これからのあらすじと人物紹介Ⅲ
麦 『これからのあらすじ』には、世界編の流れが書いてあります。ネタバレが嫌いな人は読まないほうがいいかも? 一応、これを読んでから世界編に入ってもらったほうが楽しく読める様な構成になってますが、飛ばしても問題ありません 麦
☆これからのあらすじ☆
・ハーピィ族「赤の谷」と「青の谷」の間で、大規模な戦争が勃発する。「青の谷」勝利。
・エコとタークがソリャ・ネーゼと会い、ソリャがエコに魔法の手ほどきをしてくれる。
・身体障害者福祉団体『フスコプサロの会』の見習い魔導士カナリヤ・ヴェーナとその友人ビルガルグルン・ラップバーンが、ネママ・ネメルリムと出会う。
・『石の町トレログ』に向かう道中、エコたちはへんなおじさんに遭遇する。へんなおじさん死去。
・エコとタークが雪山で死にかける。
・遠く北の地で、ミッグ・フォイル発生。世界は万の虹に覆われ、奇跡が起こる。
キャラクター紹介※これから出てくる人だけです
・カイラン=ハクリン
ハーピィ族「青の谷」の若き戦士で、見目麗しい少年。猛禽の血筋を濃く引継ぎ、ハーピィ族の中でも優れた視力と攻撃力を持つ。
偉大なる戦士キュザ・ハクリンの一人息子であり、こと戦闘に関してはまばゆい才能の光を放つ。
・アナメク=ヤキル
ハーピィ族「青の谷」の戦士。カイランの親友。大人しく控えめな性格。弓の腕はカイランをも凌ぐが、人前で披露しないためにその事実を知るものは少ない。
・キュザ=ハクリン
カイランの父親にして、「青の谷」首長。歴代最強と言われるほどの高い戦闘力で、戦空では獅子奮迅の活躍を見せる。
・カナリヤ・ヴェーナ
名門ヴェーナ家の令嬢。温室育ちのわりに自立心が強く、社会貢献をしたいという考えを持っている。一度眼を向けたら離せないほど美しい乙女だが、本人は全く意識していない。
・ビルガルグルン・ラップバーン
『フスコプサロの会』に所属する魔導士。極めて社交的な人物。いつも笑みを絶やさない。押しに弱く、カナリヤには押され気味。
・リリコ・ラポイエット
氷湖の町シャンターラの長。『雪飾りの女王』と呼ばれる、極めて強力な画陣魔導士。自らデザインを手がけたシャンターラの境界魔法陣は、世界一の機能性を誇る。
☆用語集☆
【ハーピィ】
魔導士によって作られた魔法生物だったが、人気があったため個体数が激増して人の手の届かない高山や密林などに集団で脱走し集落を形成。人の手を離れて独自の文化を営んでいる。
50年ほど前から国家にその人権を認められ、魔法生物 (『人間もどき』)として扱われることが禁止になった。しかし、まだ差別が全くなくなったわけではない。
平均寿命はおよそ2~30年。
【ハーピィ用語】
ハーピィの言語は人間と共通だが、独自の文化を育んでいるため、通常では使わない用語がいくつかある。
・戦空 (いくさぞら)
戦闘空域のこと。
・(翼を)打つ
強い羽ばたきのこと。ハーピィの翼は脊柱の第七胸椎から第九胸椎の棘突起が癒合した「背竜骨」に生えており、背竜骨突起に付くふたつの大きな筋肉(大背翼筋と小背翼筋、転回筋)がその強力な羽ばたきを起こしている。その筋を動かす感覚が、棒で何かを殴る感覚に近いらしい。
・吊り布団 (つりぶとん)
ハーピィは背中に翼があるため、天井から吊った袋のような布団に包まって眠る。
・石笛
ハーピィが合図に使う石でできた笛。中は中空になっており、一端につけた紐を持って振り回すことで、遠くまで届く高い音が出せる。反面、音色の制御がとても難しい。
・武器
ハーピィの武器は、主に槍と弓。槍の形状は部族によって大きく異なっており、先端に曲げが入っているもの、二股に分かれているもの、刃がついているものなど様々。主な材料は竹、骨、牙など。
弓は竹製で、ハーピィ族は弓に関して非常に高度な加工技術を発達させている。弦は家畜の小腸を撚ったものがよく使用される。
矢は自分自身の抜け羽根で作ることが多い。鏃は鉱石を削るか、自分の爪を研いだものを使う。
また、筋力の強い脚部による攻撃も多用される。
・卵
ハーピィは半卵胎生である。妊娠のごく初期には子宮内での雛の養育をするが、妊娠13週目で産卵し、それ以後は体温で卵を温める。産卵数は一度に1個。
この産卵形式は、母体が単独で飛行できるギリギリの時期まで体内に雛を保持することで、巣で長期間過ごすことを避け、天敵である人間の襲撃を避けるために形成されたものと思われる。
【無足牛 (あしなしうし)】
家畜化された巨大なカタツムリ。魔法陣、配合といった手法で様々に品種改良されており、食用、農作業用、実験用などあらゆる品種がいる。
【蝸牛車 (かぎゅうしゃ)】
殻が中空になった巨大な無足牛にロイコクロリディウムという虫を寄生させ、それによって操る車両の一種。腹足での移動のため静かで安全に旅が出来、不整地にも強い。ただし、魔法が使えないと操ることは出来ない。
【ミッグ・フォイル】
魔導士の死によって発動される、究極の魔法。万虹 (バンコウ、あるいはヨロズニジ)とも呼ばれ、これを発動することが全魔導士の目標であり、憧れでもある。発動することが出来た魔導士は【大魔導士】と呼ばれて首都のホール・オブ・フェイム(名誉殿堂)に永久にその名を残す。また、【~・フォイル】という様に栄光の苗字「フォイル」を賜り、その際に起こった現象はその名で呼ばれることになる。
※例 【ハロン・クンプト・フォイル】【パイロピア・コッツェ・フォイル】など。
【禁呪】
『使用に際して著しい危険性が伴い、かつ、周囲環境または人間または器物へ破壊の危険性をもたらし、あるいは特定の者に対して不可逆性の被害を与える魔法陣、または儀式、または呪文のことを指す』と定義される。
使用したことが発覚した魔導士は直ちに拘束され、体中の禁点(魔力のツボ)全てに魔封じの烙印を押された上、問答無用で家名を奪われる、お家つぶしに遭う。
【大魔導士】
ミッグ・フォイルを起こした人間。よって、例外なく故人。
【戦争】
現在から90年程昔に起きた、大規模な戦争。【ヒカズラ平原】全域で国家と多種民族の軍勢が衝突し、もっとも穏健派だった王家の重鎮の死による【ミッグ・フォイル】で両軍の主力が壊滅、和平協定を結んで終戦した。
【虚実 (きょじつ)】
この世界では、魔法の力(虚)と肉体の力(実)はシーソーのようなバランスで成り立っており、片方が上がると片方が下がる関係にあると考えられている。
事実、「忌み落とし」を始めとした実力を下げる手法で魔力が上昇することは経験的に知られており、身体能力を鍛えると顕著に魔力が下がることも分かっている。
実力を下げる方法には、体を傷つける・運動をしない・毛を抜く・ピアスをつける・刺青を入れる・食事を減らす・太る、あるいは痩せる・病気になる・呼吸を止める などといった方法があり、これらの方法で実力が下がると、魔力は直ちに上昇し、回復するとすぐに元に戻る。
【虚実】の考え方では、究極に実力が下がった状態こそが「死」であり、【ミッグ・フォイル】の発動は実力ゼロ、虚力最大の状態になることで行われると説明する。
尚、男性と女性で明らかに魔力に差がある理由は、男性の方が実力が高いからである。
☆おまけラフ




