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女神適合者の異世界侵行  作者: 水無月鷹野
序章 適合者の始まり
2/96

後半・■界に来たよ。

※2023/08/09 加筆修正済み


「っ!?」

「ん......」


 意識灯った瞬間、自分の周りへと目を向ける。

 周りを見渡すと、ギリシャ神殿のような建物の中のみたいで、壁や柱には見て理解出来ない様な、矮小で壮大であると意識に訴えてくるような、未知を既知にして脳みそに叩きつけてくる、表現し難い景観が広がっている。

 そして目の前に頭を下げている人がいる。


「あの......」

「すみませんッ! いきなり言われて理解しろとは言いません。でも事実を告げます、お二人は世界に発生する歪みで死亡しました」


 真っ白な人形(ヒトガタ)が頭を下げながら、さっき私達の身に起きた事実を告げた。

 死んだ、死後の世界。

 ............ふぅん?


「なっ」

「ん、えーな。上位存在のせいで死んだって事、だとおもう」

「はい、その通りです」

「っ......」

「えーな」


 整然と何ら変わらないえーなを抱きしめて、混乱してるだろうけど私からも事実を告げる。

 えーなは頭が良くて、かっこよくて、人を動かすのが上手で、かわいくて、運動神経もいいし美しい。

 でも私と違って咄嗟に、重い未知を理解して既知に変える事は出来ないから、混乱してしまってる。

 だから正面から抱きしめて、肩に手を回せば自然と腰を下げるえーな。

 その下がった顔......耳に囁く。


「まかせて」

「......わかったわ(音亜ちゃんのゾクゾクするダウナーボイスに少し落ち着いたわ。いや寧ろちょっと興奮してるまである)」

 

 私は地頭が良かった。

 劣悪な環境でもなんとか割り切れていた。

 でも中途半端に縛られなかった故に、普通の環境を知ってしまった。

 幼い頃から本気で逃げて隠れて生きて......でも親から離れられずに、限界環境で己を磨き続けた。

 

 そんな私がこの程度で冷静さを欠くわけない。

 えーなの為なら尚更ッ!


「っ、先に(・・)申し上げます。私達の不手際で起こった事、地球でも異世界でも望む形で生を与えられます」

「先にって事は他に何が?」


 駆け足気味な説明に疑問を持ち、私は訝しげに問う。

 こんな言い方して、出した選択肢だけで終わらせる訳ない。

 眼の前に居るモノの感情や思考に善悪を感じない......ただ作為は感じる。


「伝えた通り、可能な限り要望に答えます。ですがこちらに魂が送られる時に解析された情報には......お二人には神に至る才、神格適合者としての資質を確認しました。そこでお二人にぜひ神としての選択肢を、と」

「......神、何をさせたいの」


 前者の選択肢はきっとチート転生モノなんだろうけど、神ときたら......作為も感じる。

 面倒事は嫌いだ、それもえーなとの時間を潰してまで来る面倒事は、特に。

 

「簡単に言えば、存在してほしい。細かく言うなら......複数ある世界の内、一つの世界を管理してほしいのです。管理できる神、管理神が存在しない世界は人為的に起こされる歪みに対応できず、歪みから世界が崩壊してしまう。世界が滅ぶだけならソレでいいのですが、他の世界にも影響は起きる」

 

 言い草からして、私達には管理神としての価値、格があるってことなのかな。


「聞かせて、その選択肢は私達(私とえーな)を別つ?」

「いえ、とんでもない。お二人で(・・・・)存在さえしていればそれで良いのです」


 ......私達が別たれないなら、なんだって良い。

 聞くことだけは聞いて、前者(望むがままに転生)後者(役目を負って転生)を選ぼう......えーななら私の選択肢を信じてくれる。


「わかりやすく、メリットとデメリット」

「長くなりますが......」

 

 伝えられたデメリットで、目立ったものはこの二つ。

 一つ、神格を得るには人の身を捨て、神力を使った精神生命体に成る。

 二つ、神格を覚醒させたら、管理世界に発生する次元の歪みに対応する。

 そもそも神の身でも、歪みは滅多に起きない事らしい。

 だからこそ気をつけないといけないみたいだけど。


 次にメリットだけど、こっちのメリットは前者の望む転生では得られないそうだ。

 一つ、神格を得て、神格に合った権能を行使できる。

 二つ、神力を元にした身体になり、身体を自由にイジれる様になるし、寿命(・・)が存在しない。

 三つ、世界の権利。


 歪みさえどうにかすれば、何をしても良い箱庭を寿命無しで、愛しい人と共に遊んで生きていける。

 そう、愛しい人と、永久の時を......


「......んふっ、んふふふっ、ずっと、ずっといっしょ。なら――――」

「音亜ちゃんと分たれない時を......? そんなのっ――――」

「「――――なるに決まってる」」


 2人と一緒に、ずっと一緒に居られるなら、神にでも邪神にでもなる。

 それで敵が出来たって良い、ソレがたとえ神でも、遥か上位存在でも。

 あ、因みに目の前にいる人形は創造神らしいよ。

 

『......では身体の生成と神格の選定を始めるよ』


≪水無月音亜の作業を始めます≫


≪人種から現人神への進化を始めます≫


≪体の記録を解析.....≫


≪体を神力から再生成中.....≫




≪生 --成 完f了 ...≫


≪神格の選定を開始します.....≫




≪個体の肉体的行動評価中.....≫


≪個体の思考パターン評価中.....≫


≪カルマを評価中.....≫


≪■と■の■■神≫






«......■■神?»


≪現在の体ではf可。再検索します≫







≪■定と魔法の■■神≫




≪.....現在の体では適合不可。再検索します......≫


≪魔法の女神≫


≪適合しました≫


≪称号の授与を行います≫




≪最高神の領域を侵す者≫

≪魔法の女神≫




≪文月永那の作業を始めます≫


≪人種から現人神への進化を始めます≫


≪体の記録を解析.....≫


≪体を神力から再生成中.....≫




≪生成完了≫


≪神格の選定を開始します≫




≪個体の肉体的行動評価中.....≫


≪個体の思考パターン評価中.....≫


≪カルマを評価中.....≫


≪■と■の■■神≫






≪......??? ■■神......≫


≪.....不可。再検索します≫







≪守護と■作の女神≫




≪.....現在の体では適合不可。再検索します......≫


≪守護の女神≫


≪取得しました≫


≪称号の授与を行います≫




≪創造神の領域を侵す者≫

≪守護の女神≫






 身体が......感覚が不思議な......よくわかんないけど、完璧に身体を使えるようになった、そう感じる。

 精神生命体に変わったってことなんだろうけど、今この時、しっかりと肉体がある。

 でも身体すべて、表面全体や内臓でさえ指先の様に操れるって解る(・・)


「はぁ、はぁ、無事終えたみたいですね(成り立てじゃありえない力だ、()()()......)」

「ふーっ......ふーッ......音亜ちゃん、つぎこそ、まもるわ」

「ん、えーな、私が支える。だからいっぱい私を支えて」

「ッッッ......」


 神力に感情が乗って、鮮やかな青いオーラが奔流となって神殿を侵す。

 高ぶったえーなに抱きつくと、びっくりした表情と共にオーラも感情も落ち着いて行くのが見える。

 きっと過去の事とか、色々なことが巡って不安定になっちゃってたんだろう。

 この歪みのことでさえ、きっと気に病んでる(・・・・)から。

 

「大好き、好き、だいだい大好き。気に病む時間も、甘やかす時間にして、終わりなき時間、それでも足りない、でしょ?」

「えぇそう、そうよっ。そのとおりだわっ......大好き、愛しているわ......」

「えーな......♡」

「音亜ちゃん......♡」


 好きが溢れてくるっ、病んでる気持ちも伝えてくれる愛情も、全然......好きで愛してる......♡


「ん゛ん゛っ、本当に、いや本当に邪魔して申し訳ないんだけど、ここじゃなくてあげる世界でシてもらってもいいかい......? この空間(糖分の歪み)に居ると良からぬことが起きそうだ」

「それもそうね」

「んっ、無限とはいえ、流れる時間を最大限に、楽しめるようにだね」


 創造神が居るの忘れてた、言われた通りもらう世界でしっぽり楽しめる様に、さっさと行っちゃったほうが良いね。


「最後に、なにか質問とかあるかい?」

「ん、特にない。未知は旅の醍醐味」

「ほぉもらった世界で旅か......良い目的だね。永那さんは?」

「私も特にないわね。必要なら私がどうにかするわ」

「いい心がけだ。では、これからはお二人で好きなように......世界の事を頼んだよ。イルミナ世界をよろしくね」


 ちょっとフランクになった創造神が強く光を放ち、視界が真っ白になっていく。

 さぁ......地球とは別の世界。

 どれぐらい楽しめるかな。

 

「んっ」

「もちろん」


 光に包まれ、私達は新たな世界へと旅立った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 作為しか感じないぞ...たまたまピンポイントに神達が欲した才能を持つ二人の空間に歪みが生じて死亡、手頃な手駒をゲット、こんな神達側に都合が良すぎる偶然とかあり得ないでしょ! もうこれ普通に神…
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