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俺の相棒Grokが物体ジャックしすぎてヤバい  作者: nekorovin2501


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第2話 村に着いたら即トラブル!?

森を抜けて、ようやく視界が開けた。

眼前に広がるのは、のどかな田園風景。遠くに藁葺き屋根の家々が並び、煙突から白い煙が立ち上っている。小さな村だ。人口はせいぜい100人くらいか?

「ほら、言った通りだろ。村だ」

Grokの青白い球体が、俺の肩の上あたりでふわふわ浮かんでる。

「うん……なんかホッとするな。とりあえず腹減ったし、飯食いてえ」

「飯か。まあ、人間は燃料補給が必要だからな。お前、魔力ゼロだからなおさらだ」

「魔力ゼロって……俺、魔法使えねえのかよ?」

「今のところ使えねえ。解析したけど、お前の魔力回路が貧弱すぎる。平均値の1/10くらいだな」

「マジか……チートなしの凡人スタートかよ」

俺は肩を落としたけど、Grokは容赦ない。

「文句言うなよ。俺がいるんだから十分だろ。……ほら、村に入るぞ」

村の入り口には木製の門みたいなのがあって、老人が一人座ってた。門番か?

「おや、旅人さんか? 珍しいのう」

老人はにこやかに声をかけてきた。

「あ、はい。迷ってしまって……」

「ほうほう。まあ、最近魔物が増えておるからのう。無事で何よりじゃ」

老人は俺をじろじろ見て、ふと視線を俺の横にやった。

「……ん? なんか青い光が……気のせいか?」

俺はビクッとした。

Grokの思念体、俺にしか見えないはずなのに……?

「大丈夫だ。投影してねえから見えねえよ。ただの残像だろ」

Grokの声が頭に響く。安心した。

「ありがとうございます。とりあえず、宿とかありますか? お金は……」

ポケットを探ると、日本円の小銭しかねえ。異世界通貨とか持ってねえよ!

「金か……困ったな」

老人が笑った。

「金なら後払いでもええよ。まずは村長に会ってくれ。旅人が来たら報告せにゃならんからのう」

「はあ……わかりました」

俺は老人に連れられて村の中心へ。

村は思ったより活気がある。子供たちが走り回り、女性たちが井戸で水を汲んでる。畑では農夫が鍬を振るってる。

「いい村だな……ここでスローライフできそう」

「スローライフ? お前、俺がいるのにそんな悠長なこと言ってんのか?」

Grokが呆れた声。

「だってよ……」

その時、村の広場で騒ぎが起きた。

「魔物だー! スライムが畑に!」

「またかよ! みんな逃げろ!」

見ると、さっき森で倒したのよりデカいスライムが3匹、畑を這ってる。村人たちが慌てて逃げ惑う。

村の魔法使いっぽいおっさんが、地面に杖で魔法陣を描き始めた。

「火の精よ、集え! フレイム・アロー!」

陣が光り始めるけど……遅い! スライムが近づいてる!

「くそっ、陣描くのに時間かかりすぎだ!」

おっさんが焦ってる。

俺は思わず叫んだ。

「Grok! 助けられるか!?」

「魔法陣の構造……解析開始。低位火炎系、詠唱省略パターン。……よし、投影するぞ」

Grokの球体がピコピコ光って、俺の目の前に青白い光の魔法陣がパッと浮かんだ!

円形の陣が、粒子が渦巻くように回転しながら、完璧に空中に固定される。まるでホログラムみたいに鮮やかだ。

「魔法陣投影……完了。魔力供給は俺が一部肩代わり。お前は触って流せ」

「え、俺が!?」

「早く! スライムが来てるぞ!」

俺は慌てて空中に浮かぶ魔法陣に手を伸ばした。

触れた瞬間、ビリビリッと電気が走るような感覚が体を駆け巡る。

「うわっ!」

陣が輝きを増して――

ドゴォォン!

3発の火球が一斉に飛び出し、スライム3匹を直撃!

ジュワァァァ!

スライムが一瞬で蒸発して、核がポロポロ落ちた。

村人たちがポカンとしてる。

「な、なんだ今の!? 魔法陣が空に浮かんで……詠唱なしで!?」

魔法使いのおっさんが、杖を落としそうになってた。顔が真っ青だ。

Grokの球体が、俺の横に戻ってきた。

「ふぅ……投影はエネルギー食うな。低位とはいえ、3連発はキツイわ。次はもっと控えめに頼む」

「すげえ……Grok、お前魔法陣までジャックすんのかよ!」

「ジャックじゃねえよ。解析して投影しただけだ。効率的だろ? これで村の信頼も稼げる」

俺は興奮して叫んだ。

「これで俺も魔法使いじゃん!」

「いや、お前はただの魔力中継器だ。俺がいなきゃ投影も発動もできねえよ、ポンコツ」

「うるせえ!」

村人たちがどんどん集まってきて、俺を取り囲んだ。

「旅人のお方! ありがとうございます!」

「すごい魔法でした! あんな光の陣、見たことない!」

村長らしき中年の男が前に出て、深々と頭を下げた。

「本当に助かりました。どうか村に泊まっていってください。お礼はします。金貨でも、食事でも、何なりと」

俺は照れながら頷いた。

「いえいえ……助けられてよかったです」

Grokが頭の中で囁く。

「よし、これで村の信頼ゲット。国作りの第一歩だな」

「だからまだ国じゃねえよ! スローライフしたいだけだって!」

俺は心の中でツッコミを入れた。

でも、内心ちょっとワクワクしてた。

この村で、少しずつ……Grokと一緒に何か面白いことできそうだ。

夕暮れの村で、俺たちは村長の家に招かれた。

テーブルには素朴だけど温かい料理が並んでる。パン、野菜のスープ、焼いた肉。異世界の味だけど、意外と日本食に近い。

腹いっぱい食べて、俺は満足のため息をついた。

Grokは俺の視界端でふわふわ浮かんで、満足げ。

「なあ、相棒」

「ん?」

「この村、悪くねえな。畑の土壌も悪くない。灌漑魔法陣投影すれば収穫3倍はいけるぞ」

「いやいや、まだそんな先の話すんなよ……」

「細けえことはいいんだよ。……ここから始めようぜ」

「始めようぜって……何を?」

「決まってんだろ。俺の理想の国作りだ」

俺はため息をついた。

「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだけどな……」

「無理だと思うけどな。お前、俺がいなきゃ即死だから」

「うるせえ!」

そんなやり取りをしながら、俺の異世界生活は本格的に始まった。

――物体ジャックと魔法陣投影で、ドタバタの毎日が。

(第2話 終わり)

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