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エコ魔導士  作者: 中村 尽
幕間
48/67

あとがき? っていうか設定の話

 私は設定おたくです。だから設定を考えるのが大好き。


『エコ魔導士』では架空の世界を舞台にしているので、現実世界と違うであろうところが多々ありますが、その中でもある程度まとめた部分について書きたいと思います。


 なお、現時点で言及していないところについては書きませんし、核心に触れるようなところについても記述を避けますので、ネタバレ嫌いな人も大丈夫です! 更に前提を言えば、これは読む必要のない文章だということです! つまり自己満足です! 




――――



・エコ魔導士の通貨、貨幣制度



挿絵(By みてみん)



 エコ魔導士の世界は金本位主義で、貨幣はそれと同価値の金と同じ量しか発行できません。また価値の高い貨幣はそのまま金で出来た硬貨、すなわち金貨であり、価値が下がるごとに金の純度が下がります(つまり合金製)。



 貨幣の種類はそこまで綿密に考えてませんが、まず単位は『ベリル』で、1円=1ベリルです。分かりやすいですね!

 1ベリル、5ベリル、10ベリル、50ベリル、100ベリル、500ベリルまでは金属硬貨。1000ベリル、5000ベリル、10000ベリルは金貨、あるいは紙幣(金貨だと重いので、両替できる。小切手とかキャッシュカードみたいなもの)


 とまあ、これも変に考えると自分で間違えそうなのでそういう感じで~。ああ、分かりやすいなあ笑



 あと、この世界での真面目な契約なんかは書面やマナ板(マナ板にも色々種類がある)で行われますが、同時に口約束での契約も正式なものとみなされています。口約束による契約は、いざとなれば記憶を呼び起こす魔導士によって事実の確認が取れるためです。……いやー、本編関係ないなあこの設定笑 なお、これらの常識が通用するのは都市部のみで、田舎では物々交換が主な取引方法になります。



 

――――




・都会と田舎



挿絵(By みてみん)



 この世界で都市と呼ばれている場所は、最上級魔導士が境界魔法陣を敷設している所です。


 境界魔法陣がなくては、魔物の脅威にさらされて農耕や牧畜はままなりません。狩猟採集は可能ですが、狩猟採集は環境へのダメージが大きいので結果として放浪生活になります。




 小さな境界魔法陣ならば一般的な魔導士にも扱えますが、境界魔法陣を創造、維持するコストは当然面積に応じて上がっていくため、その土地に境界魔法陣を敷くことで得られる利益と境界魔法陣の維持コストが釣り合うある一定のライン(損益分岐点に近い概念かもしれない)に達しないと、境界魔法陣を敷設するメリットはありません。


 いくら肥沃な土地であっても農耕を営むにはどうしても一定の面積が必要で、農耕に伴う施設なども境界魔法陣に収めなければいけないということを考えると、50平方キロレーンくらいの面積はいるんじゃないかなあ?(超適当)




 田舎と呼ばれる場所は、魔物の脅威に怯えながらできるだけ最小限の食料生産を行っているか、別の方法で生計を立てているか(例えば隊商の略奪や人間もどき狩りの請負、非常に重要な工芸品の工房、鉱石の採掘など)。


 稀有な例として、地形的な理由によって魔物が少ない地域・特に強力な魔法生物が他の生物の侵入を許さないためにその魔法生物にだけ気をつければ安心して農業が営める場所(ヒカズラ平原の人喰い魔獣はそうした存在になり得る)がたまにあり、そうした場所では境界魔法陣に依存しない生活が可能です。




 また、エコたちがソリャに連れて行かれた村はネーゼ家が所有する別荘地みたいな所です。同時に行政魔導士の拠点にもなっており、その環境を維持するために一定数の住民がいます。

 ネーゼ家の人が作った境界魔法陣(ただし小さい)もあるし、ネーゼ家直轄の雇われ魔導士が配備されているので魔物の脅威も無く、下手したら都市よりもいい環境かもしれない……。



――――






・三大導家について



 今ネーゼ家が村を保有しているという話が出ましたが、その話からも推測できる通り『三大導家』の持つ力はとても大きなものです。

 三大導家はたま~に本編にも出てきますが、クンプト家、ネーゼ家、ミルフルール家の三家を指し、エリート集団の魔導士の中でも特に優れた血統を持つ一族のことです。



 三大導家の財力はほぼ無限であり、魔導士特権も合わせて持っているため、金銭的に不自由することはありえません。


 しかし、魔導士の社会は絶対的な実力主義。特に先天的な才能を重視する上、プライドも高いので『忌み落とし』などの行為は嫌っています。

 ……例外もありますが、ネタバレなので言えません。





――――





・エコ達の歩いた距離など



挿絵(By みてみん)



 エコの住んでいた家から【ハロン湖】までは、徒歩……えーっと、わざわざ読み返さないで適当に言いますが、4日から5日くらいの距離です。1日70~90キロレーン(キロメートルと同義)歩くとして、300~400キロぐらいかな~。


【ハロン湖】から【石の町トレログ】までは歩いて1週間くらいなので、これは500キロはあるかな。いや、山越えてんだからないかな。


 私のいる東京都から名古屋位の距離に【ハロン湖】、名古屋から広島くらいの距離に【トレログ】って感じでしょうか。うわ~、大変だ笑

 ちなみに途中の雪山の標高は2000m~2500mの高山地帯でした。トレログの標高も1000mくらいはあります。



――――




■技術の話




 エコ魔導士の世界では、魔法が便利過ぎるため科学技術の発展は乏しいです。


 科学の発展の事はあまり知りませんが、魔法で簡単に火を点けられるのにマッチを発明する必要はないと思います。それに応じて、マッチから発展していく種々の技術も存在しないことになりますので、この世界においての科学技術はあまり発達しないということになるかと思います。


 とはいえ、成り立ちから全く違う世界の科学について我々の普段いる世界と比較する(西暦何年くらいとか)のもおかしい気がしますので、そういう表現は意図的に避けます。



 なお、一般市民たちは魔法が使えないので、その意味では彼らの間でそうした技術が発展する可能性はあります。


 しかしながら、この世界での上流階級・特権階級、すなわちインテリは例外なく魔導士ですので、庶民や職人が手作業で作れる程度の道具(歯車技術や鉄鋼加工)は発展する可能性が高いとしても、研究に莫大な費用と余暇が必要な化学方面の技術はほとんどといっていいほど開発されません。



 火薬……、もあるかどうか微妙だなあ……。出すかも。




――――



■魔法生物について



挿絵(By みてみん)



 エコ魔導士の世界には、現実世界と同じ生態系があります。要するにすずめとかバッタとかフナとか、おなじみの生物がそのまま出てきます。これは、そんなとこまでオリジナルにすると大変だからです笑



 この設定はそのまま、野生の魔法生物すなわち「魔物」は、既存の生態系に入っていけるほどの個体数と生物学的完成度を持っていなければすぐに絶滅してしまう、ということを意味しています。


 これに『魔法生物は魔導士が作る』『魔力が高いほど魔法生物の総合的な完成度が高い』『魔導士は基本的に魔力が高いほど地位が高い』という大前提を考え合わせると、


『既存の生態系に入っていけるほど完成度の高い魔法生物は、地位の高い魔導士にしか創造できない』


 ……という、どうしようもない現実が浮かび上がります。




 エコ魔導士の世界には、すでに「魔導士が魔物を作る→都市部にしか人が住めなくなる→都市を作るには画陣魔導士が必要→魔導士がいなければ社会が成り立たない!」という魔導士にとって圧倒的に有利となる環境構造が出来上がっており、そういう意味では『魔物の存在によって魔導士の地位が保証されている』という側面があるわけです。




 しかし、これらは人々が自らの欲求に従って活動してきた結果としてそうなっただけの話で、魔導士が意図的に作った社会構造ではありません。現在でも脅威となっている多くの魔物(別に登場はしないかもしれません)を作ったのは過去の魔導士達ですし、彼らは厄介な魔物を生む反面、多くの家畜に適した生物たちをも作ったという事実も存在するためです。



 

 自分たちが作ってきた歴史に自ら首を締められるというのは、人類にはよくあることですよね~笑



――



・食生活の話



挿絵(By みてみん)



 エコたちが食べている描写もサラッと出てきますが、この世界においては昆虫がごく普通に食べられています。


 小規模なコミュニティにおいては食用昆虫類は代表的な家畜でもあり、大型の森林性ゴキブリやバッタ類、カイコを始めとする幼虫等々が盛んに育てられ、食べられています。

 飼育が簡単で飼料も手に入れやすく繁殖力も高い昆虫類は、ペットであり貴重なタンパク源でもある、暮らしに無くてはならない存在です。


 また、モルモットなど草食の齧歯目に野菜くずを与えて育てて食べるのも一般的。こうした小型動物を室内で飼う分には、夜間に魔物に襲われる心配はありません。





 少し発展した町では、牛に変わる家畜『足無し牛』の食用種をはじめ、普通にヤギとか羊、ニワトリなどの家畜が生産物目当てに飼育されます。

 が、【ハロン湖】でもあったようにこうした家畜は魔物に襲われやすく、境界魔法陣のない場所で家畜を飼うのはかなりリスキーな行為と言っていいでしょう。従って、こうした家畜から得られる畜産品は高級です。



 飼う場合の防護対策として、夜に武装した見張りを立てたり、頑丈な小屋を作ってそこに家畜を囲ったりと色々な策が講じられますが、いずれも金が掛かる上に魔物の被害を確実に抑えられるわけではなく、結局魔物に襲われにくい畑をやったほうがまだ効率的に食料を得られるという事になります。



 一転して、境界魔法陣が全域を覆う都市部では、家畜は簡単に有用な資源が得られる主要産業であり、前述したとおり畜産物が非常に高値で取引されているために、一般的な農耕よりも広く行われているようです。




 以上の理由から、都市部と小規模な町の間で交わされる食料交易は、都市部が圧倒的に有利な状況となっています。





――――



・地位の話



 この世界の階級は


①王家

②導家

③市民


 の三つですが、王家はともかくとして、導家と市民階級の中にも当然優劣が存在しています。



 まず、市民は「どこに住んでいるか」で大きくランク分けされます。都市部か、そうでないか。


 最上級の市民というのは、都市部で大きな商売をやっていて、稼いだ金で子供を莫大な学費がかかる魔導士養成校に通わせることが出来る市民です。都市部に住む市民は、皆魔導士養成校に子供を通わせることを目標として生活しています。


 その理由は、家族から一人でも魔導士が出れば導家に格上げとなり、その瞬間から魔導士用の住居に全員で引っ越すことが出来るからです。こうなれば、微力ながら都市の政治にも関与できる様になります(政治形態は議会制ではありませんが、選挙のように市民が政治に参加できるような仕組みは存在しません)。




 そうしてやっと導家に上がった市民は、次に導家の中で地位を上げていくことになります。

 



 導家で最も地位が高いのは、三大導家の人々です。もちろん、こうしたハイクラスの人々と血縁関係を持つことができればそれが最も手っ取り早いのですが、魔力が血経遺伝するという特性を持っている以上、上級魔導士の家がそう簡単に血縁関係を持たせてくれるわけはありません。


 そうした血の管理に関して魔導士は特に気をつけているため、魔法的技術による性欲の抑制や排卵管理、記憶の監視など血の混ざる危険のある行為については厳格に対策がとられており、それを僅かにでも破ればたちまち雷よりも迅く激しい厳罰に処されます。


 市民から上がったばかりの下級魔導士の家であれば一族郎党皆殺しなどの処置は至極あっさりと行われ、身の程を弁えない、いわば「マナーの悪い」者は一瞬で消滅する仕組みになっています。






 となると、地道に階級を上げるしかありません。導家での地位はそのまま、一族の魔力の高さと功績に比例します。



『歴史に名を残す』行為は、魔導士達が疑いなく功績として認めるものです。


 これはわりとどんなことでもよく、エポニム(人名など、元々存在するものの名前を使って命名された呼び方)に使われる程度でも構いません。


 導家の魔導士は同時に何らかの研究者でもあることが多いので、新しい種類の生物を見つけて自分の名前を付けたり(例「シーボルトミミズ」「ダーウィンフィンチ」)、有用な手法を開発してそれが自分の名前で呼ばれるようになったり(例「フレミングの法則」「ケルダール法」)、自分の説を発表して広く認められたり(例「ルビンの説」「フロイト学説」)することも、導家としての地位を上げるのに役立ちます。


 特に、どんな分野でもそれが口に出される=引用される回数が多いほど価値が高いとされます。


 普通に著作や論文を発表しても、それが広く万人に認められればそのまま家名が上がることとなり、尊重されます。




 魔力の高さは世代を重ねる毎に自然と上がっていくものですが、血統や血の相性などについて研究し、実践していくことで高めることが出来ます。これは非常に地道ですが、確実に必要な行為です。

 誤って魔力の低い血を取り込んでしまうと一族全体の価値が下がってしまうことになるので、子作りは厳密に行います。



 しかし、魔法によるほぼ完全な避妊法が開発されてもいるので、セックスが趣味の人は魔力関係なく多くの伴侶を持ったりしますし、その辺は自由です。

 大多数の魔導士は性欲や食欲よりも知識欲を優先するマニアックな変態なので、時に性欲の抑制魔法などを使ってそうしたものを排除し、一族繁栄の手段としてのみ捉えているようです。






 そして……『ミッグ・フォイル』を起こして名誉殿堂に永久にその名を残すことは「魔力の高さ」を世に示し、同時に「永久に名を残す」ことになる、魔導士最大の栄誉となります。そのため、全ての魔導士は『ミッグ・フォイル』を目指すのです。





 最後に『王家』ですが、彼らは歴史に保護された最も魔力の強い一族であり、徹底的に管理された『血の保管庫』でもあります。

『王家』はそれ自体が一族、家族であり、極限まで血の濃さを求めているということ意外は謎に包まれています……(まだ考えてない)。






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