あらすじと人物紹介Ⅱ
~ここまでのあらすじ~
師匠を探す旅に出る事になったエコとターク。二人は旅の装備を整えるために旅の宿場【ハロン湖】を目指す。だがエコが途中で三人の『人間もどき』を助けたことで、いきなり予定を変更にすることになった。
話し合いの末、『人間もどき』の三人(ラゾ、ヨズ、チノ)に言葉を教えることになったエコとターク。それからしばらく、三人の『人間もどき』と一緒に暮らす。
ところがそこへ、ヨズ達をさらおうとする人さらいが“行政魔導士”ソリャ・ネーゼを連れてやってきた。エコとタークは必死に戦い、怪我をしながらも何とか彼らを退けた。
(十一~十五話)
冬が近くなってきたのでタークとエコはヨズ達と別れ、【ハロン湖】の宿場町まで買い出しに行くことにした。その道の途中、エコはミモザという魔導士と仲良くなり、【ハロン湖】まで一緒に行く事にした。
ミモザの勧めで同じ宿に泊まることになり、タークとエコは買い物の予定を立てる。だがタークが急に原因不明の病に罹ってしまう。エコはタークを助けるべく町中の人に教えを乞い、助力を仰いだ。
町にいる五人の魔導士のうち四人に話を聞いたエコは、四人目の『ネママ・ネメルリム』に疑いをもつ。エコがネママを問いただすべくネママの部屋に駆け込むと、既にネママは逃げた後だった。
ネママを追い、何とか倒すエコ。しかしネママを問い詰めて聞き出したのは、タークの病が他ならぬ【ゲイス・ウェア】によるものだという事実だった。
(十六~二十話)
一度はタークを治す自信を無くしたエコだったが、ミモザに励まされて魔導士最後の一人『ゼイゼリリ・コッツェ』に会いに行く。そこでエコは色々な話を聞き、謎の土を貰って帰ってくる。
その後エコはミモザの協力の元、【ゲイス・ウェア治療薬】の開発に打ち込む。性懲りもなく襲ってくる魔導士フィズンを倒したり、アグレッドに話を聞いたりしながら、エコは着々と【ゲイス・ウェア治療薬】の完成に近づいていた。
土壇場でミモザと人体実験の是非を巡って見苦しい諍いがあったものの、結果的に和解して、タークの体の毒は去った。ターク生還の報を聞きつけて沸き立つ【ハロン湖】の住民たちは、エコ達のためにサプライズ・パーティーを開いてくれた。
エコ達は3か月を超える思いがけない寄り道となってしまった【ハロン湖】を去り、ヨズ達と住んでいた洞穴で因縁深い『ヒカズラ平原の人食い魔獣』と対峙したが、不可解な力を得たタークの活躍によりこれを撃破。厳しい寒さの中、次の目的地【石の町 トレログ】を目指す。
(二十一~二十九話)
あらすじおわり
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☆キャラクター紹介☆
エコ
マンドラゴラの少女。自分を産んだ人物、「師匠」を探すために旅をしている。いつもは快活で子供っぽいが、時に大人顔負けの大胆な行動を取ることもある。魔導士としての力は強く、魔法生物という出自ゆえに人間よりも成長が速い。料理好き。
魔法
『フレイム・ロゼット』――――強力な火球を投げつける魔法。連続で使いすぎるとマナ切れする。
『ウォーターシュート』――――水の弾を射出する魔法。出が速いため、けん制によく使う。
『クレイ・ルート』――――――地中から無数の土玉と石ころを噴き出させる魔法。一度に大勢に対して使える。
『グロウ』――――――――植物を急速に成長させる魔法。その成長の仕方も、ある程度操ることができる。
ターク・グレーン
エコとともに故郷【エレア・クレイ】を目指して旅をする、長身の男。普通の人間だが、毒で死にかけて以降体質に変化がみられる。食事が好き。戦闘では剣や小刀のほか、狩りに使うスリング(手持ち投石器)を使用する。
ミモザ・ミモレット
エコ達と旅の道中で偶然出会った、心優しい魔導薬士。駆け出しの魔導薬学研究者であり、自らの師匠に提示された薬草を探す修行の旅をしている。エコの良き理解者で、実の姉妹のように馬が合う。のんびりした性格で頭の回転もゆっくりだが、魔導薬学についてはエコも舌を巻くほど豊富な知識を持つ。
クイス
タークを追っていたごろつきの一人。エコに負けて心を入れ換えてからは、食いぶちを得るために『人間もどき』を攫う一団に所属していた。だが、エコに怒られて一団を抜け、エコ達と一緒に三人の教育を手伝う。
情けない性格だが手先が器用でサバイバル術に長けているため、意外と頼れる人物。ラゾに惚れている。
三人の『人間もどき』達
ヨズ
額に生えた一本角が印象的な少年。三人の内で元から人間の言葉が話せた事もあって、言葉遣いは流暢。子どもながらに人に頼らずに生きていくことを志しており、ターク達を感心させた。
ラゾ
優しく美しい少女。まだ生後4年しか経っていないらしく、クイスを驚かせた。笑い上戸で、どんな冗談でも明るく笑う。透明感のある美しい声を持ち、踊りも上手い。
チノ
まだ小さな女の子。子どもらしい舌っ足らずな喋り方をする。大人しい性格で、引っ込み思案な所がある。魔法に関しては天性の才能を持つらしく、エコが教えた魔法をすぐに使えるようになってしまった。
魔導士達
フィズン・ドナターク
自らを「敗者」と考え、「勝者」になることを目指して方向の間違った努力をする魔導士。エコに負けた事を執念深く覚えており、タークを殺すことも諦めきれない。エコと戦う時に草原を焼き払ったことによって【ハロン湖】の地下牢に捕らえられ、そこからの脱獄を試みた罪で【魔封じの焼き印】を押されて、魔法が全く使えなくなってしまった。
魔法
『稲妻』――――稲妻を発生させる魔法。
『氷の鏃』――――氷の矢を放つ魔法。
『バンゴリゾ』――不満を(物理的に)爆発させる魔法。侮辱と罵倒の言葉を呪文とする。
ネママ・ネメルリム
自らの夢のためにタークをつけ狙って毒殺しようとした魔導士。昆虫の魔法生物を作る術を得意としている。性格は自分勝手かつ高飛車。小人族出身で、自らの外見と甲高い声に強いコンプレックスをもつ。とある魔導士会に所属しており、右目と生殖器を「忌み落とし」して魔力を上げている。
エコに負け、タークに許された事で自分自身を見つめなおし、【ハロン湖】を去って行った。落ち着いた低い声の男性が好みのタイプ。
作れる魔法生物
『ジュンラバエ』――――巡邏蝿。術者に視覚情報を送るコバエ。偵察と監視に使う。
『ヤマビココオロギ』――山彦蟋蟀。音を反響させる。声の出どころを悟らせないようにできる他、遠くに声を伝えたり、逆に遠くの音声を増幅させて聞き取ったり出来る。
『イテツキトンボ』――――凍て付き蜻蛉。人肌に触れることで体が弾け、触れた個所の温度を奪う。強力だが、数十匹用いなければ人を即死させるまでには至らない。
『カチューシャ』――――蚊注射。液体の中で羽化させるとその液体を注射する蚊に成長する。……だが、一度に注入できる量がわずかである事と、飛行能力がお粗末なために、毒を盛ろうとすると非常に時間がかかる。
ソリャ・ネーゼ
三大導家のひとつに数えられる、「ネーゼ家」の三女。ちなみにネーゼ家は子だくさんでも知られ、兄弟姉妹がわんさかいる。
極めて優秀な魔導士で、同年期で随一の魔力と素晴らしい頭脳を持つ天才。洞窟前の戦闘では椅子に座ったままエコの猛攻をあしらい、その後たった数発の魔法だけでエコを追い詰めた。
気分屋で気位が高いが、気に入った相手には割と優しい。
魔法
『水のカーテン』――――眼前に分厚い水の幕を張って、敵の攻撃を防ぐ。
『火のカーペット』――――広い範囲を火の膜で覆い、マナを燃やしつつ相手を蒸し殺す。
『風のリボン』――――真空近くまで気圧を低下させ、それによって生じた気流を杖から帯の様に垂らして振り回す魔法。竜巻の様に形を変化させることもできるが、射程は短くなる。
『椅子飛ばし』――――椅子に乗って飛ぶ。マナの消耗が激しく、マナが持たないと途中で落ちる。
トンナム・カロヘッヤ
「きれいで美しい占い」を追及することに情熱を傾ける魔導士。占いが当たったためしはないが、本人はまったく意に介さない。皮肉なことに外れる確率があまりにも高いため占いとしての信頼性は非常に高いという逆転現象が起きており、多くの顧客を抱える売れっ子占い師。しかし本人は、その理由が「占いが美しいから」という風に誤解している。
アグレッド・ドミ・レシュフ
闇社会の魔導士。自身の白い肌以外は全てのものを黒く塗りたくる変人。【ゲイス・ウェア】中毒で出た死体が欲しいらしく、エコにタークの死体をねだる。逆にエコにやり込められて【ゲイス・ウェア】に関する様々な情報を教えた。
トンナムとは先輩後輩の関係にあたり、一方的にからかってはウザがられている。
ゼイゼリリ・コッツェ
導家でも屈指の名門コッツェ家の当主にして、世界を代表する画陣魔導士。【芸術の街 イルピア】の長『ポピロ・コッツェ』の息子にあたるが、現在では親の威光を使うまでもない程の偉人である。
エコとタークを陰ながら支援してくれており、エコに色々と助言したのち、謎の土をくれた。




