猫3匹目 たまみさんの実力
本日二本目(になってるはずw
とりあえず、あらかじめ書いたのはここまで。
毎日更新は無理って先に書いたけど、
あまり日にちを開けないよう頑張りたいとこ…
たまみさんは西に向かって始まりの街をスタスタと歩いていく。
僕はオロオロしながら、そんなたまみさんを追いかける。
コンパスの関係で猫より人の方が早いはずなのに、たまみさんのAGIが高いのか、追いかけるのがやっとだ。
四人組の友人達はそんな僕の後ろを半ば呆れながら追いかけてくる。
「いくって、どこに行くんですか、たまみさん? もう始まりの街を縄張りにしたんですか?」
しかし、たまみさんはそんな僕を振り返ることもなく西門へと到達し、そのまま街の外へと進んでいく。
「え? その外はもう安全圏外ですよ? 普通にモンスターに攻撃されちゃいますよ?」
僕の注意など全く気にもせず、たまみさんの歩みにはためらいも躊躇もない。
NEOにおいて、NPCは普通に安全圏外で活動する。
それも、フィールドに存在するモンスターから攻撃を受けるし、NPCのほうから攻撃しもする。
そもそも、我々と同じようにフィールドで活動するNPCの冒険者が存在するのだ。
NPCの冒険者はフィールドで普通に戦っており、ときにプレイヤーを助け、ときにプレイヤーに助けを求め、そしてプレイヤーとモンスターを取り合ったりもする。
ただ、あまりに極端であるとゲームとして不都合が生じるので、NPCの冒険者は少し余裕を持った活動をしており、混んでいる狩場からはすぐに移動するし順番待ちするようなダンジョンには手を出さない。
また、プレイヤーが血眼になって追いかけるレアモンスターは快く譲ってくれるようになっている。
これはシステムでそうなっているというよりも、時間的にも精神的にも余裕が有るNPCの冒険者はがっついた行動をせず、必死に強くなろうとするプレイヤーたちを温かく見守っているということらしい。
しかし、今大事なことは、NPCであってもモンスターが普通に攻撃してくるということ。
プレイヤーに対する反応と同じようにノンアクティブモンスターは一発攻撃されないと反撃はしてこないが、アクティブモンスターならば躊躇なく攻撃してくる。
アクティブモンスターだらけのフィールドのど真ん中になぜか無防備な子供がいても攻撃されないということはなく、襲われているか、フィールドに点在しているセーフエリアに留まっているようになっている。
つまりNEOではフィールドを普通に移動するNPCは魔除けの香を焚いているとか護衛を雇っているなどの対策をしているか、普通に戦う力がある者たちだけなのである。
では、たまみさんはモンスターと戦えるのだろうか?
たまみさんは普通の猫のサイズであるし、普通の猫ならモンスターとは戦えるはずもない。
だが、たまみさんは普通の猫ではありえない。
たまみさんならモンスターと戦えても不思議ではないし、その迷いのない歩調は自信に満ちている。
…普通にいけるんですかね?
僕はもしもの時に直ぐに対応できるようにロングソードを引き抜いた。
シルバー製のもので、比較的魔法に対するマイナス補正の少ないものを僕は装備している。
僕の職業は、バトルメイジ。
魔法剣士的な職業だが、戦士寄りのマジックナイトよりも魔法使い寄りの一次職だ。
僕は基礎職は魔法使いで始めたのだが、たまみ落ちの影響でソロでも活動できるようにと近接戦闘できるように魔法剣士寄りのスタイルになり、そのまま一次転職でバトルメイジになった。
ただ、僕は万能型のかっこいい魔法剣士とかではなく、どっちつかずの器用貧乏な感じである。
剣で戦っている時に生まれた敵の隙に魔法を打ち込むとか拳に魔法を纏って殴りかかるとかはできず、相手によって剣か魔法の相性のいいほうで戦うだけである。
また、臨時でパーティーに入れてもらうことが多いので、そのパーティーで足りない方を補うのが主である。
ちなみに、バトルメイジは拳で戦う格闘職のような魔法使いであるゲームもあるが、NEOでは武器の制限自体はなくて何を使っても構わない。
僕は片手剣を好んで使っているが、両手持ちの戦斧でもいいし無手の格闘でもいい。
ただし、武器によって魔法攻撃力に対する補正値の違いが出てきたりするが。
今は突然たまみさんが襲われたときに咄嗟に対応するならば、詠唱の必要な魔法より剣の方がいいだろうと思っただけのことである。
始まりの街はゲームのスタート地点であるため周辺の敵は弱く、特に西のフィールドが一番弱いエリアになっている。
次に東が弱く、南は敵が特殊であるため戦いづらい。
北が一番強いと言えるがそれでも初心者フィールドと言える程度で、もうすぐ2次転職というところまできている僕なら一人でも戦える。
西のフィールドならアクティブモンスターが増える森のエリアに入っても、レアモンスターや強モンスターがでてもなんとか対応できるはず…と思っていたら、たまみさんはそのまま森の中へと入っていった。
ここまでノンアクティブがほとんどの草原エリアだったのでエンカウントしなかったが、森エリアとなるとそうはいかない。
すぐ対応できるように距離を詰めようと足を速めたその瞬間、
たまみさんの姿が黒く霞むように消え、左の木の陰からダメージを表すパーティクルが大量に降り注いだ。
追いかけるとそこには、鼻先を爪で思い切り引っかかれて大ダメージを受けて消えていくウルフと、静かに降り立つたまみさんの姿。
ウルフを一撃で確殺だった。
ウルフはこの森の中に出てくるアクティブモンスターで平均Lv5。
僕でも一撃で倒せるモンスターだが、心なしか僕が長剣で一撃入れた時よりもダメージを表すパーティクルが多い気がする。
NEOはゴア表現が控えめで、標準設定では血は流れずにダメージはパーティクルで表現、欠損部位は光になって消滅し、傷口も骨や肉は表示されずに服などが敗れることで表現していたりする。
特別によりリアルに表示するよう設定することもできるようだが、年齢制限があったり保護者の承認が必要であったり掛かり付け医がそれを禁じたりできるようになっていて、めんどくさいので僕は標準設定のままにしている。
そのためダメージの大きさは血や傷の深さではなく、その時に飛び散るパーティクルの量によって判断するようになっている。
ということは、物理攻撃では僕よりたまみさんの方が攻撃力が上ってことですか?
「た、たまみさん、Lvはいくつなんですか?」
NEOにおいて、パーティーを組んでいても相手のLvや職業が見えるとは限らない。
個別に設定が可能で、最低限見えるのは名前とHPとMPのみ。
そこから人によってLvだけであったり職業も見えるように設定したり、細かいステータスやスキルまで見えるようにしたりできる。
そしてパーティーを組んでくれるNPCもまた、独自の判断で表示の有無を設定している。
僕の場合は、臨時で組むことが多いためLvと職業も見えるように普段は設定してある。
いまのたまみさんはというと、名前しか見えない最低限の設定だった。
「にゃ~?」(知りたいの? と聞かれてる気がする。)
「ぜ、ぜひ、お願いしたいです。」
そこからどうしようかと考え込むたまみさん…。
「にゃにゃ~」(透だし、仕方ないわね と少し呆れている感じだと思う。)
ささっと前足でシステムウィンドウを操作すると、たまみさんのLvが表示された。
そこに表示されたのは『Lv20』
僕はさすがにLvで抜かれていなかったことに少しほっとした。
僕の今のLvは38。
でもバトルメイジなせいもあって純粋な物理職よりも僕のダメージ量は小さいが、Lv20の相手に抜かれるほどではないはずなんだが?
たまみさんは純粋な物理職ってことなんだろうか?
でも、猫の職業ってどうなってるんだ?
テイムモンスターやサモンモンスターではその種族で特有の職業ツリーが存在するということらしいが、猫の職業ツリーの情報などは聞いたことがない。
「それで、たまみちゃんのLvはいくつだったんですか?」
「あぁ、たまみさんは今Lv20らしいで…へぶしっ」
僕たちについてきていたヒカリさんの質問に答えた僕の頬にたまみさんの怒りの三角蹴りフライング猫パンチが突き刺さった。
「シャーー!」(なに、勝手に教えてるのよ! と怒っているらしい。)
たまみさんはお怒りだったが、ダメージが出ないように猫パンチはちゃんと手加減されていた。
「いや、これから一緒に行動することもあるでしょうし、知っておいてもらったほうがいいですよ?」
「そうよ、たまみちゃん。仲良くしましょ…きゃあ。」
たまみさんは近寄ってこようとしたヒカリさんの頬にも三角蹴りフライング猫パンチをお見舞いした。
「これが、『三角蹴りフライング猫パンチ』の威力なのね…噂には聞いていたけどなんて見事な肉球…」
ヒカリさんは恍惚として喜んでいた。
いや、そこで喜んでちゃダメですよ…。
たまみさんはまだ不機嫌そうにフンスと鼻を鳴らすと、またずんずんと西に向かって進んでいく。
時折霞むように消えると、僕が認識するより早くウルフを倒していく。
どうも、この霞むように消えるのはスキルとかではなく動きが早すぎて消えるように見えるだけで、通常攻撃であるらしい。
ということは、たまみさんはAGI極型なんですかね?
しかし、Lv20付近のAGI極はもちろんLv40近い人でも霞んで消えるほど早くはなかったような…。
「おい、トール! あれはファストトレントだぞ。」
少し考え事をしていた僕に四人組の索敵役である千ノ心さんが注意する。
たまみさんが向かっていった先にあるのはただの木に見えるが、索敵スキルを持つ千ノ心さんは敵であると看破したらしい。
ファストトレントは、三番目の町であるドライの街の先に出るトレントと同等の強さをもつ、この森エリアの強モンスターである。
その擬態能力が脅威であるとともに、高い攻撃力とHPを持つ、僕一人では苦戦する強敵だ。
当然Lv20のたまみさんではきついだろうと思ったのだが…。
たまみさんはそこからさらにクンッと加速すると、ファストトレントが擬態を解いて攻撃を始める前に一気に距離を詰め、そのまま爪を立ててトレントの幹を駆け登ってしまった。
「えぇ!?」
そこで僕たちは衝撃の事実を見せ付けられる。
トレントの攻撃手段は枯れ枝のような二本の腕による強打と手裏剣のように葉っぱを飛ばす遠距離攻撃、そして根っこをムチにように使っての打撃と地中からの突き刺しの奇襲攻撃。
どれも高い威力の脅威となる攻撃だが、頭の部分である枝の中は今のたまみさんのように一気に木を登って入り込んでしまうと攻撃できなくなるという恐るべき安全地帯だった。
手の枯れ枝は頭の枝が邪魔で攻撃できず、葉っぱ手裏剣は葉が生えた場所から外側へ向かってしか飛ばせない。
また、根っこが頭の上を攻撃できないのは誰が見ても明らかだった。
まぁ、普通のプレイヤーの体の大きさで完全に入り込めるかとか、攻撃される前に木を登りきれるかなどの問題があるから、真似できるかといえば微妙だとは思うが。
そして枝の中に入り込んだたまみさんの姿は下からは見えなかったが、爪を研ぐ時のようなバリバリという音とともに大量のパーティクルが枝の間から降り注いでくる。
「こりゃ、完全にハマってるよな…」
「も、もしかして、ファストトレントもトレントも無傷で狩り放題?」
始まりの街周辺ではほかに見ないほどの高いHPもあっという間に削れていく。
そして、最後はほんの少しだけHPを残した状態でわざと一度枝の中から地面に降りたち、虚のような顔にバリッと爪で一撃加えてトドメを刺した。
ファストトレントのHPが全損し、光の粒になって消えていく。
こ、これはいわゆる、舐めプってやつですか?
「これはたまみさんは思っているより強いのかもしれないねぇ。」
「三日前にリアルで他界したことを考えると、三日でLv20まで上げたってことじゃないのか?」
「たまみちゃんだと普通のクエストは受けれなさそうだし、モンスター狩りだけで上げたとしたら結構なハイペースじゃない?」
「ちょい気になって掲示板調べてみたんやけど、この三日間くらい謎の黒猫NPCの目撃情報が結構あるわ。」
「えぇーー…」
呆れる僕らのことなぞ全く知らんふりして、たまみさんは更に西にまっすぐと向かう。
そして、始まりの街の西のフィールドを抜けた先には第二の町であるセカンの街があるが、そこを抜ける手前には…。
「あぁ、たまみさん、その先はエリアボスがいますって! 流石に二人じゃ無理ですよ!!」
「なぁ~~?」(あら、あたし一人でもいけるんじゃない? と侮っているように見える。)
「ごめん、パーシー、たまみさんがそのままエリアボス行く気みたいだから、突然で悪いんだけど手伝ってくれよ。」
「それは別にかまわないけど、そっちが二人でパーティー組んでるから、そのままは誘えないぞ?」
「あぁ、すまないけど、そっちのパーティーを一度解散してよ。こっちから申請してもらうから。ほら、たまみさん、お願いだからみんなもパーティーに入れてあげて!」
「にゃぁ~~」(心配性で仕方ないわねぇ とため息をついているような気がする。)
たまみさんがひょいひょいと前足でウィンドウ操作をすると、パーシヴァルたちにパーティー加入申請が来たようだ。
「ほんとにたまみさんからパーティー申請が来るんだなぁ。」
「肉球なのに、器用に操作するのねぇ」
パーティーのメンバーリストに4人の名前が加わる。
聖騎士のパーシヴァル。四人のリーダーでありタンクとして前線を支えるとともに神聖魔法で自ら回復もする。それなりの攻撃力もあり、ターゲットを安定して固定できる。
野伏せの柳生千ノ心。前衛のアタッカーであるとともに、パーティーの索敵役も担う。
大賢者のヒカル。すべての属性の魔術と神聖魔法の両方を使う魔法のエキスパート。
魔砲使いのLILICA。少し癖のある遠距離武器である魔砲を使い、またトラップの設置と解除を行う。
四人とも一つの分野に特化していないタイプで普通のパーティーでは役どころが難しいが、この四人が集まるとちょうどいいバランスになるのだ。
ただ、少し魔法攻撃力が低いのと後衛の二人が近接攻撃力が皆無なことが弱点でもあって、バトルメイジである僕が臨時メンバーとして重宝される理由でもある。
「さて、この5人と一匹なら被害なしでいけそうかな?」
パーシヴァルが改めて体制を整えて見つめる先には、セカンの街に行くためには一度は倒さなければいけないエリアボス、シニアシルバーウルフが鎮座している。
シニアシルバーウルフは西の森のレアモンスターであるシルバーウルフをさらに一回り大きくしたボスで、ボスとしては体格が小さく特殊攻撃がほとんどないが、高い機動性と攻撃力を持っている。
ボスのLvは20でプレイヤーたちはLv10でなんとか攻略可能と言われているが、それはあくまで3パーティーフルの18人での話だ。
そう、エリアボスのシニアシルバーウルフは小規模レイドボスなのだ。
小柄な分一斉に攻撃できる人数は限られるが、起動性が高いためにターゲットが跳ねるとあっという間に後衛が襲われるので、後衛の護衛を置く必要がある。
精密な管理が必要となるため、タンクとヘイト管理の練習用のボスと言われている。
まぁ、僕はともかく四人は2次転職を済ませた2次職であるので1パーティーでも問題なく倒せるだろうと思う。
一人で倒せとなると僕では不可能で、比較的バランスのいいパーシヴァルでも結構な時間がかかるんじゃないかと思うんだが…、
たまみさんは四人がパーティーに加入したことを確認するとそのままスタスタとボスに向かっていき、そのアグロ範囲に入っていった。
「ちょっと待ってたまみさん、今ちゃんと役割を説明してから、パーシーがタゲを…」
僕の注意などどこ吹く風とたまみさんは一気に加速し、敵を認めて目を赤く光らせて頭をもたげたシニアシルバーウルフの鼻先を爪を立てたたまみさんのダブル猫パンチが襲う。
バリバリッ!
「ギャン!」
その強烈な連撃にシニアはとてもボスとは思えない鳴き声を上げる。
怯みながらも反撃の爪を繰り出すが、既にそこにはたまみさんの姿はなかった。
そして完全に空振りした右前足を、ふっと霞むように戻ってきたたまみさんががぶりと噛む。
反撃の牙が届く前にまたたまみさんは消えるように離れ、それをさらに追いかけたシニアシルバーウルフの牙はやはり捉えられずに空を切る。
距離をあけたたまみさんを追いかけようとシルバーの銀色の体が追いかけるが、捉えきれない。
「あれ? たまみさんの方がボスより早くない?」
「ちょっと待ってくれ、動きが早すぎて、これじゃ攻撃できない!」
ボスエリア内を黒と銀の影が目まぐるしく走り回り、時折ダメージのパーティクルが舞う。
あまりの早さにパーシヴァルが攻撃することができず、パーシヴァルがタゲを取っていないので僕たちも攻撃することができない。
目で追うのがちょっときついが、ダメージは全てボスのものであり、たまみさんが一方的に削っているようだ。
だが体格差的に一発でもたまみさんが攻撃をもらうと形勢が逆転しかねない不安定さもある。
しかし、その体格差ゆえに、ボスは同等以上の早さを持つたまみさんをどうにも捉えることができないようだった。
そして、本来このくらい体格に差があるとたまみさんの攻撃も通用しなさそうなものだが、思った以上に攻撃力があるのか大量のパーティクルが宙を舞う。
「これ、うちら、もう見てるだけでいいんちゃう?」
「でも、僕たちが一切攻撃しないってわけには…」
「でも下手に攻撃するとフレンドリーファイヤしそうやし、タンクのヘイト全くなしに後衛に来られるとウチラでも流石にヤバイで?」
確かにたまみさんたちの動きは早すぎて、出の早い魔砲の攻撃も誘導性のある魔法もたまみさんに当てずにボスだけに当てるのは難しそうだ。
パーシヴァルもまだ一発も攻撃を当てることができていない。
「それにもう終わっちゃいそうですよ?」
「えぇ?」
振り返ると、牙を空振りしたシニアシルバーウルフの鼻先に、たまみさんの四連爪付き猫パンチがクリティカルヒットしていた。
パリンと薄いガラスが割れるような音がしてシニアシルバーウルフが光の粒子となって消えていく。
「えぇぇぇぇーーーー…」
「にゃにゃ~~?」(ほら、だからあたし一人で大丈夫だって言ったでしょ? とドヤ顔を決めている気がする。)
僕たちはただ呆然とたまみさんのドヤ顔を見つめるしかなかった…。
たまみさんは軽く顔を前足で掃除すると、そのままスタスタとセカンの街へと歩き出した。
「トール、あんた、一回も攻撃してないんとちゃう?」
「そういえば、してないような…」
始まりの街を出てからボスを倒すまで、結局剣のひと振りも魔法の一発も撃ってない気がする。
「それは俺たちもだった気がするけどな。」
始まりの街の西のフィールドとはいえ、完全にたまみさんの独壇場であった。
ピロンッとシステム音が鳴り、パーティーが解散される。
たまみさんは取り残された俺たちを振り返ることなく、優雅にセカンの街の見回りを始めたのだった…。
とりあえず、たまみさんの傍若無人な部分と無双な部分の雰囲気は出たはず。
一応制御できる範囲で暴走していく予定。
さて、これからどっちの比重を上げていきましょうかねぇ…w




