄えているそうだ。
そうして町の話を聞いていると屋敷が見えてきた。
よく物語や歴史書などで見るような立派なお屋敷だけど、別邸だから庭の面積とかは小さいらしく、前線都市の屋敷は庭も広く堅牢な壁で覆われていて、軍事拠点としても使えるらしい。
「到着しました!」
「おつかれさまです、わたくしはおとうさまにあいさつをしてきますが、エイナさまとネアさまもよろしければ、ごいっしょにいかがでしょうか?」
「ん、行こうか」
「そうね、うちの近くの貴族がどんな人か、見てみようかしら」
「ありがとうございます!ではこちらです!」
護衛のお仕事は終わったけど、家の近くの領土の貴族の面を見ておくのも大事だしね。
特に止められず円滑に屋敷の中に案内されて、応接室に入って待っているとどうやら来たみたい。
「おぉナタリー!大丈夫だったか!?すまない今報告を聞いたばかりで・・・ネア様もエイナ様もナタリーを救って頂き感謝します」
辺境伯は扉を開けて早々ナタリーを抱きしめ、お礼を述べ頭を下げた。
うんうん、家族の愛は見ていていいね~守りたくなる。この目で見える範囲だけだけど。
にしても貴族の動きじゃないね。もっと傲慢とか、平民には頭を下げぬ!って感じかと思ったよ。
「ええ、感謝するといいわね。音亜ちゃんが救うと決めてなければ、今この場面はなかったわ。だから音亜ちゃんにはしっかりと恩を感じておくのね」
「ああ、もちろんだ。我が愛しき娘の命の前では、貴族など飾りでしかないからな」
「どういうことですかおとうさま?」
傍から見れば貴族に対して強気な態度で話す平民に対して、貴族が屈している様に見えるが、これは単純に、私達が住んでいる場所の、近所の人間が付き合っていけるか見極めているような物。
そもそもの話、私達の方が位が高いからね。こういう対応をとってもいいし、救われておいて傲慢にも感謝をしないのであれば、領主を挿げ替える事になっただろうね。
相手も薄々気づいているだろう。いかに恩人でも貴族として頭を下げる事は良くないし、見られるだけで噂を立てられ立場が悪くなる。それでも低姿勢で接してきたのは、先ほども言ったが薄々私達の存在を感じているのだろうね。
「この方々は私達を試していたんだよナタリー。そして恐らくとても身分が高い方々だ。それを感じ取り見極める”目”を持っているか試されたのだよ」
「ん、正解。正体は次私達が家に戻る時に”お礼”を返してもらう時にでも話す」
「おぉそうですか、ではその時にお礼はさせて頂きます。それでナタリー、今日はわざわざどうしたんだい?」
「はい、こくおうへいかが、およびですが、きんきゅうではないので、わたくしがきました!あいたかったので!」
「ぉぅふ全く家の娘は・・・ふむ、では仕事も終えた所だしまだ時間も大丈夫だな。ネア様エイナ様、王都まで移動の護衛を依頼したく。報酬はそちらの望む形で話し合いましょう」
娘の可愛らしさに中てられたが頑張って耐えて私達に依頼を頼んできた。
ふーむ、まぁ私達も急ぎじゃないし距離的に今日中に付くから受理してもいいかな~
「ん、受理。報酬は・・・さっき言った時の報酬に上乗せでいい」
「わかりました、その時が少し怖いですな。はっはっはっ」
「大丈夫、そっちにも利益は出る」
「それはありがたいですが、一体何をするやら。では荷物を纏めて移動しましょう」
ちなみにだが、王都へ顔を出しに行ってる間の領の事は長男のアレス君に任せるようだ。今は前線都市にて書類仕事みたい。ご苦労なことだね。
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今は、それぞれが準備を終え、馬車に乗り移動をしている。
辺境伯とは軽くお互いの話をした。現在の王国の差別派とのいざこざや内部分裂の危険性や、もし王都で過ごしていく上で気を付けたほうがいい貴族の名前や騎士の事を色々聞き、私達は何処の出身なのかとか何を目的に旅をしているかを聞かれた。
まぁ魔の森に家があると答え、旅の目的は己の修練の為と答えた。間違えではないからね。
そして特に話す話題も無くなった頃えーなが切り出した。
「そういえば音亜ちゃん。そろそろ義手の電池も切れちゃうし、魔道具化したいと思うのよ」
「ん、そだね。材料何か要る?」
「どうせだったらグナーデを義手と統合しちゃいたいのよ。それこそずっと装備するんだしね、だから杖と義手と――――」
<永那視点>
「があればいいわね」
「ん、それじゃ義手外す。」
音亜ちゃんが袖をまくり腕を露出させた。
二の腕の半ばから、光を吸い込むような黒に、前腕にはモニターのようなものも見え、動かす度にほのかに機械音が聞こえる。
これは音亜ちゃんの趣味で”正に義手”といった感じが好きな様で。まぁちょっと厨二好きって感じの性格だからこういうのを作り上げた。
研究所で開発させたから私が直接作ったわけではないけど、これからやる作業を経て、私が作ったと自信をもって言えるようになるわね。
「む!その義手は一体?」
「あーこれは魔道具の義手みたいな物で。魔力で動かせて疑似的な感覚が伝わる義手といった所ね」
「ほぅほぅこういった物もあるのだな・・・」
どうやら辺境伯の感じから見て、義手はあるにはあるけど魔道具などの義手とかは開発されていたないみたいね。
医療技術とかも記憶しているからそう言った方法で資金調達も出来そうね。
「それじゃ音亜ちゃん義手改造しちゃうわね」
「ん」
さて・・・・・これはとてもとても大事な任務だぞ永那。
音亜ちゃんがすっごく大事にしていた義手を壊すなんてことは出来ないし、これからやるのは魔道具化、科学技術と魔法技術を融合させる難しい作業だし、杖の効果や宿った魂を維持したまま義手に動かすというのもとても難しく集中しなければいけない。
馬車の中だけども。
「あのきいてもよいのかわからないのですが、ぎしゅということはなにかあったのですか?」
「ん、暇だし道中に私の事少し教えてあげる――――」
まず材料の把握をしよう。
本体の義手、能力と人口魂のある杖、音亜ちゃんの神力が浸透したミスリルインゴット、修復済みのゴーレムコア、私の神力を結晶化した神力結晶。
とりあえず慎重に、確実にしていきたいから全部鑑定していくわね。
[装備] 電子義手 レアリティ:SS 品質:SS
別世界の科学技術で作り上げられた義手。
”電気”を利用した回路を小型化、チタン合金を利用して骨組みが作られ、表面には化学合成品で作られた疑似神経が通っている。
腕の表面には小さなモニターもあり、スマホなどの機能が使えていた。
現在は神力が浸透しており骨組みが変質している。
[武器] グナーデ・ヴェヒター レアリティ:EX 品質:EX
ブラックホーンラビットの角を元にミスリルを蔦のように飾り付けられた杖。
本体の角とミスリルの蔦によって魔力伝導性能がとても高く杖への魔力の浸透速度と許容量が大幅に増え鈍器としても色々な用途として使える。
触れている間一定量の魔力が常に吸われる代わりに害意に対して自動的に防御、近接なら反撃をミスリルの蔦が行う。
永那の果てしない強い意志と願いが魂を作り出した、魔力によって破損部位を自動修復が可能。
「彼女は私、私は彼女。そして私達の願いはあなたを守る事」
[素材] ネシスインゴット レアリティ:Go 品質:Go
ミスリルが魔法の女神ネシス・シアーカの神力が浸透して変質した金属。
魔法の適性が非常に高く、魔法行使の仕組みを理解していると魔法を創造できるようになる素材。
[素材] 錬金ゴーレムコア レアリティ:Go 品質:EX
錬金術によって再生されたゴーレムコア。
錬金術行使者が神格を持っており神力が使用された形跡がある為、とても大きな器となっている。
[素材] エイナクリスタル レアリティ:Go 品質:Go
エイナ・ガルドの神力が結晶化した神結晶。
神の権能に合わせた効果がある。(守護、■■)
・・・軒並みレアリティ高いわね、
後半3つとかは神力を使ってるからGo級のレアリティになるのは仕方ないけども、音亜ちゃんが付けるなら相応しいわよね。
それじゃグナーデはコアとクリスタルに融合させ、プレートに近い形にして義手のモニター部分に嵌めるとして、義手の肉の部分は~音亜ちゃん金属使っちゃってでいいかな。
それじゃ作業を始めよう。
まず義手を分解、これは研究の時に立ち会う事が多かったから分かるのよね。分解後は骨の部分に結合された回路を外して、黒いチタン合金で出来た腕の骨を取り出して置いておけばこれで義手は準備完了。
次にグナーデとゴーレムコアとクリスタルを融合だけど・・・
最適なのは錬金術ね、自力の合成も理論上できるんだろうけど、魔法によるアイテムの最適化がされるから錬金術の方がいい、じゃないと素材毎の鑑定結果になってアイテムとして認識されないかもしれないしね。
まずはゴーレムコアとクリスタルの融合。この錬金術は神力をアイテムに1ドット...分子レベルくまなく這わせる。といった形で魔力を浸透させないといけないからとても集中が要るから難しい。この作業は神力を使用してやるから、神の力を暴走させない様に制御するのもまた難しい。
神力を均等に這わせたら神力を1ドット一つ一つを動かすと、液体の様に2つの球体が溶けていき、お互いを混ぜ合わせるように動かすとお互いが融合していく。
これはちゃんと融合させるにも位置を10101010のような形にして均等にしなければ行けないから集中しゅうちゅう・・・よしッ!できたッ!難しいから達成感!一応鑑定!!
[57Sg5p2Q] 56We44Gu5Zmo 44Os44Ki44Oq44OG44Kj:R28 5ZOB6LOq:R28
56We44Gu5Yqb44GM5ZCr44G+44KM44Gf44K044O844Os44Og44Kz44Ki44Go56We44Gu5Yqb44Gu44G/44Gn5L2c44KJ44KM44Gf57WQ5pm244Gu6J6N5ZCI54mp
うわ・・・・・バグってるわね。間違ってないはずだけど・・・
新しい物を創ったからとか、地球産の元を使ったから説明がない的なそんな感じかな?アイテムと私の能力信じてそのまま使うけどね。
次にこの名称不明物質α君をグナーデと融合だ。
これは少しやり方を加えないといけない気がするのよね。だって魂を移動させるわけだから。
とりあえず念話で頭から魔力でグナーデに話しかける。
『は~いグナーデ・ヴェヒター起きてるかしら?』
『!!!はいお母様!お声がけしていただきありがとうございます!』
『あらあら、元気な子ね。だけど私は貴方を生み出しただけ。マスターは誰かは分かってるわよね?』
『はい!もちろんです、お母様!それでわざわざ念話使ってどうされましたか?』
『今ね、音亜ちゃんの義手を魔道具化しているんだけど、貴方の魂もそっちに動かしたいのよね。それで器を用意してあるんだけど、貴方をどう動かそうかなと思ってね~』
『お母様の魔力を借りれば、私が自分で移動できます!』
『あら、そうなのね。んじゃこれから貴方の体を融合させるから、それと一緒に新しい器に入ってくれるかしら?』
『はいです!』
意外と普通に話しかけられるのねぇ。グナーデちゃんは元気っ子みたいね。
これからグナーデとα君を融合させるから集中集中・・・・・
よし出来た!ちょっと時間置いて先に義手に肉付けしてから鑑定してみよう。
それじゃ、チタン合金で出来た腕の骨に音亜ちゃん金属を嵌めていくけど、これは先ほどまでの集中力は要らなくて、神力を音亜ちゃん金属に這わせて腕の形を想像しながら形成していくだけなのよね。
傍から見たらどんどん金属が自分で形を作っているような感じに見えるけれども。
よし出来た!形は前と同じような形になって、ちゃんとプレートを嵌められるところも空けてあるし、嵌める前にさっきのを鑑定してみよう。
[素材] 神の器 レアリティ:Go 品質:Go
神の力が含まれたゴーレムコアと神の力のみで作られた結晶の融合物。
あら意外と簡素な感じだったわね。
多分システム言語のまま反映してしまったみたいな感じなのかしらねさっきの文字化けみたいなのは。
とりあえず肉付けした義手に神の器プレートを差し込み、完成!あとは音亜ちゃんが義手の付け根に神力体を結合して、神力を浸透させればちゃんと腕として動作するはず!
一応鑑定!
[装備] 慈愛乃守護義手 レアリティ:Go 品質:Go
異世界の合金と神の金属と魂が込められた義手。
神の金属により耐久性と権能[魔法、■■]の使用の補助がされ、魂が自立意識を覚醒させたが積極的に話はしないようだ。
永那の培った技術と執着、音亜の深淵の如く愛着と依存で出来上がった神器。
「マスター、これからよろしくですよ。御用があれば念話で話しかけてください」
「出来た!出来たわよ音亜ちゃん!」
「ん、おぉぉぉ・・・!早速つけて良い?」
「ええ良いわよ早速つけて?力を浸透させれば動くはずよ」
「うん」
ガチ、キュイィィィ
「お、おぉ?わぁぁぁすごい!今までより感覚がはっきりして、加えてえーなの力も感じられてすごい!すきぃ!」
音亜ちゃんに勢いのまま報告したら、音亜ちゃんが珍しく人の前なのに表情を剥き出しに驚きの顔から満面の笑みに変わって、慈愛の笑みを浮かべ義手を頬に擦り付け始めた。
あぁ尊い・・・
「えーなありがと、ちゅっ」
あぁ・・・あっ――
<音亜視点>
あ、えーなが気絶しちゃった。
ふふふっ!えーなが新しくしてくれた義手も感覚が左腕と同じようになってるし、えーなの魔力が少し宿ってるから良いね・・・
「お、おとうさまなんだかあのぎしゅものすごいちからをかんじますよ」
「気にしちゃダメだぞ~今はひたすら気にしちゃいけないんだ、いいね?(ありゃぁ神器だろ・・・)」
えーな気絶しちゃったから今は膝枕でもして休ませてあげようかな。王都までまだあるしね。
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