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ドラゴンになったみたい


今朝この人に気絶させられたんだ。


「…こんばんは」


俺は少し警戒しながら返答した。


「そんなに警戒しなくていいじゃない」


苦笑いしながら近づいてきた。


「…なんかようですか?」


なんでこんな時にこの人と会っちゃうのかなぁ。なんか心拍数が上がってる気がするし。


「雫君は自分の体に違和感を感じてるんじゃないかと思ってね。それを治す方法を教えてあげようかと思ったのよ」


俺は驚いた。


「な、なんで知ってるんですか…?」


「だって感じるもの。私たちと同じドラゴンの力を」


一瞬に何を言ってるのかわからなかった。


「ド、ドラゴン⁈急に何言ってるんですか?」ヒキッ


へ、変な勧誘の人とかなのか?

この人実はヤバイ人なのかも。


「ちょっ、ちょっと引かないでよ。へ、変な勧誘とかじゃないってばぁ。」


俺の目を見て違うと訴えてくる。


「 ……」


俺は黙って見つめ返す。


「…っはぁ。わかったわ。じゃあ、ちょっと見てて」スッ


そう言いながら白銀さんは右腕を前に出した。


「…よく見ててよ。」カチカチ


白銀さんの右腕を見ていたら突然、氷の様な鱗のついた爬虫類の腕を人の腕に模した様な見た目の腕に変化した。


「…ッ⁈」バチバチ


俺が驚いて言葉を失っていると突然、背中に焼ける様な痛みが走った。


「ウッ⁈!ウガガァああああああぁ!!」


俺はまた地面に倒れ伏した。

その光景を白銀さんは黙って見つめている。

数分後背中の焼ける様な痛みが嘘の様になくなった。


「はぁはぁ…はぁはぁ、何が、起こって…ってぇ⁈」


俺は自分の背中を見て驚いた。

背中に透き通る様に白く機械チックな羽組に薄く青白く光る膜がついた羽?いや翼が月の光に照らされて輝いていた。


「なんじゃこりゃぁぁぁああ⁈」


自分の背中から生えている翼に驚いて大声を上げてしまった。


「…綺麗な翼ねぇ」


白銀さんが見惚れる様な笑みを浮かべていた。


「ど、どういうことですかぁ⁈」


自分の体の変化に頭が追いつかず何か知っていそうな白銀さんに答えを求めた。


「どういうことって、貴方もドラゴンになったのよ。…正確にはドラゴンの力が発現したのよ。私のようにね」


答えを聞いても理解できなかった。


「ド、ドラゴン?の力って言っても一体何時、どこで、どうしてドラゴンの力なんて宿ったんですか⁈」


白銀さんに詰め寄って捲し立てた。


「うふふ。取り敢えず落ちつきなさい。先ずは翼をしまいましょう。翼をしまいたいと念じればしまえるはずよ」


白銀さんに言われて自分が翼を出したままなのに気づいた。

取り敢えず言われた通りに念じてみる。


「…スッ」


おぉ〜しまえた。ずっとこのままならどうしようかと思った。


「出したいときも同じように念じれば出せるはずよ。試しに出してみなさい」


言われた通りもう一度出してみる。


「…バサ」バチバチ


さっきも思ったけどなんか電気が走ってる気がする。


「疑問に思ってるかもしれないから先に教えるわね。ドラゴン【龍】の力、龍気には人それぞれ特性があるの。私の氷のように自然の力を操れる能力も有れば純粋に身体能力を高める能力だったり人それぞれ特性があるの」


じゃあ俺の能力は電気系統なのかな?

ここまではいいかしら?

そう言いながら白銀さんはベンチに座るので俺も頷きながら近くに寄る。


「…隣に座ってもいいのに」ボソ


ちょっと残念そうに呟く。

気まずいので話を催促する。


「…それでなんで急に俺にドラゴンの力が宿ったんですか?」


俺は一番気になる事を聞いた。


「その事なのだけれど…その謎はまだ解明されてないのよ。一つわかってる事としたらこの力は生まれ持ったものであって後天的に宿るものではないのよ」


そう白銀さんに言われて驚いた。

白銀さんの言う通りなら僕は生まれた時からずっとこの翼を持っていたって言うのか。


「で、でも今の今まで背中から翼が生えたことなんて一回もないですよ⁈」


「…そうねぇ。雫君。貴方ここ最近3日間の間くらいの中で心境の変化とか龍にまつわる事をしたとか劇的な変化とかなかったかしら」


言われて俺は考えてみる。


「…ッ⁈」


そういえば昨日槍に触れた時に


「あるのね。よかったら教えてくれないかしら?」


俺は昨日の事を白銀さんに話した。


「なるほどねぇ。考えられるのは二つ。先ず一つ目はその槍がドラゴンの力で作られたものの可能性。もう一つがドラゴンの素材を用いて作られた可能性。これくらいかしらね」


「ド、ドラゴンの素材⁈」


ドラゴンを素材にとか今の時代に手に入るのだろうか。


「ドラゴンって言っても大半が龍の力に飲まれて自我を失ってしまい命を削りながら暴れ回るしかできない半端者の龍のなのだけれど。ドラゴンであることは確かだから強い龍は強いし弱い龍は弱いわ」


「え⁈コワッ⁈…ン?」


でも、全然騒ぎとか起きないのはなんでなんだろう。そんなにドラゴンが暴れ回る様な出来事があれば世界中が大パニックになりそうなのに?そんな俺の心境を知ってか知らずか白銀さんが


「普通にしてれば暴走なんてそう簡単に起こらないわ。ニュースとかにならないのは龍気で人の記憶を操ってるからよ」


「そ、そんなことまでできるんですか⁈」


なんでもありだな。龍気って。


「まぁ、龍気が有れば誰でもできる様な簡単なものだけどね。」


「簡単に人の記憶いじれるってやば⁈」


「ここからが一番大事な話よ。何故、私があなたに接触したのか。その理由を話すわ」


やっと本題か。さて何が聞けるやら。心のどこかでこの非現実的な出来事を楽しんでいる自分がいた。























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