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〜最強パーティーのリーダーになろう〜


「ルビーさん、俺のパーティーに参加してくれませんか?」

参加確定なこの場において、しかも母さんの前であえて聞いた。

夢では散々な結果に終わったのだが、この場面では断る事はなかろう!

それに、勇者に就職したことをかあさんにアピールしたかったんだ。俺も就職できたんだぞ!いつまでもニートじゃないぞ!

「だから、無理だって。あたしより適任がいるんだって。何度も言わずなよ」

「え、」

断るだとおおおおお!?何でだ!?そんな展開ありか!?いやない!ありえない!だってじゃあなんでルビーさんはここにいるんだ!?勇者のパーティーに参加するためじゃなかったのか!?てか、恥ずかしい!俺、あんな自信満々に参加してくれませんかとか言って恥ずかしい!母さんの前で恥かいた!うわぁあ!もう部屋に帰ってもう一度寝たいぐらい恥ずかしい!

「勇者?何言ってるのユキムラ。あなた、コミュニティセンターの職員になるんでしょ?ほら、ルビーさんもそのために来たんじゃない」

「……え?」

母さん、何を言ってるの?え、俺、いつのまにかコミュニティセンターの職員になってる?なんで?なんで!

母さんは嬉しそうに俺に報告してくるけど、俺はちぃっとも嬉しくないよ!ねぇ母さん!気づいて!俺の心の声気づいて!

「お母さん、びっくりしちゃったわ!まさかユキムラがちゃんとした職業についてくれるなんて嬉しいわ!」

「あたしたちも新しい仲間が増えて嬉しいよ」

母さんもルビーさんもなんでそんなにウキウキ、ルンルンで話してるんだよ!?

俺はそんなダサい職業に就きたくない!もっとモテる職業に就くんだ!

「俺は勇者に……ひっ!」

ルビーさんからの視線に殺意が乗っていた。俺はその視線に耐えきれず小さく悲鳴をあげる。言おうとしていた言葉もどこかにすっ飛び、ただルビーさんへの恐怖が俺を蹂躙していた。

「コミュニティセンターの職員になるよ、ねぇユキムラ君?」

「は、はぃ」

俺は無言の暴力を前に屈してしまった。

む、無理だよ。あんな怖い目されたら誰だって怯むよぉ。

「ユキムラ。ほんと自慢の息子だわ!母さん信じてたから!ユキムラはちゃんとやれば出来る子だって!」

母さんが興奮しながらニコニコと笑う。本当に嬉しそうなんだけど、ごめん、俺、勇者になりたかったんだ。

「ほら、ユキムラもこっちに来なさい!」

扉の前で棒立ちの俺は、ご機嫌な母さんに促されてルビーさんの横に座った。そしてポットから紅茶を出し、ティーカップを俺の前に置いた。なんだこの地獄。

「それでお母さん、最初の頃は慣れないだろうから、迎えを出す。だからこれからは必ず迎えの者と一緒にコミュニティセンターに来させてくれ」

「わかりました!ユキムラもいいわね?」

「いや、俺は……はい、すみません、何でもないです」

再チャレンジして勇者になりたかったことを言おうとした。でも、ルビーさんの視線の圧力には勝てない。俺、どんまい。

ガクッと肩を落とす俺。母さんが不思議そうに見てるのがわかる。

「ユキムラ、さっきからどうしたの?」

「…………いや、もうなんでもないんだ」

諦めてしまった。ルビーさんの視線の圧力に屈してしまった。ルビーさんがいなくなってから説明しよう。

「それにしてもお前タフだな!」

「なんの話?」

ルビーさんが突然話を振ってきた。

タフとか言われてもなのことだかわからない。

「お前、昨日で4回は死んでるぞ!」

「はは、そんな馬鹿な」

「そうよ、ユキムラはちゃんとここにいるじゃない」

ルビーさんがとんでもない爆弾を落としてきた。4回?あのコミュニティセンターで死んだのは3回だろ?あのモンスターに襲われたのは夢だし。それに今、生きてるし。

「いや、本当だぞ。お前覚えてないのか?じいさんとばあさんが助けに行かなかったら、お前本当に死んでたんだぞ?」

「いや、あれは夢………」

「本当に夢だったと思うのか?」

本当にと言われると自信がない。

あの夢リアルすぎだったしなぁ。本当なのか?

「夢じゃなきゃなんで俺、生きてるんだ!?」

「ばあさんの魔法だよ。やっと少しは信じたか」

「そんなこと、あるか!?」

いくら万能な魔法だからって蘇らせる魔法なんて聞いたことない。魔法使いじゃないから魔法なんてほんの少ししか聞いたことないけど。でも、蘇りの魔法があるなら、人は死なないはずだろ。なのに毎日のようにモンスターに襲われて何人かは死んでいるってテレビでやっている。

「あるんだよ」

「まあ。ルビーさんったら冗談がお上手!」

「母さん……たぶんマジなんだと思うよ」

あそこに行ってない母さんには到底信じられないだろう。

でもルビーさんはマジの顔をしていた。きっと本当なんだ。

俺、4回も死んでるのか。ショックだ。

「じゃ、行くぞユキムラ!仕事だ!」

ルビーさんが紅茶をグッと飲み干して、俺の首根っこ掴んで勢いよく立ち上がった。それと連動するように俺も吊り上げられる。

「待って!ルビーさん、ちょっと待って!」

「ん、どうした?」

「一ヶ所だけ、行かなきゃいけないところがあるんだ!そこにだけ行かせてください!」

俺にはどうしても文句を言いに行かなきゃいけない場所があるんだ。

親猫に運ばれる子猫用な体勢のままルビーさんに熱烈にお願いした。

「あ、そう。じゃ、今日は欠勤でいいよ」

ストンと俺は落とされてルビーさんはスタスタと玄関に向かっていく。

「あら?ルビーさんは帰っちゃうの?ゆっくりしていっていいのに」

母さんが慌てて立ち上がるとルビーさんの後を追う。

俺は紅茶を一口飲んで部屋に戻った。

洋服を着替える。昨日は外着のまま寝てたらしい。二日連続で同じ服なんて嫌なので新しい服に着替えた。

部屋から出るとションボリした母さんが紅茶を優雅に飲みながら待っていた。

「あーぁ、ルビーさん仕事だからって行っちゃった」

「あ、そう」

「ほら、ユキムラって一人っ子でしょ?女の子いないからすっごくルビーさんと話してた時は嬉しかったんだから」

うん。それは見ててわかった。で、母さんは何が目的なのだ?

玄関まで付いてくる母さんを鬱陶しく思いながら靴を履く。

母さんは、ティーカップ片手にもう片手で頬に手を添えた。

「だからユキムラには、二人の関係を…」

「いってきまーす」

母さんボケちゃったのかな?なんかラブストーリー始まっちゃうみたいな感じだったけど。ルビーさんとなんてありえない。確かに美系だが気が強いし、何よりゴリラだからラブストーリーになんて発展できないだろう。

玄関を出ていつも通りの街を歩く。目的地は近い。

さぁ、頑張っていこう。




「こんにちわ」

「えー、と、え!?あそこから生きて帰れたの!?」

なんか不謹慎な言葉が聞こえた気がする。

ここはニートの味方職安だ。

何故ここに来たかって、文句を言いに来たんだ。

昨日と同じ担当のおじさんが、面接の人みたいに髪を七三分けにセットし、スーツをピッシりと着込んで、昨日と同じ席に座っていた。

手にはペンを持ち、相談者の言葉を一言も聴き漏らさんと構えている。しかし、おじさんは俺のことを驚きの顔で見ていた。

「おじさん、なんで勇者になろうとしてるのにコミュニティセンターなんかに案内してしたんですか?」

「いや、あそこが一番最強のパーティーが作れる場所だから」

「いや、そんなわけないでしょ!?」

「本当だから」

俺は訝しげにおじさんを見る。

俺の努力を知らないからおじさんはこんなこと言うんだ。コミュニティセンターの職員みたいにばあさんたちの相手して、しかもすぐ死ぬ思いしたんだぞ!流石にこんな思いするとは思わなかったぞ!俺は勇者になりに来たんだ!コミュニティセンターの職員になるためにでも死にに来たんでもないんだぞ!ちくしょう!

「ありえないでしょ!確かに聖女様とか元勇者とかいたけど、全部断られたし!」

「困ったなぁ」

「おじさんが困ってる姿見見ても面白くも可愛くもなんともねぇよ!ただ気持ち悪いだけだから!」

俺はここでもツッコミをいれてしまうとは。俺は本当に天性のツッコミ師らしいな。

「それにしても君、すごいね。よく生きて帰ってこれたね」

「は、はぁ」

4回死んでるとはとてもじゃないが言えない。

「何レベだったっけ?」

「2レベです」

「2レベなのによく生きて帰ってきたよ」

だから、4回も死んでるんだって。俺知らなかったけどね。意識ないけど、ルビーさんいわく4回は死んでるらしいんだけどね。てか、さっきからおじさん不謹慎じゃない?死んで当然みたいな言いぶり。

おじさんは嬉しそうな表情をして俺を見ながらペンをクルッと回した。

俺、何にもしてないんだけどな。

「でもすごい最強のパーティーはできなかったですよ!」

そうだ。できるって職安のおじさんが言ったから、コミュニティセンターに行ったのに、聖女様には拒否され、ルビーさんには適任がいると言われ、シルバーさんにも無理と言われた。全然最強パーティーなんてできないじゃないか!

「え?できるよ。あの人たちなら必ずなってくれると思うけど」

「いやいや、散々拒否られていますから」

「え?拒否なんてありえないと思うけど」

「いや本当に拒否られたんですよ」

くどいなこのおじさん。なんど拒否られたって言えば気がすむんだよ。

「それはきっとまだ君が馴染めてないからだよ」

「え、馴染めるとパーティー組むことできるようになるんですか?」

「なるとも!君ならきっと最強パーティー作れるよ!」

職安のおじさんがそう言うならそうなんだろう。まだ馴染めてないから、ルビーさんも聖女様もシルバーさんも俺のパーティーに参加してくれるかもしれない。

「でも、馴染むってどれぐらい時間かかるんですかね」

「まぁ、まずは1ヶ月ぐらいは通ってみたら?慣れても来るだろうし、馴染めると思うよ」

「1ヶ月かぁ。長いですねぇ」

ちょっと長すぎるんじゃないか?もうそれコミュニティセンターの職員なみじゃないか。

「じゃあ、1週間ぐらいでいいんじゃないかな?」

「あ、1週間でいいんだ」

1週間ぐらいならまぁ馴染むぐらいはできるか。1ヶ月は長すぎるけど、1週間ならちょうどいい。

「まぁ、君なら上手く馴染めると思うよ」

「本当ですか!俺やれそうな気がしてきました!」

「うん、君ならできる!あそこから生きて帰ってきたんだし、絶対大丈夫だよ!」

おじさん、また不謹慎なこと言ってる。あんなコミュニティセンターぐらい誰だって生きて帰ってこれるだろうに。と、思った瞬間、あの猛吹雪を思い出した。か、帰るのは、た、確かに命がけかもしれない。

「わ、わかりました。馴染むように頑張ってみます!」

「そ!そ!君ならできるよ!」

俺はおじさんに背中を押されるように、職安から出た。

「なんだ、俺、まだ馴染めてないのか」

あんなにツッコミまくったから、もう何日も経ってるように感じてたけど、そういえばまだ一日しか経ってないんだな。

昨日はコミュニティセンターの職員の真似事させられたり、モンスターに吹っ飛ばされたり、いろいろあったな。

体もばあさんの魔法で傷とかはないけど、筋肉痛でバッキバキだし、一旦家に帰って寝るか。


朝、俺の家に騒がしい奴がやってきた。ルビーさんだ。朝ごはんまで一緒に食べやがって。母さんもお気に入りになっちゃって、仕方ないから俺はルビーさんとコミュニティセンターに行く。

家の扉を開けるとそこはコミュニティセンターだった。え?なんで?

「ルビーさん、あの、なんで?」

率直に聞いてみた。

「ああ、魔法だよ魔法。転移魔法って知ってるか?」

「いや、知ってますけど!そんな大魔法使わなくったってコミュニティセンターには行けるでしょうに!」

転移魔法と言えば大魔法使いが緊急時に使う魔法だ。決して普段使いできる魔法ではない。

「ここには転移魔法でしかこれないんだよ」

「そんなことあるか!?」

実際、初日、俺は職安に渡された紙を頼りに普通に街から入ってきたぞ!

「あれは、職安が手配してくれてるんだよ」

「なんだそれ!?」

驚きのカーニバルが起きてるぞ。わけわからんことだらけでパニックになるわ!

「あら?」

ここで登場聖女様!

そばを通りかかった聖女様が俺を見つけて不思議そうに声をかけてきた。

朝から聖女様見れて幸せだ。さっきのパニックも吹っ飛ぶ。

「昨日は欠勤だって聞いたのだけど、どうしました?」

「いや俺、ここの職員じゃないんで」

俺はまだここの職員扱いをされていた。家にまできたし、まったく。

「あ!そういえば、トモゾウおじいさんが探してましたよ?」

トモゾウ?誰だそれは。俺の知り合いにはトモゾウなんて古臭い名前の奴はいない。

試しに聖女様が指差す方向を見てみると、そこには昨日乱闘していたハゲのじいさんが縁側でゆっくり、お茶飲みながら日向ぼっこしていた。

あのハゲジジイ、トモゾウと言うのか。今までじいさんとしか言ってなかったから、名前なんて気にしてなかった。そう言えば俺も名乗ってなかった。ずっと、小僧としか呼ばれなかったからなぁ。

「あ、ありがとうございます。ちょっと行ってきますね」

「はい!」

眩しい笑顔で聖女様は俺を送り出してくれた。

あのじいさんが俺を探していたのは一昨日の約束のことか。俺はすっかり忘れていたのに、じいさん、覚えててくれたんだな。

俺はじいさんのいる縁側に向かった。

「よぉ、じいさん」

「おぅ、小僧探してたぞ」

「嘘つけ、縁側でお茶飲みながら日向ぼっこしてただろ」

さっきまでは探しててくれたのかもしれないが、今はとりあえず、縁側でお茶飲みながら暇してただろ。嘘はいかんぞ、嘘は。

「で、昨日言ってたパーティーはどうなったんだよ」

「上手く作れたぞい。付いて来い」

じいさんがヒョイっと立ち上がりちょいちょいと俺に手招きした。

あんまり期待してなかったけど、付いて来いってことはもう作れたのか!仕事が早いなじいさん!あれ?でも聖女様はさっきあっちで仕事してたよな……

俺は期待と不安を胸にじいさんの後について行く。

「ほれ、回復担当のチヨばあじゃ」

じいさんがソファーでメガネをして編み物をしているばあさんの前で止まった。昨日散々膝に乗せてもらったばあさんだ。ばあさんは、白髪を左右で小さな三つ編みにしていて、ブランケットを膝にかけていた。

「よろしくねぇ、飴ちゃんあげるわ」

ばあさんは俺の方を向くとポケットから何かを取り出し、俺に渡した。

「ばあさん…………これ、石だよ。大丈夫なの、このばあさんが回復担当で!?」

「そんなことないわ。私も食べてるもの」

ばあさんの口の隙間から見えたのはその辺に落ちてる石だった。やっぱり石じゃねぇか!

てか、回復担当がばあさんって…………確かに何度か生き返らせてもらってるけど!それでも無理だろ!冒険とかボケちゃってるし石食ってるしできないだろ!

「じいさん、無理だろ。ばあさんボケちゃってるもん」

「ばあさんより回復が得意な人はいないぞ!ばあさんはなぁ、こう見えて最強の回復魔法使いなんじゃぞ!」

「いや、ボケちゃってるから。これじゃ冒険とかできないから」

「いやいや!大丈夫じゃ!な、千代ばあさん!」

「大丈夫よ〜飴ちゃん食べないの〜?」

「食べれるか!これは石なんだよ!」

石を食わされるとかどんな地獄だよ!じいさんこの分じゃ、ろくでもないパーティー作りやがったな。

「ま、ばあさんの実力はおいおい知るじゃろ。次じゃ」

またじいさんがちょんちょんと手招きしてくる。

幸先悪いが、じいさん以外頼れる人もいないから仕方ない。とりあえずついて行こう。

じいさんの、思ったよりも曲がってない背中を見ながらついて行くと、木の椅子に座って眠りこけているじいさんの前で止まった。

「魔法使い担当のアレフじゃ」

「Zzz……Zzz」

「寝てんじゃねぇか魔法使いって呪文唱えて魔法使うんでしょ!?寝てたら使えないじゃねぇか!」

またじいさんが変なの紹介してきた。今度は俯いたまま寝ている変なじいさんだ。トモゾウじいさんとは違い、白髪がふさふさ生えている。横の壁には魔法使いらしい杖が立てかけてあるが、寝ているので必要なのか不明だ。

「魔法なんてこのじいさんには無理だろ。他当たった方がいいんじゃね?」

「何言っとる!アレフじいさんは寝てはいるが最強の魔法使いなんじゃぞ!アレフじいさん、何か魔法を使ってやれ」

トモゾウじいさんがアレフじいさんを揺さぶり起こそうとするも、アレフじいさんは起きない。

「Zzz…ファイア……ZzzZzz」

なんか今すごい早口でアレフじいさんが呪文を唱えたのか!?ものすごい炎の玉がアレフじいさんの上に出来上がった。早口すぎて呪文が聞き取れなかった。なんかボソボソっと言ったのは聞こえたが、それが呪文だとは!!このじいさん、寝言で呪文唱えやがった!

「おお!見たか、小僧!アレフじいさんは最強なんじゃぞ!」

「う、うん、わかった」

で、この炎の玉どうするんだ?

「アレフじいさん、もうよいぞ!」

「Zzz…ファイアなし……Zzz」

ん?ん?またアレフじいさんが小さい声でゴニョゴニョ言った。そしたら、あの炎の玉が消えたぞ。アレフじいさん、魔法の腕はあるようだが、ずっと寝てるしこれじゃ意思疎通もままならないじゃないか。

「ともかく、これでパーティーの完成じゃ!」

トコトコと元いた縁側に戻る。ついでだから、俺の分のお茶も持ってきた。

「いや、ヤベー奴しかいなかったけど?てか魔法系のメンバーしかいないじゃん。こんなんじゃパーティーにならないよ」

「何を言っておる、みんな最強の……いや、剣士儂がいるじゃろ!」

「ん?じいさん?」

じいさんが?普通のじいさんがなんで俺のパーティーに、入るんだ?

「儂が剣士として参加してやるわい!」

「じいさんが剣士?無理だろ。ほら、杖ついてるし足悪いんだろ?」

「小僧、この前助けてやったというのに儂を舐めてるな!儂の力、見せてやる!ついて来い!」

言われた通りじいさんについて行く。そこには大きな岩があった。

「見ておれ!ふぉおっ」

あ、じいさんがよろけた。このままでは転んでしまうかと思ったが、体制を持ち直したようでなんとか立ってる。


ゴゴゴッ。


なんか鳴ってるな。

じいさんの方を見ると岩が粉々になっていた。じいさんがよろけたら岩がなくなっている?なんで?

「どうじゃ!儂の凄さ思い知ったか!」


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