表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/39

2話「俺のダンジョンライフ」



 目がさめると、ガラス玉の上に咲く一輪の花になっていた。

 わけのわからない状況であたふたしていると、頭の中に声が聞こえてきた。


『"状態確認"と頭の中で念じてみてください』


 びっくりした。この声はおそらくライフィア様だ。

 ほかにできそうな事もないので、ライフィア様の声に従って『状態確認』と念じてみる。


 すると、ゲームのステータスのようなものが視界に浮かび上がった。




種族名:ダンジョン

種族能:吸収と理解

レベル:1

スキル

『迷宮操作』

『生物生成』

『道具生成』

『言葉ノ王』




 ダンジョン……?なんだこれ?

 

『あなたは最強の生物、ダンジョンへと転生したのです』

「!!?」


 突然の謎ステータスにあたふたしていると、再びライフィア様の声が頭の中に響き渡った。

 っていうか、ダンジョンに、転生ですか?


『そうです。迷宮を創り出して侵入者を迷わせ、魔物を創り出して他の生物を狩る。それがダンジョンです』


 なるほど。

 というか、声を発しなくても頭の中で会話ができるんですね。


『はい、今はあなたの思念を読み取って会話を行なっています』


 さすが神様だ。って!感心している場合じゃない。

 ダンジョン以前に、そもそもここはどこなんですか!?


『ここはあなたのいた世界とは異なる"アーク"という世界です』


 アーク?


『はい。人間以外にもエルフやドワーフといった知性ある種族がたくさん暮らしていて、魔法やスキルといった特殊な力も存在する世界です。あなたの元いた世界で言うところのファンタジー世界ですね』


 わぉ。うすうす感じてはいたけど、まさか本当に異世界だったとは……それにしても、ダンジョンって。


『ダンジョンは私の知る限りで最強の生物ですよ。とは言っても、レベル1では最強に程遠いです。なので、少しだけ手助けをさせていただきました』


 手助けですか?


『はい。自覚はないかもしれませんが、ダンジョンとしてのスキルや身体の使い方は本能的に理解している状態にしてあります』


 たしかに、前世とは感覚が全く違う身体なのに視界を自由に動かす事ができたな。


『さらに、この世界のあらゆる言語を理解できるスキルも習熟状態にしておきました。会話が可能になれば、この世界の知性ある種族とコミュニケーションを取ることも可能ですよ』


 この『言葉ノ王』っていうやつですね。ありがとうございます。


『最後に、"オールフルフラワー"という珍しい花の生体情報をあなたの中に入れておきました。それと、通常は自身のレベルに応じた生物しか生成できませんが、レベルに関係なく一体だけどんな強力な生物でも生成できる権利も与えておきます。どうしても生み出したい生物が見つかった場合は強く念じることで生成できますよ』


 おお!よくわからないけど、色々とありがとうございます。

 いきなりで少しパニックでしたけど、とりあえずダンジョンとして頑張って生きていきます。


『いえいえ構いませんよ。さて、そろそろ時間ですね……ダンジョンとしての生涯はさまざまな出来事が起こるでしょうが、たくさんの幸福が訪れることを願っています。それでは、またいずれお会いしましょう』


 そう言い残し、ライフィア様の声は聞こえなくなった。

 そして、俺のダンジョンライフが始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ