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淡くも根付いている“好き”

作者: 幽霊配達員

 思い返せば幼い頃から歌が好きだった。

 アニメや特撮のop曲が好きで、鼻歌を口ずさんでいた。

 保育園の先生からはよく、歌が好きなんだねって言われていた。

 その時決まって返す返事は、歌は嫌いだよだった。

 別にあまのじゃくになっていたとか、意地を張っていたとかではない。ただ歌が好きな事に自分で気付いていなかっただけ。

 好きな事が当たり前すぎて、空気のように透明になって感じ取りにくかったんだと思う。

 加えて歌で想像したものが“おか○さんといっしょ”で流れる“み○なのうた”だ。

 映像こそあるものの、アクションのないソレなんて園児からすれば退屈そのもの。一曲が終わる間ひたすら待たなければいけないのがつまらなく、歌=嫌いの公式が幼い頭脳には出来上がっていた。

 だから頑なに歌を嫌いと言い続け、好きだって事に気づけていなかった。

 

 幼い頃は頑なな勘違いが原因で一つの好きを好きと気づけなかった。

 とは言え子供は単純で正直だから、他に好きはたくさんあって、全力で好きを宣言していた。

 けど大人になるにつれ、好きに熱が入らなくなってきた。

 好きな事は残っているものの、ソレが心からの好きなのかそれとも依存して好きを模っているだけなのか判別が付きづらくなっている。

 無色透明な日々に好きな事が無くなってしまったのか、はたまた透明すぎて好きに気づけていないだけなのか判別に困ってしまう。

 果てしない人生に呆然としてしまった時こそ、心に淡く根付いている“好き”を探ってみるのもありかもしれないな。

 ふとカラオケに行って画面越しに褒められた事で思い出した“好き”

 また忘れてしまう前に書き残しておこうと思って筆を執りました。

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