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16話「絶賛建築中」



 昨日倒した小さい蜘蛛と大きい蜘蛛の魔物のステータスはこんな感じだ。


種族名:スモールグンソウ

種族能:器用

レベル:1

スキル

『糸吐き』


種族名:グンソウ

種族能:器用

レベル:1

スキル

『糸吐き』


 スモールグンソウが中型犬程度の大きさで、作るのにゴブリン程度の魔力が必要らしい。グンソウは熊くらいの大きさで、ホーンベアと同程度の魔力が作るときに必要だ。

 スモールグンソウはすぐに増やせるが、グンソウは少しコストがかさむな。

 だが、この魔物から作られる糸はとても丈夫で柔軟性や粘着性、硬度も自在に変えられるため、様々な道具の作成に役立つ。とても便利な魔物だ。


「オーライ、オーライ、ホーンベアはそこでストップ!そのまま押さえててくれ。スライムが硬化粘液を出した後、スモールグンソウは資材同士結びあわせるんだ」


 現在、俺は家を絶賛建築中だ。家の建築が得意なディエゴというドワーフと人間のハーフがいたので、アドバイスをもらいながら魔物達をフル動員して建設にあたっている。

 ディエゴは少し身長の低いムキムキのおっさんという見た目だ。ドワーフほどの筋力はないが、身長は一般的なドワーフよりも高いらしい。


「凄い光景じゃ……」

「ディエゴ、次は何をすればいいんだ?」

「え、あぁ、次は、屋根板用の木を確保する必要がある」

「わかった。ホーンベア、そこの木々を薙ぎ倒せ、ゴブリンは加工を手伝え」


 俺の指示に従ってホーンベアが次々と木々を薙ぎ倒していき、ゴブリンは住民達と共に木の加工を行っている。


「お主、一体どれだけの魔物を従えているんだ?テイマーは見た事があるが、お主ほど魔物を従えているものなど聞いた事もないぞ」

「魔物の数は……今作業している数の倍くらいかな。でも全員ちゃんという事聞くし、ディエゴ達を襲うことは絶対にないから安心してくれ」

「いや、お主の事は信用しておるからその心配はしていない。だが、あの洞窟の中にそれほどの魔物がいるとは……信じられない光景じゃな」

「襲ってくる事は絶対にないけど、洞窟の中は危険だから入ったりはしないようにな」

「わかっておる。襲ってこないとは分かっていても、入ろうとは思わんわい」


 なぜ家の建築を行なっているかというと、レオナ達はダンジョンのメイン入り口のすぐ近くに住む事になったためだ。なので、ディエゴ以外の全員にも洞窟へ入らないようしっかりと警告はしている。

 魔物は絶対に襲いはしないが、防衛用の罠が張り巡らされているのでとても危険だ。


「カイさーん!できたのです!」

「うおっ!すごい器用だな。俺の弓と全然違う」


 ディエゴと雑談を繰り広げていると、兎耳少女のミーナが立派な弓矢を持ってこちらにやってきた。

 ミーナは兎人族とドワーフのハーフらしく、物作りが大好きなのだそうだ。そのため、俺がゴブリン用の弓と矢を作っているのを見て代わりに作ってくれる事になったのだが、出来が素晴らしすぎる。


「試しに使ってみてもいいか?」

「はいなのです!是非とも使って欲しいのです」


 軽く矢を射ると美しい軌道を描きながら50mほど先の木に当たった。凄まじい精度だ。前まで使っていた弓矢は10mでも外すことがあったが、これなら100m先の的でも当てられる気がする。

 これがあれば、諦めていたとある計画を実行できるかもしれない。


「凄い弓矢だ。本当にありがとうな」

「いえ、全然なのです。私にはこれくらいのことしか出来ないのです……」


 ミーナは敏捷性の高い兎人族の血を引いているのだが、結構鈍くさいらしい。偵察の際によく仲間の足を引っ張ってしまうため、失敗続きの自分に自信を持てないようなのだ。


「鈍くさいので、物作りをよく任されていたのです。この鈍くささを早く治したいのです……」


 鈍くささを治す、か。性格的な面もあるとは思うが、ドワーフ由来の身長の低さと豊かな胸にも原因がありそうだが、ミーナ自身もそれを気にしているらしい。

 ミーナは青色の長髪で顔はとても可愛く、低身長で胸以外は引き締まった体型をしている。元の世界なら人気アイドルにもなれそうな見た目をしているのだが、本人はあまり気に入っていないようだ。


「それなら、偵察じゃなくて物作りだけしていればいいんじゃないか?」

「偵察は体力のいる仕事なのです。レオナや私のように動ける年齢の人たちが率先してやらなければいけない仕事なのです」


 たしかに、見た感じだとまだ働けないような子供や無理には動けないご老人も多い。若い男性陣も居るが、彼らは戦闘や力仕事が主な役目なのだろう。


「そうか、でもこれからは大丈夫だと思うぞ。ホーンウルフの索敵能力は凄いし、鳥部隊も上空から索敵してくれるから、何かあればすぐにわかる」

「でも、それだとカイさんばかりに負担が増えると思うのです」

「今までやってきてた事だから全然問題ないよ。それよりも、俺は道具とか武器作りが下手だから、それをミーナにやってもらえると嬉しい」

「わ、わかったのです!」


 ミーナは嬉しそうに自分のテントへ戻っていった。

 この集団をまとめているのは村長ではなく、族長と呼ばれている『レオン』という名前の獣人らしい。

 ミーナのように、自分にあった仕事ができていない人は多そうだ。あとで族長のレオンと話をしてみるかな。

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