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34話「ゴブリン初号機」



 ディエゴの酒の被害にあった人達へオールフルフラワーの蜜を飲ませ、食器や屋台の片付けも終わり、日付が変わる前には宴も無事に終わった。

 そして夜の見張り番以外が寝静まった頃。

 ダンジョン内に作った自室のベットに神人ボディで腰掛けながら、今回のゼネラル襲撃で得た魔物の情報やステータスを確認する。

 ダンジョンになってから睡眠が不要になった為、みんなが寝静まった頃にステータスを確認するのが日課なのだ。


「まずは今回入手した新たな生物のステータスだな」


 剥製や骨格標本では素材が足りないので強そうな魔物の生体情報は得られなかったが、昆虫の標本や魔石からは新たな生体情報を得ることができた。

 今まで気付かなかったが、魔物の体を半分以上吸収せずとも魔石を吸収するだけでその魔物の生体情報を得られるようだ。

 最初のゴブリン吸収した時の苦労っ……。


「気を取り直してステータス確認するか」


 宝物庫で入手できた生体情報は11種類。昆虫が6種類に魔物が5種類だ。


「昆虫は……金ピカのサソリ、エメラルドのように輝く蜘蛛、銀色のカマキリ、葉っぱみたいな蛾、半透明なバッタ、雪のように白いハエか。葉っぱ蛾と半透明バッタは偵察に使えそうだな。白バエは寒さに耐性があるみたいだし、寒い場所の偵察に使えるか」


 昆虫はそんな所だが、メインはもちろん魔物だ。


「まずはこの2種類だな」



種族名:バーストアント

種族能:増殖

レベル:1

スキル

『破裂』


種族名:フラッシュアント

種族能:増殖

レベル:1

スキル

『閃光』



 バーストアントはトゲトゲの甲殻を持ち、フラッシュアントは鏡のように光を反射する甲殻を持つアリだ。どうやら、ボムアントの亜種らしい。

 バーストアントの持つ『破裂』のスキルはその名の通り体を破裂させるスキルであり、爆炎が無く音は小さめだが『自爆』よりも衝撃波が大きい。この衝撃波でトゲトゲの甲殻を飛ばして攻撃するようだ。

 フラッシュアントの持つ『閃光』は自身の体を破裂させて強力な閃光を放つスキルだ。単体での閃光は大したことないが、10匹以上が同時に破裂すると結構な光量となる。


「中々いいな。コストはボムアントと変わらないし、種族能の増殖で勝手に増えてくし、戦闘時の応用性が広がる」


 量産決定だ。


「お次はこいつらだな」


種族名:ドッペルスライム

種族能:液化

レベル:1

スキル

『擬態』


種族名:ヒールスライム

種族能:液化

レベル:1

スキル

『回復』


 両方ともスライムの亜種であり、スキルの『擬態』は別の生物や植物などに姿を変えるスキルらしい。ただし、姿を真似るだけで擬態した相手の種族能やスキルを使えるわけでは無く、強さも変わらないようだ。

 『回復』のスキルは文字通り自身か他者を回復させるスキルらしい。ちょっとした切り傷程度なら一瞬で治せるが、重症なら回復速度を上げる程度の効果しかないようだ。


「回復はオールフルフラワーの蜜があるからヒールスライムの優先度は低いな。でも、ドッペルスライムは偵察に便利そうだ。生成コストもスライムよりちょっと多いくらいだし、人にも擬態できるから潜入調査にも使えるな」


 戦闘力は低めなのであまり増やすつもりはないが、両方とも常に一定数は作っておこう。神人ボディで『擬態』や『回復』が使えるのは便利だしな。


「最後は、これか」


種族名:シャドウハンド

種族能:影化

レベル:1

スキル

『形状変化』『影収納』


 スキルの『形状変化』は体の一部の形状や硬度を変化させて武器や盾にできるスキル。『影収納』は影の中に異空間を作り出し、その中に物や生物を収納できるスキルのようだ。

 さらに、種族能の『影化』は体を影と同化して他の影に潜む事もできる能力らしい。

 もうね、神人の『迷宮の影』と『影の支配』との相性も抜群だし、ダンジョン内なんて物陰いっぱいあるから潜ませ放題だし、魔物達の影に潜ませておけば戦力増強にもなる。素晴らしい魔物だ。


「生成できれば……ね」


 本体のレベルは上がったのだが、まだダイグンソウは作れていない。だが、シャドウハンドはダイグンソウよりも作れる気がしない。まだまだ俺自身のレベルを上げる必要があるな。


「さてと、手に入った生体情報はこれだけだけど、次は進化した魔物のステータスも確認してみるか」


 そう、今回のゼネラル襲撃では生き残った約100体の魔物のうち、一部のゴブリンとホーンウルフとクロウクローが別の個体に進化していたのだ。

 進化後のステータスはこんな感じである。



種族名:ゴブリン→ゴブリンウォリアー

種族能:繁殖

レベル:1

スキル

『悪食』『武術』


種族名:ゴブリン→ゴブリンキャスター

種族能:繁殖

レベル:1

スキル

『悪食』『魔術』『魔力操作』


種族名:ホーンウルフ→ホワイトウルフ

種族能:探知

レベル:1

スキル

『嗅覚向上』『疾走』


種族名:ホーンウルフ→ブラックウルフ

種族能:探知

レベル:1

スキル

『嗅覚向上』『硬化皮膚』


種族名:クロウクロー→ナイトクロウ

種族能:集団行動

レベル:1

スキル

『夜目』『隠密』



 どうやら、魔物は進化すると戦闘力も上がりスキルも増えるらしい。ゴブリンとホーンウルフは進化先が2つに分かれるらしく、それぞれの個体が数匹ずつ生まれていた。


 まず、ゴブリンウォリアーのもつ『武術』のスキルは剣術や弓術など、武術の習得速度が上がるスキルのようだ。

 ゴブリンキャスターのもつ『魔術』も似た系統のスキルらしく、魔術の習得速度が上がるらしい。

 『魔力操作』のスキルは俺自身も持っているので割愛。魔力の操作が上手くなるスキルです。

 

 続いて、ホーンウルフが進化して真っ白になりスマートな見た目になったホワイトウルフと、より真っ黒になって体が一回り大きくなったブラックウルフ。

 ホワイトウルフの『疾走』のスキルはその名の通り早く走れるようになるスキルであり、ブラックウルフの『硬化皮膚』は体毛や皮膚を硬化させて防御力を上げるスキルだ。

 ホーンウルフより少しだけ生成コストはかかるが、単純に強いのでこの2体も量産決定だ。


 最後がナイトクロウの『隠密』スキル。

 これは気配を薄くし、相手に察知されにくくするスキルだ。姿を消すことは出来ないが、潜入にも使えるし乱戦時の不意打ちにも使える。

 ナイトクロウも量産決定だな。

 今思えば、魔王ミスティがいつのまにか隣にいたのも似た系統のスキルを使用していたからかも知れない。


「とりあえず、結果的に神人ボディも相当強くなったな」


種族名:神人

種族能:吸収と理解

レベル:15

スキル

『影操作』

『迷宮の影』

迷宮の影による使用可能スキル

『悪食』『嗅覚向上』『毒液生成』『酸液生成』『硬化粘液』『威嚇咆哮』『自爆』『糸吐き』『夜目』『武術』『魔術』『魔力操作』『疾走』『硬化皮膚』『隠密』『破裂』『閃光』『擬態』『回復』


 ちょっと絡め手系のスキルが多い気がするが、組み合わせて上手く使えれば相当強い気がする。

 身体強化系のスキルはいくらあっても困らないので、そういうスキルを持った魔物の生体情報も欲しいな。


「さてと、新しい魔物のステータス確認は終わったけど、こいつはなんなんだろう……」


 魔物のステータスを確認したあと、部屋に呼び寄せた一体の屈強なゴブリンを見ながらそう呟く。

 


種族名:ゴブリン

種族能:繁殖

レベル:23

スキル

『悪食』



 この個体は俺が一番最初に生成したゴブリンであり、俺が接続して塚原さんに一太刀浴びせた際のゴブリンでもある。通称『ゴブリン初号機』だ。

 他のゴブリンはレベルが10になったら進化していたが、このゴブリン初号機はもうレベルが23だ。なのに全然進化する気配がない。ただただ体がムキムキになっている。


「明らかにおかしいな……もしかすると、別の進化先があるのか?」


 その可能性は充分にある。もしも特殊条件でしか進化しない個体なのだとしたら相当レアだ。

 大切に育ててみるか。


「確か、西には死の森があるんだったな。死の森方面への探索がてら、このゴブリンの武者修行でもするか」


 早速、ゴブリンウォリアーとホワイトウルフとブラックウルフとナイトクロウを2体ずつ、グンソウとホーンベアを1体ずつ作り出し、生成した防具や武器を装備させる。さらに、回復用のオールフルフラワーの蜜カプセルと攻撃用のスライム毒カプセルを詰め込んだカバンも持たせ、万が一に備えてオールフルフラワーもそれぞれのゴブリンに1本ずつ持たせておく。

 そこにゴブリン初号機も含めた総勢11体の武者修行部隊だ。


 今までの狩りから得た経験上、部隊の数が少な過ぎると生存率は下がり、多過ぎても魔物の群れに目を付けられやすくなるのでその場合も生存率が下がりやすい。

 この森で最も生存率の高い編成数は10体前後なのだ。


「よし、装備も整え終わったようだな。お前達に下す命令は3つだ。1つ目は、ゴブリン初号機の生存を最優先に行動すること。2つ目は、レベルアップを促すためにゴブリン初号機主体でなるべく戦闘を行うこと。3つ目は、部隊の数が7体以下になったらダンジョンまですぐに撤退すること。以上だ」


 全ての準備を終えた武者修行部隊にそう命令を下す。

 ついでに魔物を倒した際は魔石を回収するようにとも伝えたが、これは原則でいい。回収が難しい時は放置で構わないと命令した。


「それじゃあ行ってこい。無事に戻ってくるんだぞー!」


 西方向28キロ先へサブ入り口を出現させ、武者修行部隊を送り出した。

 武者修行部隊へは定期的に意識を接続して魔力を補給しつつ、経過を見て行くつもりだ。その際に細かい指示や命令変更を順次行いながら西側の探索も続けていこうと思う。


「あ、もう朝か」


 新たな魔物のステータス確認と武者修行部隊の編成を終えると、すでに日が昇っていた。


「住人が増えたから、今日は村の整備でもするかな」


 そんなことを呟きながら、今日もまた新たな1日が始まった。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] ゴブリンの武者修行…放置系の僕マカを連想してしまう。 大事に育ててたのにちょっとしたミスで逝ってしまうんですよ。行き先の指定ミスで全滅!他にもレアで強力な奴が居たのに最初のゴブが逝ってしまっ…
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