避難所について
第8回『避難所について』です、避難所と言っても被災の状況や程度によりますし、場所によって環境も雰囲気もかなり違います、私も自分が避難した避難所以外は伝聞になりますがお話しさせて頂きたいと思います。
さて、避難所と言いますが場所によって状況は大きく変わります、この辺りはその災害の規模や範囲で変わる物ですから確定とは言えませんが話半分で聞いて下さい。
まず被災区域内と被災区域外の避難所の差です、水害での被災区域内外の一番の差は被災区域外では全く日常に支障が無いことで、今回の台風のような被害では道が寸断されたりと物流が止まる事もありますが、去年の豪雨災害のような災害では川を挟んで隣の地区に行けば物流もインフラも全く影響がありませんでした、もちろん被害規模によっては浄水場が被害を受けたり停電したりはあるでしょうが震災等と違い水害は被災区域外に影響が少ない災害です。
その為被災区域内外での避難所の環境の差が生まれます、被災区域内ではインフラが全滅し水も給水車に頼らなければならぬ状況の中、区域外では電気も水道も問題なく使えます、さらに言えば食料供給にも影響があります、流されたゴミや土砂などにより被災区域内は道路があちこち寸断されていて、食料等を運搬するトラックも片付くまでまともに避難所までたどり着けないケースがあり、弁当が人数分足りない、毛布やタオルが足りないといった事態が頻繁に起こっていたようです、対して区域外の避難所には物資が溢れて余り気味になっていた場所もあったようでした。
この様な理由から避難所によっては殺伐とした雰囲気の場所もあったようでかなり大変だったようです、また、区域外の避難所では地元婦人会等による炊き出しがあったのも有難かったです、どうしても避難生活では温かい食事というものにありつける機会は減ります、そんな中温かい炊き出しが精神面でも肉体面でも我々の活力を大いに回復してくれました。
さて、温かい食事という部分で一つ注意点です、避難生活中体調を崩す方が頻繁に現れたのですが温かい飲み物を飲むことで体調が回復された方が多くいらっしゃいました、恐らく内臓の冷えからくるものだったらしくストレスも相まって体調を崩すに至った模様でした、避難生活の中では中々難しいかもしれませんが夏場であっても内臓を冷やさないよう温かい物を摂る必要がありそうです。
避難所においては全国の皆さんから頂いた支援物資が非常に有難かったです、その中でも特に役に立った物を書き上げていきたいと思います。
マットレス:避難所には布団やベッドはありません、固い床の上で寝ているとどうしても疲れはとれないもの、これのあるなしで避難生活の快適さは大きく変わります。
タオルケット:シーツにも掛け布団にも防寒具にもなんにでも転用でき非常に役立ちます、寒い季節はブランケット代わりに膝にかけてもいいですし非常に有難い品です。
毛布:赤十字の災害用毛布とかもあるじゃん? とかって思いますよね? 確かにありますがあれは毛布と言うよりは巨大なフェルトです、微妙なサイズにこすれる度舞い散る繊維、飽くまでも非常用の物で間に合わせで暖をとる為の物です、長く使用するには流石にきついですね。
下着:新品のパンツや肌着は非常にありがたかったです、洗濯もままならぬ状態ですからこういった物が多くあるのは助かります。
長靴、作業着、軍手:こちらは復興作業の必需品です、すぐに汚れたり釘に引っ掛けたりで駄目になるので、作業する側としてはあればあるほど嬉しかったです。
オムツ、お尻ふき、缶ミルク:これらは有り余る程あっても問題ない品です、ミルクは賞味期限がありますがオムツやお尻ふきはその後の生活でも使用できます。
タオル:ハンドタオルからバスタオルまで、必要な場面は枚挙に暇がありません、企業さん(某社員思いのアパレルメーカー)が大量のバスタオルを寄付下さったのは非常に助かりました。
生理用品:女性には必需品です、大きい避難所では不足して困った場面もあったようです、こちらもあればあるだけ困りません。
避難所での生活は家を失ったり生活できない状態になっている場合最短でも一ヶ月、長ければ数ヶ月に及びます、皆様の温かいご支援あってこそ私も生活を立て直す事ができました、この場を借りて深く感謝させて頂きたく存じます。
避難所によりますが行政の動きの早い地区では色々な設備が避難所に導入されていました、避難所にテレビや洗濯機、貴重品用の鍵付きロッカーなんかが導入されたりした所もありました、洗濯機は私が避難所を出る辺りで導入されたので私は使うことがありませんでしたがなかなかに使用の順番待ちが厳しかった模様です、私は避難所を出るまでコインランドリーに隔日で通っていましたがこれも車がない人には難しい所でやはり移動手段は大切だと思わされましたね。
そういえば災害時の貴重な情報源、携帯電話ですが被災翌日には各携帯会社により避難所に充電器が設置されており、1週間も経つ頃には無料Wi-Fiまで設置され、充電待ちになったりはしていましたがさほどの不便は感じませんでした。
避難所こぼれ話という事で一つ、今回の記事では区域外の避難所の方がいい! と言わんばかりの書き方になってしまいましたが、各種手続きの避難所内での対応開始等は区域内の避難所の方が対応が早いです、あと、天皇陛下や総理大臣、芸能人の皆さんが視察や慰問に訪れるのは区域内の避難所もしくは区域外の最も大きな避難所になります、去年は嵐の二宮さんが訪れた際は結構な騒ぎになったとか……望んだ相手が現れるかは分かりませんが区域内避難でワンチャンに賭けるのもアリかもしれないですね?
さて、第8回はこの辺りで終わります、次回は避難所を出て見なし仮設へと引っ越しです、よろしければまた読んでやって下さい。
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