~夫婦同姓合憲~官公庁は融通が利かない
これが勢いだけだ!儂がガッデムじゃ!
民法第750条
第750条夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
まぁ、こんなものがあったせいで俺は結婚できなかった。
俺の名前は 便所床 擦郎
親がくれたキラキラネームだ。
小防の頃は便器ブラシ便器ブラシと揶揄され、床はデッキブラシだ!!!と突っ込む知識もなかった。
中学生になると親が離婚して手水場になった。意味はあまり変わってなかった。
高校は男子校に行った。中学の時女子からの視線に寒気を感じたからだ。高校では一部男子からの尻への視線で寒気を感じ続けた。
大学にも行った。大学では楽しかった。男友達も増えたし……開き直ればいいものだった。
だが。
就職活動に難儀した。
何百通も書いたエントリーシート。
何百通も書いた履歴書。
何百通も届く、お祈りします的な紙。
あれか。
トイレメーカーであっても抵抗あるこの名前が原因か!
俺は負けなかった。
それでも俺は就職した。
そして俺は恋をして、結婚できなかった。
妻になる予定だった人の苗字が「珍古」だったからだ……
恋人にフラれ、意気消沈ちんする俺にひとつの転機が訪れた。
民法第750条改正だ。
苗字を捨てる事が出来るらしい。
この苗字を捨てられる!俺はすぐに市役所に申請した。
なんでもシリアルナンバーが付けられ、連番の数字が苗字の代わりになるらしい。
やった!俺もこれで報われる!
「え~~手水場さん、旧姓、手水場さーん」
遂に旧姓になる日が来た。この日をどんなに待ち望んだことか……
「はい」
「あ、擦郎さんですか?」
「はい」
「貴方のシリアル番号ですが0721番です、これからは0721擦郎です」
「え、ちょ、ちょっとまって」
「はいぃ?」
「他の、他の番号にしてもらえませんか?オナ二一コス郎にみえちゃうじゃないですか!」
「すいませんね、決まりなもんで」
「決まりって……」
た、確かに官公庁は融通が利かない。だからって……
「はい次の人― 」
「なんで……私!!!オナニニ夢中なんて名前に読まれるのは嫌です!!!」
この後むちゃくちゃ後悔した