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第16話 私兵団

モンハンワイルズの世界に旅立ってます…今HR70くらい!

烈歴 98年 7月14日 15時23分 軍都サザンガルド (市街区)冒険者組合サザンガルド本部 


爺ちゃんから『武威を示す』か『儂を倒せ』という課題をもらった僕は、ビーチェと共に冒険者組合に来ていた。


来週の結婚式まで予定が詰まっているのは晩なので、日中は稽古だったり、自主的にサザンガルドの有力者達への挨拶回りをしていた。


今日はビーチェの勧めもあって、冒険者組合のサザンガルド本部に来ている。


冒険者組合の施設は市街区の大通りと大通りが交差する広場に面している5階建ての木造の大きな施設だ。


サザンガルドの地理に詳しくない僕でも、この冒険者組合がとても良い立地にあることがわかり、サザンガルドの人々にとって冒険者組合がどれだけ重宝されているかがとても良く伝わってきた。


ビーチェと共に冒険者組合本部に入ると、そこにはいくつものカウンターと依頼書が張り出されている大きな掲示板が貼ってある大きなロビーのような空間が広がっていた。


正面のカウンターは依頼受注カウンターだろうか。


冒険者組合の受付嬢のような方が5.6人ほどカウンターで、冒険者に書類を手に説明をしていた。


入って左手のカウンターは酒場のようになっており、昼間から楽しそうに宴会に興じている集団がいくつもあった。


右手には大きな掲示板に依頼書がびっしりと貼り付けられており、数十人の冒険者と思われる人々が掲示板の依頼書を見つめていた。


「ひゃー!すごいね!冒険者組合ってハトウの施設しか見たことなかったから、ここまで規模が大きい冒険者組合は見たことないや」


「壮観じゃろ?皇国には5つの冒険者組合本部があるが、サザンガルドが一番大きいからのう。我が街の自慢の一つじゃよ」


「確かに。サザンガルド周辺には魔獣だったり、鉱石や植物が豊富にあるからね。冒険者にとっては稼ぎやすいのかな」


「それもあるが何より税制じゃよ」


「税制?」


「うむ。冒険者組合本部が冒険者に支払う報酬に領主が税をかけるのが一般的での。冒険者組合本部が各領主に冒険者に代わって納付する通称『依頼税』が皇国にはあるのじゃ」


「へぇ!?そんなのあるんだ…」


「うむ。過度な魔獣狩りや資源採取を抑制するためのものとお題目は唱えておるが、その実華族の懐を肥やすことがほとんどじゃて」


「……こんなところにも腐敗があるのか」


「税と腐敗は付きものじゃよ」


「なるほどねぇ…つまりこのサザンガルドではその『依頼税』とやらが格安なのかな?」


「いや格安ではないぞ」


「え?だってさっき税制のおかげって言ってたよね?」


「かっかっか!格安ではない!無いのじゃ」


「 え!?」


「このサザンガルド冒険者組合本部での依頼は、サザンガルド家からは依頼税は課しておらぬ。これがサザンガルドに一流の冒険者達が集う最大の理由よ!」


それはそうだろう。


税がかからないなんてこれほど冒険者にとって魅力的なことはない。


「凄いね…さすが軍都サザンガルドだ。課税するよりも強者集めに注力したんだ」


「こういうことには聡いのう…その通りじゃよ。目的はこのサザンガルドに強者を集めること。そして強靭な領邦軍や冒険者を集め、この軍都をより強靭な前線都市へと発展させることじゃな」


「うんうん。流石ビーチェの生まれ故郷だね。それで今日ここにきた理由は?」


「うむ。そろそろドラゴスピア家の『私兵団』組もうと思っての」


「『私兵団』?リナさんが団長のやつがあるよね?」


「あれは『護衛団』じゃ。主に屋敷や家人の護衛が目的のな。妾が言うは『私兵団』じゃ。海軍とは別にシリュウが率いる『私兵』達じゃよ」


「あまりイメージが湧かないな…」


「簡単に言うと海軍准将ではなく、シリュウ個人に付き従う者達じゃ。これから戦場に出る時やこの前の皇都事変のような騒ぎもあろう。軍とは別にシリュウに付き従う『私兵団』が必要だと思ったのじゃ」


「ふーん。まぁピンと来てないけど、ビーチェが言うなら必要なんだね」


「うむうむ。こういうことは妾に任せてくりゃれ」


「でもいきなり僕の私兵になりたいなんて物好きいる…?」


「シリュウの名は、この軍都にも轟いておる。今日のところは掲示板に『ドラゴスピア家の私兵募集!』と張り紙だけさせてもらおうかと思ったのじゃが…」


「思ったのじゃが…?」


ビーチェはとある柱の向こうを見つめているようだけど…


その柱からは見知った人がのっそりと出てきた。


黒髪で前髪が長くて目が見えない長身の男性…


「え〜っと…あなたは…確か」


僕が名を確認しようとする前にその人は前のめりに名乗った。


「テ、テオドーロ…マストロヤンニ…!…です…!ぜ、ぜひあなたの部下に…!」


どもりながらも物凄い勢いで僕の手を掴み、懇願するマストロヤンニさん




え〜っと……なんで?


サザンガルドを代表するSランク冒険者の方が…?



どうしてこうなった…

ビーチェ「早速釣れたのう…」


シリュウ「ビーチェこの展開読んでた?」

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