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猫41匹目 岬の先へ

 僕たちは漁村の中を目的地の岬の先にある洞窟に向かって歩いていた。


 スーの街の南は大きく張り出した半島によって湾になっており、その街の側に交易用の港が作られ、半島の側に漁村が作られている。

 湾を抱え込むような半島の内側に作られた漁村には数人乗るのがやっとというような小さな漁船が何艘も並んでいる。

 申し訳程度に帆が付いている船もあるが、基本的にはオールで漕ぎ出すような船ばかりだ。

 頑張って少し沖の方まで行く漁船もいなくはないが、漁はほとんどが湾の中で行われる。

 NEOでは少し沖の方に行くと海洋性のモンスターが出るためだ。


「にゃ~~」『随分魚臭いところね。』

「そりゃ、漁村ですからね。とってきたばかりの魚もありますが、保存が利くように干物にするために干してある魚がたくさんありますよ。」


 グランド王国の中では一番の大きさといってもいいような漁村だが、スーの街の大きさと比較してもこじんまりとした程度でしかない。

 スーの街でこそ鮮魚を食べることが出来るが、ほかの街へは加工して干物にされた魚が運ばれるのがほとんどだ。

 NEOではプレイヤーだけでなくNPC冒険者や一部の行商人がインベントリを持っていて新鮮なまま魚を運ぶことが出来るが、その量は限られているため他の街での魚料理の値段は高い。

 定期的に魚を生のまま運んでくれる商人が極一部なために輸送費が高く、また魔石を動力とする冷蔵庫もよほどの高級店でもない限りは持っていない。

 プレイヤーが小遣い稼ぎに不定期に生魚を運んで販売したりもするが、買い取ってくれるのは客に対して店の方からメニューを提案できるような高級店だけだ。

 それに比べて魚の干物は保存が効くので、輸送や貯蔵も安価で行われ、比較的手に入りやすいタンパク源として広く市場に流通している。

 漁村としても単価は高いが扱う量が少ない鮮魚には元から高級魚として扱う魚を当て、それ以外は安いながらも大量に捌ける干物として加工して販売する。

 漁船自体も小さいのでそれぞれの船が一回で獲ってくる魚の量も少ないので、干物への加工はそれぞれの家で行っている。

 大小さまざまな魚が丁寧に内蔵を抜かれて開かれ種類ごとに揃えて干されており、魚を干す時の独特な匂いが村を包み込んでいる。

 一軒一軒で干している魚の数はそれほど多くはないが、すべての家で並べられていると村全体では大した数になり、ひとつの風景として情緒を醸し出していた。


「そいえば、ここでなら生の魚や干物が安く買えますけど、どうします?」

「にゃぁ~~ん…」『うーん、あまり興味ないわねぇ…』

「まぁ、興味がなくてもたまに気分転換に味見くらいならいいかもしれませんから、少しだけ買っておきましょうか。」

 実のところ、たまみさんはあまり魚には興味を示さない。

 猫ならば魚は大好きなはずと多くの人が思っているかもしれないが、魚を食べ慣れていない猫だと胡散臭いものを見るような扱いで食べようとしない場合がある。

 僕の家は父親の帰りが遅いことが多く夕食時に全員が揃わないという理由であまり食卓に刺身が出てくることはなかった。

 また母があまり魚が好きではなかったこともあって煮魚や焼き魚もほとんど出てこないため、たまみさんにおすそわけとして魚が行くこともなかった。

 では、野良時代は?といえば、たまみさんが積極的に狙っていたのはお弁当であり、それこそ魚を弁当に入れていることは珍しかっただろう。

 料理屋の生ゴミなら魚の頭などが出てきたかもしれないが、ゴミの中の魚は鮮度と小骨の危険が有るため、あまり手を出さなかったらしい。

 僕個人としては魚は嫌いではなかったが、わざわざたまみさんのために外から買ってくるようなこともしなかった。

 結果として、たまみさんはほとんど生の魚を食べたことがない。


「なぁ~~ん?」『魚なんて、臭くて腐りやすくて食べにくいだけじゃないの?』

「ちゃんと加工したものは腐らずに長持ちしますし、干物にすると独特の旨みが出てくるんですよ。」

「にゃー」『あたしは食べやすく缶詰に加工された魚だけでいいわ。』

 たまみさんは猫缶に魚が使われているときは平気で食べるのに、魚の形が残ったままのものには興味がないのはちょっともったいない気はする。

 ただ、逆に魚に興味がないからこそ盗み食いで魚屋や食卓から魚を奪いとるという問題がなかったのは良かった部分かも知れない。


「ぅにゃ~~?」『ただ、この漁村にいる猫たちはちょっとピリピリしてない?』

「おこぼれの魚をもらえるからか、すこし縄張りに敏感なのかもしれませんね。

 それとここが準安全圏なのも関係しているでしょう。」

「にゃ?」『準安全圏?』

「いままでも小さな村などではそうだったんですが、準安全圏では特定の保護されたNPC以外にならば圏内でダメージを与えることが出来るんですよ。

 小規模な襲撃イベントが発生したり、犯罪者ならプレイヤーが私刑を行うことが可能だったり、盗みや強盗も可能でそれに対する反撃も可能になります。

 ただ圏外と違って犯罪行為はかなりの厳罰が課せられますし、準安全圏内には衛兵や警備などがいたりもします。

 決闘の受諾なしで攻撃もできますが、かなりきつい犯罪ポイントがつくのでいきなり殴ったりしないでくださいね?」

 幸いなことにたまみさんにケンカを売ってくる猫はいなかったが、おこぼれ目当てのせいか漁村には猫の数が多い。

 ただしっかり教育がなされているのか干してある魚を狙おうとする猫はいないようで、漁民たちは必要以上に猫を警戒せず優しく扱っているようだ。

 僕はちょうど軒先で魚の加工をしていたおばあさんから加工前の生魚と乾燥が終わった干物を少しずつ購入した。



「さて、目的地の岬の先に行くのに二つの経路があります。

 一つは半島を横切って森の中をまっすぐ抜けていく経路。

 敵は弱いし距離は短いですが、森の中に道はないので時間はかかるでしょう。

 もう一つは半島を海沿いにぐるりと回り込む経路。

 距離的には遠回りですが歩きやすいのでこちらでもかかる時間はそれほど変わらないでしょう。

 ただ、半島の外側の海沿いではそれなりに強い敵が出てくるという話です。

 海岸まで向こうからやってくるモンスターなので水中戦は必要ありませんが、この辺りのモンスターは始まりの街の南側とは比べ物にならない強さと厄介さなので、注意が必要です。

 たまみさんはどちらの経路で行きたいですか?」

「にゃ! にゃ!!」『もちろん海沿いよ! 強いモンスターが居るなら面白そうじゃない!!』

 ま、この二択ならそっちを選ぶだろうことはわかっていた。

 ただ、ほかの選択肢もあったということをあらかじめ示しておきたかったし、もしかしたら森の方に行くと言い出す可能性もあるかな?と少しだけ期待しただけだ。

「お手柔らかにお願いしますね…」

 正直なところ、僕はスーの街周辺での海岸沿いでは戦闘をしたことがない。

 ソロで戦っていたときでもスーの街まで来ていたが、ここまで来ると敵もかなり強くなるため比較的戦いやすい敵だけを選んで限定的に活動していた。

 そして海岸沿いに出てくる敵は比較的癖のある敵が多く、場合によっては海中に引きずり込まれての戦闘も考えられるためほかの地域に比べても一回りほど難易度が高かった。



 漁村から圏外に出てしばらくはモンスターの姿はなかった。

 湾内はモンスターが入ってこられないように結界が張られていて、その影響で半島の湾側の海岸にはモンスターが寄り付かないようになっていた。

 その代わりというべきか、結界が終わったところから早速敵が待ち構えていた。


 まずは海岸の定番といえるカニの一種。

 フジツボクラブという読み方によっては幼児の習い事倶楽部のような名前のカニは、その名の通り甲羅に張り付いた無数のフジツボが特徴のモンスターだ。

 カニ系モンスターに共通の硬い甲羅がフジツボによって強化され、さらにフジツボから海水を勢いよく吹き出すことによって遠距離攻撃もできる強敵だ。

 僕からすると魔法で水流と打ち合っても勝てず、かと言って近接戦闘をしても甲羅が硬くてダメージがほとんど通らないという、まったく勝ち筋の見えない相手だ。


 ところがたまみさんにとってはちょろい相手らしい。

「にゃにゃ~~ん!」『こんなの、ごてごて付けすぎて動きが遅くなってて余裕よ。水流もフジツボの向いている方向にしか出せないから簡単にかわせるわ!』

 たまみさんはフジツボから撃ち出される水流をひょいひょいとかわしながら、いつものようにばりばりと爪でフジツボクラブの体力を削っていく。

 後ろから見ていると確かにフジツボクラブの動きは他のカニ系のモンスターと比べても鈍重であったが、動き回るフジツボクラブの甲羅にあるフジツボの向きから予測して水流を回避するのは僕の速度ではとても無理だった。

 フジツボクラブには他にも行動阻害効果のある泡を撒き散らす範囲攻撃もあったが、前方に扇状にしか出せない上に予備動作が大きいのでとてもたまみさんを捉えられるようなものではなかった。

 その範囲の端の方に引っかかった僕がちょっと泡だらけになって動きが鈍くなる程度だ。

 僕は少し泡を被りながらも、牽制のための魔法攻撃を入れながらたまみさんにカウントバリアをかけておく程度の仕事しかできない。

 ヒカリさんに教えてもらったカウントバリアだが、スーの街の見回り中に見つけた魔法屋に適当に入ってみたらすぐに見つけることができた。

 ドライの街までは見ることがなかった魔法書だがスーの街では当たり前に置いてあるものらしい。

 4匹ほどフジツボクラブと連戦しても1カウントも減ることはなかったが、まぐれで攻撃が当たっても大丈夫だという安心感はたまみさんの低いHPでは大きい。


 続けて出てきた敵はSEIUCHI。

 こいつはそのままセイウチだが、大きさが6m程もある。

 その大きな牙を持った巨体が腹をこすりながらも驚くような速度で突進してくるのはすごい迫力だ。

 またその皮下脂肪は分厚く、普通に下から攻撃するとその腹部にある脂肪を貫通してダメージを与えるのが困難でなかなか倒すのに苦労するらしい。

 そう、下から攻撃する分には。

 皮下脂肪が分厚いのは胴回り、特にそのお腹の下の部分であり、頭部にはあまりついていないので空中に飛び上がれる場合や遠距離攻撃で頭を狙えるときにはそれほど問題ではなかった。

 またその巨大な牙の攻撃力は高いが、その構造上地上にいる敵には攻撃できるが頭上に対して攻撃することはできないし遠距離攻撃も持っていない。

 僕の魔法攻撃でもそれなりにダメージを与えることができていたし、空中二段ジャンプでSEIUCHIの頭の高さまで飛び上がれるたまみさんにはどうということのない相手だった。


 そして海岸最後の敵はムラサキ海クラゲ。

 動き出す前は紫色の筋が入った透明のスライムのようだが、1mほどと結構大きい。

 そして動き出すと空中に浮遊して3mにもなる触手を伸ばしてくる。

 この触手には麻痺とダメージの両方を与えてくる毒がある。

 クラゲに刺されるというが硬いトゲがあるわけではなく刺胞という器官によって糸のような針で毒を注入してくるため、触手に触れられただけで毒に侵される。

 近接職にとっては厄介な相手で遠距離職だけで遠くから倒すのがセオリーになっているようだが、今のたまみさんには闇の爪があるので全く問題はない。

 あんな遅い触手になんか捕まらないわよと一度調子に乗ったたまみさんが直接殴りに行って、あまりの柔らかさに勢い余って埋まってしまったところを消滅しかけながらも伸ばしてきた触手に接触して毒を貰い、僕が慌てて解毒魔法をかけることになったのはご愛嬌だ。



「さて、ここがスゥエ爺に指定されたポイントにある洞窟ということになるんですが…」

 その洞窟は海の側から崖に向かって穿たれた洞窟で、潮が満ちているときは海水が入り込みそうな高さに入口が存在していた。

 ただ、あまり深い洞窟ではなさそうで、入口から覗き込むと行き止まりになっている一番奥まで確認することができた。

「にゃ~~?」『あら、何もいないんじゃない?』

「いえ、ぱっと見で何もいないとしても、必ず何かが待ち構えているはずです。

 透明に姿を消した敵がいるとか、入った瞬間に壁が崩れて敵が出てくるとか…。

 まずは慎重に様子を見ましょう…」

 こういう時に大魔法が使える魔術専門職がいるならとりあえず大きいのを一発打ち込んでみるとかの大雑把な対処法が取れるのだが、残念ながら僕の魔法にそんな威力のものはない。

「ミャ~~!」『そんなまどろっこしいことしてなくても、入ってみればわかるじゃない!』

 そんな男前判別を宣言してたまみさんが洞窟に足を踏み入れた瞬間、


 壁が一斉に動き出した。


 いや、正確には壁にびっしりと張り付いて壁のように見えていた何かが動き出したのだ。


 それは大量のフナムシだった。

 正しくはフナムシのようなモンスターで一匹が20cmほどと大きいが、その姿と動きはそっくりそのままだった。

 海辺に住んでいない人はその姿がぱっと浮かばないかもしれないが、Gのような動きをするといえばその動きの素早さとおぞましさが伝わるだろう。

 それが洞窟の壁いっぱいに張り付いていて一斉に動き出したとなれば、僕の背中を駆け上がるこの悪寒を理解してくれるだろうか?


 しかしながら、たまみさんはあまり気にせずに向かってくるフナムシたちを迎撃し始めた。


 たまみさんはフナムシにはほとんど遭遇していないだろうけど、それと同じような動きをするGには平気で対処する。

 むしろ積極的に狩ってきてはGを極端に怖がる姉に嫌がらせとして死骸を持ってきては、その泣き叫ぶ姿を楽しんでいた。

 僕もGは苦手であったが、たまみさんが狩ってきたGの死骸を処理する役目は僕に回ってきていたので、死骸については多少は慣れたと思っている。


 ただしそれは死骸の話であり、似たような動きをするモンスターが大量に襲い掛かってくるとなれば話は別だ。


「うわっ! うわっ!」

 僕は必死に今使える風魔法の最高位であるトルネードを打ち込む。

「にゃー!」『ちょっと、トール、しっかりしなさいよ!』

 たまみさんに叱責されながらも僕がぐんぐん減っていくMPを手加減なしにMPポーションをぐい飲みして回復させながら、フナムシが多めに集まっているところに向かって必死にトルネードを撃ち込み続けた。


 パニックになって無意識にやっていた行動だったが、結果としては正しかった。


 僕たち二人で戦うならば、僕が範囲魔法を最大火力で連射しながらその撃ち漏らしをたまみさんが掃除していくのが唯一の勝ち筋だった。

 たまみさんひとりなら何とかなったかもしれないが僕がMPを温存しようとしたり近接戦闘で対処しようとしていればその圧倒的な物量に飲み込まれてしまっていただろう。

 なんとかすべてのフナムシを撃退し終えた頃には僕はすべてのMPポーションを使い切り、MPもすっからかんだった。

「な、なんとか生き残りましたね…」

「な~~?」『でも、特にこれといったものは出なかったんじゃない?』

「そ、そういえばそうですね…」

 周囲を見回してもドロップしているのは小さな魔石だけで、ほかには特にこれといったドロップ品は無し。

 フナムシは数が多かったから脅威ではあったが、一匹ずつは弱い小さなモンスターでしかなかったということだろう。

「洞窟の奥に宝箱でもあるってことですかね?」

 僕たちは奥へと足を進めたがそこは初めに見たとおりあっという間に行き止まりに達する小さな洞窟で、宝箱などが置いてあるわけではなかった。


 その代わり、洞窟の突き当たりには一つの小さな裂け目があった。


「どうやら、この裂け目の奥に広い空間があるようですが、僕では通れそうにありませんねぇ…」

「にゃ~?」『でもあたしなら通れそうじゃない?』

 その裂け目はたしかにたまみさんなら通れそうな大きさだった。

 そう、考えてみればこれは黒猫の転職クエストの一環であり、他の転職クエストと同様に単独でクリアしなければいけない要素があって当たり前だった。

「どうやらこの先が本命で、たまみさんが単独で挑まなければいけないようですね。

 僕は中には入れませんしMPもすっからかんなのでカウントバリアを一回かける程度のことしかできませんが、気をつけて行ってきてくださいね。」

「にゃ!」『誰に向かって心配してるのよ、あたし一人で余裕よ!』

 たまみさんは景気づけに僕の頬にジャンピング猫パンチをソフトタッチで打ち込んでから、颯爽と裂け目の奥へと歩いて行った。


 そんなたまみさんを出迎えたのは、魚の頭と体に人間に似た手足が生えたモンスター、サハギンだった。


 普通のサハギンは人間と同じくらいの身長だが、それは3m弱ほどだったのでサハギンキャプテンといったところだろうか?

 サハギンは鋭い銛を使っての攻撃と口から水流を飛ばす他、キャプテンはさらに水魔法も使いこなしたらしい。 

 閉じられた洞窟の中という限られた空間の中で多彩な攻撃を持つ相手に苦戦するかと思われたが、結果としてはそれほどでもなかったらしい。

 狭いとはいえ3mのサハギンキャプテンが十分動き回れるだけの空間があったし、水魔法もあまりレベルが高くなくて単発攻撃だけだった。

 魚の頭という構造上背後に回ると水流を打ち込むことができず、視界こそ広くて背後を確認することができたが背後を攻撃するほどの器用さが手足には足りなかった。

 これが水中での戦闘だったり水魔法に範囲魔法があったりすれば苦戦しただろうが、洞窟の中の空間という閉じられた戦場はサハギンキャプテンにとってマイナスにしか作用しなかった。


「にゃにゃ~~ん♪」『ふふん、大したことなかったわね♪』

 たまみさんは裂け目を通って戻ってきて、ドヤ顔で顔の掃除をしている。

 これは黒猫用の2次転職クエストだからたまみさんと同レベルの黒猫を相手にすることを前提に作られているはずだからもう少し苦戦するかと思っていたが、そんなことはなかったようだ。

 いままでの無茶な戦闘の経験ゆえか、それとも覚えた闇魔法が思ったよりもたまみさんにマッチしているためか…。

 ともかく、これで黒猫固有の転職クエストが1段階進行したことは間違いないだろう。


「それで、何がドロップしたんです? 先輩の黒猫への手土産ならやっぱり魚でしょうかね?」

「にゃ~~?」『それがドロップしたのがこれなんだけど、猫缶とちょっと違うわよね?』


 そういいながらたまみさんが差し出してきたのは一つの缶詰。

 そのラベルに書かれていた名前は『サハギン印の鯖の水煮』。




「ってここで魚じゃなくてサバ缶出すのかよ!!」

 僕の思わず出たツッコミが洞窟の中で虚しく反響した…。


久しぶりに真面目に戦闘させたせいで、詰め込みすぎた気が…

(もっと戦わせろともいうw

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