見なし仮設
避難生活にも慣れてきた頃、そろそろ仮設住宅の応募とか来るかな? なんて話をしていましたが、当然の如く抽選になりますのでそれを待っていたらいつまでも避難所から出られません、幸い夏休み期間中のため学校や幼稚園の心配はしないでいいですが、早く出て生活基盤を整えなければ新学期のスタートに差し支えます。
最初は会社の社宅の利用を予定していましたが、この社宅がまたボロくてボロくて……害虫の巣窟な上に立地が山の上というかなりのハードモード、昔は社員の逃亡防止のプリズン的な役割だったのでは? と思われる環境です、一応会社に打診はしましたが掃除もなされていないため入居には時間がかかるとのこと、どうしたものかと考える中、避難所に見なし仮設のお知らせが貼り出されました。
民間のアパートを借り入れ、登録された物件から自由に選べる、尚且つ家賃が2年間タダ! 無料! ロハ! こう聞いたら飛びつく他ありませんよね? 早速指定のサイトで物件の確認です、出来ることなら駅やスーパーが近い物件……尚且つ職場と被災した家へのアクセスが容易な……そんな都合のいい物件はなかなか無いはず……なんて思ってましたが意外とあるもんですね、条件の合う物件の管理会社に連絡し早速内見へ。
う~む……やはりこういった際は築浅の優良物件は流石に出てこないもので……そういった物件があっても単身者用の1Kサイズ、家族で住むには狭すぎます、そうこう言いつつ数軒の物件を見せて頂き、どれも立地は良くても物件が微妙……はい、分かってます、タダで住まわせてもらうのに贅沢言うなというご意見はご尤もです、ですが最低1年は過ごさなきゃいけない仮住まい、キッチンの棚板が腐ってたり排水口から下水の匂いが上がってきたりする物件はきついです……ですが、ええ、結局入ったのはそういう物件でした、中の広さや収納の数に誤魔化された感は否めませんが、排水口の匂いは水を流した後でないと分からなかったですし、ご厚意で洗濯機と冷蔵庫を設置して下さるとなると即決する他ありませんでした。
尚、この物件はエレベーター無しの3階だったんですが、生活物資や避難所からの荷物の搬入、そして退去の引っ越しの際に地獄を見ることになりました……入居時は仕方ないとは言え退去の際には業者に頼むべきだったと後から後悔しましたね(´;ω;`)




