石を蹴る
笑みを浮かべた表面と
泣きたくなるような内面と
二律背反
生きることは嘘だらけで
ふと 今を放り投げたくなる
責任感を漬物石みたいに
背負って 背負わされて
当たり前のように平然と
無理矢理にでも平然と
正につまらない大人のように
息を潜めるのはやめた
周りを気にするのはやめた
路傍の石を蹴り飛ばして
つまらない自分を蹴り飛ばして
しゃらくせえと席を蹴る
笑みを浮かべたままの外面と
泣き出しそうな内面と
二律背反
矛盾は矛盾のままに
不甲斐なさを蹴り飛ばす
背筋を伸ばして
歩幅を広げて
顔を上げて闊歩する 今
雨に降り込められても
道端に色とりどりの傘の花
強がりだっていいじゃない
生きるために嘘をつく
生かすための嘘をつく
自分自身を生きるために
蹴り飛ばせ 今
弱気も諦めも
自分で背負い込んだ重石を
力一杯蹴り飛ばせ