【閑話】7/11付 皇都通信 【後編】特集!新王家十一人衆 シリュウ・ドラゴスピア海軍准将の軌跡
昨日掲載の前編に引き続き、シリュウ・ドラゴスピア准将が王家十一人衆に就任するまでの活躍を振り返る。
今回の後編では、皇国海軍准将に就任したシリュウ・ドラゴスピア准将の活躍をご紹介する。
【初任務は使節団の護衛、王国でアルジェント王の危機を救う】
シリュウ・ドラゴスピア准将の初任務は、国際会議に向けての、アルジェント王国とシュバルツ帝国と外交的調整を行う使節団の護衛任務だった。
護衛任務にはシリュウ・ドラゴスピア准将の他にもパオ・マルディーニ海軍少将、アウレリオ・ブラン・ベラルディ皇軍准将(当時)と錚々たる烈国士が参陣していた。
使節団が最初に向かった王国では、詳細の公表はなされていないが、シリュウ・ドラゴスピア准将とアウレリオ・ブラン・ベラルディ准将、さらにシリュウ准将の妻であるベアトリーチェ・ドラゴスピア海軍少尉がアルジェント王の危機を救ったと王国が発表しており、アルジェント王のシャルル王自ら『シリュウ准将とアウレリオ准将、ベアトリーチェ少尉に最大限の敬意の感謝を表する。彼らは私の大切な友人だ』との声明を出している。
そして王国とは前線にて多くの紛争が日々勃発していたが、この声明以後紛争が収まってきており、王国との国境において、以前より平和が取り戻されている。
初任務にて、他国の王の信頼を勝ち取り、国境沿いに平和をもたらしたシリュウ・ドラゴスピア准将の活躍には驚きを禁じ得ない。
今回の王国の活躍は、シリュウ・ドラゴスピア准将が武勇だけでなく、人を魅了する人格者であることが窺い知れる。
【波乱の帝国では、1人で数千の帝国兵を足止め!十傑にも勝利!】
王国での訪問を終えた使節団は、その足でシュバルツ帝国へと向かった。
そしてあの事件に巻き込まれるのである。
そう、シュバルツ帝国第二皇子ヴィルヘルム・シュバルツ・ブライトナーによる帝都シュバルツスタット襲撃事件だ。
ヴィルヘルムが総勢20万の兵で帝都を襲撃する情報を掴んだ使節団一行は、ノースガルドへと陸路にて避難することを決断し、魔獣ひしめくラインハルトの森を抜け、ラインハルト領を通る経路にて帰国を開始した。
ラインハルトの森ではSランク魔獣『王猿』率いる数百もの魔獣の群れに襲われるが、王猿はシリュウ・ドラゴスピア准将が瞬殺し、死傷者はゼロで切り抜けた。
しかし使節団は、ラインハルト大橋に到着した頃に、帝国屈指の武術師ロロ・ホウセン率いるヴィルヘルム軍の追手に追いつかれる。
絶体絶命の窮地の中、シリュウ・ドラゴスピア准将自ら殿をすること、さらにたった1人で橋を防衛することを宣言した。
その言葉通り、数千ものヴィルヘルム軍相手に、ロロ・ホウセンに対して一騎討ちを申し込むことで足止めすることに成功した。
そして帝国のレオンハルト・ラインハルト氏率いるラインラント軍の援軍、そしてサンディ・ネスターロ陸軍中将、マリオ・バロテイ陸軍少将、レア・ピンロ皇軍少将率いる皇国軍の援軍がシリュウ・ドラゴスピア准将の元に駆けつけ、ヴィルヘルム軍を撃退、帝国からの撤退を成功させた。
我が国の使節団が他国のど真ん中にて、大軍の襲撃を受けるも、誰1人欠けることなく帰国できたのはシリュウ・ドラゴスピア准将の奮闘なくしては成し得なかっただろう。
この奮闘によりシリュウ・ドラゴスピア准将は皇国のみならず、帝国でも高い評価を受けており、皇国人として史上初めて帝国の選ばれし武術師のみに送られる栄誉ある称号『帝士十傑』に選定された。
帝国の皇帝に数十年君臨し、大陸の重鎮であるカール・シュバルツ・ラインハルト皇帝陛下からも『まさに一騎当千の武者であり、帝国のみならず大陸中の武術師が目指すべき猛者である』と最大限の賛辞を贈った。
【初任務にて大手柄を2つ 円卓会議にて王家十一人衆にて全員一致で推薦】
王国と帝国で持ち前の武勇を遺憾なく発揮したシリュウ・ドラゴスピア准将は、使節団が帰国後に開催された臨時の円卓会議にてアウレリオ・ブラン・ベラルディ准将と入れ替わる形で、全員一致で王家十一人衆に推薦されることが決まり、後日皇王様承認され、16歳にして王家十一人衆に名を連ねた。
これは過去の記録を見ると、第二次烈国大戦時に活躍し、14歳にて王家十一人衆に名を連ねた『ハヤブサ・ウエスギ』元陸軍大将に次ぐ記録となる。
かの名高き『神速将軍』以来の記録となれば、彼のお方に並ぶ活躍を期待せずにはいられない。
シリュウ・ドラゴスピア准将は来週に、妻であるベアトリーチェ少尉との結婚式を控えており、近日中にサザンガルドへ出発するものと思われる。
また来月のサザンガルド大武闘演舞の達人部門に出場を公言しており、シリュウ・ドラゴスピア准将と手合わせを願う猛者がサザンガルドに集まりつつある。
今後の若き将星『銀龍』シリュウ・ドラゴスピア准将の活躍から目が離せない。
シリュウ「………褒めちぎりすぎじゃない?……」
ビーチェ「そんなことありんせん。むしろまだ色々隠れておるじゃろうに」
シリュウ「うーん、さすがにサザンガルドでは大人しくしておこう…」




