表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

なんかおかしい


朝6時

ピピピピピー


目覚ましの音と共に意識が覚醒する。なんだかいつもよりスッキリ起きられた気がした。


「ふぁは〜〜〜ぁ」グッ


いつものように伸びをする。いつもより体が軽い気がした。きっと深い睡眠を取れたのだろう。


「今日で中学生も終わりかぁ」


ベットから降りタンスからランニング用の服を取り出して着替える。

日課のランニングに行くためだ。最初は面倒だったランニングも今では走らないと落ち着かないようになってしまった。


「行ってきます」ボソ


家から出発して4キロ先にある公園まで行ってそこで軽く腕立て伏せ、スクワット、懸垂、ダッシュを少しして同じ距離を帰る。


「昔はサボって歩いたり、筋トレしなかったりしてたけど絶対に父さんにサボったのバレるんだよなぁ」


バレたら最後足が動かせなくなるまで走らされた後いつも父さん直伝絶対に筋肉が強くなる筋トレをやらされるからなぁ〜。

次の日はどこに力を入れても筋肉痛で動けなかった。

はっはっはっー。よく生きてたな俺。

学校の友達に筋肉痛の軽減方法とか聞いたらそんな事しないからわからないと聞いた時は父さんを呪ったわ。

それを父さん伝えたら


「今から体を作っておかないと絶対に後悔するぞ」


あれはなんだったんだろう。何かを悟ったような先を見据えているようなそんな顔をしていた。

サボろうとすると父さんのあの顔が頭によぎるせいでサボれなくなってしまった。

そんなことを考えていたらもう公園に着いてしまった。


「なんか今日は全然疲れないな…まっいいかそれだけ体力がついたってことだし」


腕立て伏せを始めようとしたらベンチにテレビでしか見たことないような綺麗な女性がこちらを見ていた。


「なんでこっちを見てるんだろう?なんか変なものでもついてるかな?」ボソ


自分の周囲を確認する。特に変わったことはない。

いつも通りだ。そんなことを考えているとその女性はこちらに向かって微笑みながら歩いてきた。


「君、こんな朝早くから走っててすごいわね。毎日走ってるの?」


「はい。朝走らないと落ち着かないので。」

腕立て伏せをしながら答える。


「君、何歳なの?」


「15歳です。」


俺の答えにお姉さんは驚いたような顔をした。


「へぇ〜毎日走って筋トレまでするなんて凄いわね!」


「俺も最初は面倒だったんですけど続けているうちに日課になってしまって」


今度は腹筋をしながら答える


「そんなに朝から動いて学校辛くないの」


「最初は筋肉痛で大変だったんですけど今ではだいぶ慣れちゃいました。それにもう中学も卒業なのでこれからはもう少し量を増やそうかと思ってます」


本当に今日は全然疲れないなぁ。


「じゃあもうすぐ高校生なのね?どこの高校に行くの?」


「近くの青龍学園の高等部に行く予定です。お姉さんはなんの仕事をしてるんですか?」


ストレッチをしながらなんとなく聞くとお姉さんは少し驚いた顔をしていた。。


「お、姉さんって私も君と同じ15歳よ。そんなに老けて見えるかしらぁ」どょぉ〜ん


お姉さんは落ち込んだ顔をしていた。

どうやらやらかしてしまったらしい。マズい!


「え⁈そうなんですか!すみません!大人っぽい女性の人だなと思ったので別に老けてると言うか逆に色っぽいと言うか」


罪悪感から一気に捲し立てた。


「…うふふ。そんなに否定しなくても大丈夫よ。悪気がないのはわかってるから。ちなみに私も高校は青龍学園に進学するわ」


「えっ⁈そうなんですか⁈じゃあクラスが一緒になったらよろしくお願いします」


こんな綺麗な人と同じ学校だと思うと少し嬉しかった。


「もう!気が早いわよ!でもそうね。同じクラスになったらよろしくね…えっと?君、名前なんて言うのかしら?」


「あ、俺の名前は鳴上雫って言います。よろしくお願いします…えっと」


「私は白銀雪音よ。雫君、よろしくね」


そう言って白銀さんは手を差し出してきた


「白銀さんよろしくお願いします」


そう言いながら手を握った。その瞬間、体の力が一瞬にしてなくなった。


「ドサッ」


俺の体は地面に倒れ伏し一瞬にして気を失った。


「ふふふ。この歳でこんなに龍気を持っているなんて。これから長い付き合いになりそうね。ふふふ」


その言葉は雫の耳には届いていなかった。



「ん?」

僕は公園のベンチの上で目を覚ました。


「なんで俺はこんな所で寝てるんだ?…まぁわからないからいいや。それより今何時だ?」フッ


公園にある時計をみた。


「ヤバイ!卒業式に遅刻する!」


僕は急いで公園から家まで帰った。


「はぁはぁはぁ、ただいまぁ」


怒られるかなと思っていたら帰ってきた返事は意外なものだった。


「お帰り雫。早くシャワー浴びてきなさい」


ご飯を食べてる時間すらないと思っていたから僕は時計を見て驚いた。


「ご、五分しか経ってない⁈」


いつもなら20分はかかってたのにいつもの半分以下で帰ってこれた。


「なんかいつもより体が軽かったからそのおかげかなぁ?」


でも、そんな事ありえるのか?しかもいつもより全然疲れないなし。そんな事を考えていると


「何やってんの雫?今日卒業式でしょ!いつもより準備に時間かかるんだから早くシャワー浴びてきなさい!」


「ご、ごめん!今、浴びてくる」


取り敢えず考えるのは後でできる。これ以上怒られるのは嫌だしシャワー浴びてこよう。


「卒業生入場」


司会の先生の合図で前の列の人が動き出す。


「今日はなんか変なんだよなぁ。公園で誰かと会ってた気がするんだよなぁ」


あれは気のせいだったのかな?とても綺麗な女性と話した様な気がするんだけど全然思い出せない。気になるなぁ。


「卒業生退場」


そんなことを考えていたらいつの間にか卒業式は終わっていた。卒業式が終わり家に帰りお昼ご飯を家族みんなで食べた。


「ふぁ〜ぁ。お腹いっぱいになったら眠くなっちゃった」


「あらあらまだまだ子供ね。この後予定もないしお昼寝でもしたら?」


母さんにそう言われたのでそのまま昼寝をした。



なんだか夢を見ていた。

自分が電気を纏いながら白くそして神々しいほど美しいドラゴンと楽しそうに喋っているそんな夢を見ていた。


「起きない。雫、起きない」


「ん?あ、母さん?」


「もう夜ご飯できたわよ。これ以上寝ると夜寝れなくなっちゃうわよ」


5時間くらい寝ていた様だ。お腹も空いたし早くご飯食べちゃお。


「ごめん母さん。いただきます」


「ふぁ〜美味しかった」


俺は夜ご飯を食べた後自分の部屋のベットに入って寝ようとした。


「…全然眠れない」


昼寝をしていた所為もあるかもしれないけど何より体が全然疲れてない。動き足りない。そんな欲求を感じていた。


「今何時だろ?」


時刻は12時30分だった。俺はそぉーっと部屋のドアを開けた。母さんたちの寝室を見て電気がついてないのを確認して玄関を開けた。


「取り敢えずいつもの公園まで行こう」


公園までの道のりを走っていても全然疲れなかった。


「どうしちゃったんだろう?今までこんなことなかったのに」


公園に入るとベンチに誰か座っているのが見えた。


「うふふ。こんばんは。また会ったわね」


あ、思い出した!

朝会った人だ。確か名前は…白銀さんだ!

なんで今まで思い出せなかったんだろう?












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ