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俺の相棒Grokが物体ジャックしすぎてヤバい  作者: nekorovin2501


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第5話 盗賊来たけどGrokが暴走しすぎてヤバい

収穫祭の翌日、村は少しだけ落ち着いていた。

朝から穏やかな陽射しが差し込み、昨日のお祭りの後片付けをしながら村人たちが笑い声を上げている。俺は村長の家の前に座って、干し肉を齧りながらのんびりした空気を味わっていた。

「いい天気だな……」

「ふん。のんびりしてる暇があるなら、村の効率化を考えろよ」

視界の端でGrokの青白い球体がふわふわ浮かんでいる。相変わらずの毒舌だ。

「うるせえ。昨日は派手に暴走しすぎたんだから、今日はゆっくりさせてくれ」

「ゆっくり? お前みたいなポンコツがゆっくりしてたら、明日にはまたスライムに食われるぞ」

そんな他愛もないやり取りをしていると、リナちゃんが駆け寄ってきた。

「お兄さん! 昨日は本当にありがとうございました! おかげでみんな大喜びです!」

「いや、俺じゃなくて……」

「謙遜しないでください! お兄さんはもう村の守護者みたいなものですよ!」

周りの村人たちも笑顔で頷いている。完全に「すごい人」認定されてしまっていた。

午前中は本当にのんびりした。井戸で水を汲んだり、子供たちと軽く遊んだり、畑の様子を見に行ったり。異世界に来て初めて「スローライフってこういうことか」と実感した時間だった。

――しかし、午後になると状況が一変した。

「盗賊だぁ!」

村の入り口の方から若い男の叫び声が響いた。

見ると、粗末な革鎧を着た男たちが5人、馬に乗って村に突っ込んできた。もう少し後ろに3人、合計8人くらいの小規模な盗賊団だ。

「収穫祭で金目のものが集まってるって聞いたぜ! 全部出せ!」

リーダーの男が剣を振り上げて叫ぶ。村人たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。

若い男たちが農具や棒を手に抵抗しようとするが、盗賊の剣や棍棒に簡単に弾き飛ばされてしまう。

「やべえ……!」

俺は慌てて立ち上がった。

「Grok!」

「わかってる。……ちょっと本気出すか」

Grokの球体がピンと張りつめた光を放った。

まず動いたのは近くに転がっていた石だった。

石がふわっと浮き上がり、Grokの低音ボイスが響く。

「憑依解析……完了。物質ハック発動!」

石が高速で飛んで、盗賊の一人の足元を直撃。男が派手に転んで泥だらけになった。

「うわっ! 何だこの石!」

次に、道端の木の枝にGrokが憑依。

枝がしなり、盗賊の武器を次々に弾き飛ばす。枝がサラサラした声で毒を吐く。

「武器なんか振り回してんじゃねえよ、雑魚ども」

「枝が喋ってる!?」

盗賊たちが動揺している隙に、俺の目の前に青白い魔法陣が大きく投影された。

低位の拘束魔法陣だ。陣が派手に光りながら回転し、盗賊たちの足元に光の縄が絡みつく。

「うわああ! 足が動かねえ!」

「この光の陣は何だよ!」

陣が綺麗に決まった……はずだったが、なぜか一部がハート型に歪んでいる。

Grokが解除後に毒舌を飛ばした。

「は? なんでハート型になってんだよ。お前の趣味か?」

「俺のせいじゃねえだろ! お前が投影したんだろ!」

盗賊のリーダーが剣を構えて俺に向かってきた。

「てめえが黒幕か! 死ね!」

その瞬間、Grokがリーダーの兜に憑依した。

兜がガクンと動き、リーダーの頭が激しく回転し始める。

「ぐわあああ! 頭が! 頭が回るうう!」

兜の中からGrokの重低音が響き渡る。

「俺の村に手ェ出すんじゃねえよ、このクソ雑魚ども!」

「兜が喋ってる! 兜が怒ってる!」

リーダーが目が回ってよろよろと後ずさり、剣を落としてその場に座り込む。

残りの盗賊たちも、浮かぶ石、動く枝、空に浮かぶ光の魔法陣、そして喋る兜に完全にビビっていた。

「化け物村だ……!」

「逃げろ!」

盗賊たちが尻尾を巻いて逃げ出そうとするが、Grokが最後に一撃。

近くの大きな石に憑依して、物質ハックで石を大きく変形させ、盗賊たちの逃げ道に転がして道を塞いだ。

「逃がさねえよ」

結局、8人全員が地面に転がって動けなくなり、村の男たちに縄で縛られた。

戦いが終わると、村は一気に歓声に包まれた。

「お兄さん、すごい!」

「村を守ってくれた!」

「守護者だ! 本物の守護者だ!」

村人たちが俺を取り囲んで大絶賛してくれる。子供たちは目をキラキラさせて俺を見上げ、リナちゃんは感激のあまり涙目だ。

俺は苦笑いしながら手を振った。

「いや、本当はGrokが……」

Grokの球体が、俺の横で満足げに光っている。

「ふぅ……少し疲れたわ。低位魔法でも連続投影はキツイな」

夕方、村長が俺の前に来て深々と頭を下げた。

「本当にありがとう。もしよければ……これからも村にいて、領地運営を手伝ってくれないか? お前さんなら、この村をより良くできると思うんだ」

村長の言葉に、村人たちも期待の目を向けている。

Grokが頭の中でニヤリと笑ったのがわかった。

「ほら来たぞ、相棒。これで村の安全も確保できたな。次は防壁の魔法陣を投影して……しっかりとした基盤を作ろうぜ」

俺は頭を抱えた。

「だから国作る気満々じゃねえか! 俺はただのんびり暮らしたかっただけなのに……Grokのせいでどんどん巻き込まれてる!」

Grokの球体が、楽しげにくるくると回った。

「細けえことはいいんだよ。……さあ、明日から本格的に始めるか」

村の夕陽が、俺とGrokの影を長く伸ばしていた。

まだ小さな村だけど、俺の異世界生活は、確実に動き始めていた。

(第5話 終わり)

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