【閑話】リータ・ブラン・リアビティの独白〜世界を壊す者
初めてできた友達は、メイドの子だった。
皇宮に勤めるメイドが自分の子を連れてきては、自分の仕事を手伝わせていたらしい。
私にとっては、その子はとても珍しい同年代の子だったから、その子の暇を見つけては話しかけて仲良くなった。
その子とは一緒におままごとしたり、皇宮を探検したり、絵本を読んだりしてとても楽しい日々だった。
しかしそんな日は唐突に終わりを迎える。
その様子を見た他のメイドがお母様に告げ口をしたのだ。
『ただのメイドの子供が皇女様と仲良くしている。これは皇女様の教育上よろしくない』と
そしてその子は私の友達ではなく、従者になった。
その子が私に接する態度は友人のそれから臣下のものに変わっていた。
私は最初の友達を失ったのだ。
初めて恋をした人は他国の人だった。
ヘスティア神国の国際学園に留学した時に出逢った同学年の男の子だ。
彼はいつも太陽のように明るくて、いつも周りに人がたくさんいた。
初対面の人にも気さくに話しかけ、話せば皆んな男女問わず彼のことが好きになる。
聞いたところ他国の地位の高い人物の子とは聞いたが、彼の人柄からは、そんなものは感じられず、老若男女、身分も関係なく人を惹きつけていた。
私が彼に恋をするにはそう時間がかからなかった。
彼と仲良くするのは簡単だ。
話しかければ、彼はとても親密に話しかけてくれる。
ただ彼の特別になるのはとても難しかった。
彼の周りにはいつも人が溢れているし、彼を想う見目麗しい女性はたくさんいた。
それでも私は諦められなかったから皇国から私の留学についてきてくれた親友に彼との仲を取り持つようお願いした。
その親友は軍の英雄の娘で、あまり表舞台には出なかったから皇宮に引きこもっている私とはすごく気が合った。
何より彼女は聡く強かった。
私と仲良くしていることを彼女がメイドに咎められた時は面と向かって「ぶっ殺すわよ?ババア。あたしに指図すんな、クソボケ」と言い放ち、挙句には持ち前の魔術で威嚇し追い払ってしまった。
私はその光景がひどく可笑しくていつまでも笑っていた思い出がある。
そんな親友はヘスティア神国へ留学する私を心配して彼女も私も同じ学園へ留学していた。
どうやら私の親友は恋愛偏差値が私とそう変わらないらしく、彼女の助言は「とりあえず好きって言いなさい。話はそれからよ!」しかなかった。
それだけでは私は彼からすればその他大勢の一人に過ぎない。
私がうじうじと迷っている最中、彼女は大きな幸運をもたらしてくれた!
なんと彼の弟が私の親友に惚れたらしく、彼の弟は親友に猛烈にアプローチをかけていたのだ!
ただ私の親友は「ただで贈り物貰えるなんて親切な人ねー?」と想いには気づいてなかったようだが…
しかし私はこれ幸いと彼の弟と同盟を結んだ。
私はあの人と
彼の弟は私の親友と
すぐに利害が一致した私達は自然と学園生活を4人で過ごすようになった。
この時の学園生活は私にとって人生で1番輝いていた時期だった。
ほどなくして、私は彼と、彼の弟は私の親友と交際するようになった。
私はたまらなく嬉しかったが、そんな幸せは長くは続かないこともわかっていた。
私は皇女で、彼は帝国の貴人
決して結ばれることのない関係性だったから
でも私は彼との繋がりを絶ちたくなくて、彼との愛の証を欲した。
彼も了承してくれて、幸いにも証は2つできたから、彼と分かつことができた。
でもいつかはまた彼と同じ道を歩みたい。
この生まれで私から友も愛する人を奪ってしまう不条理な世界を壊すのだ。
その時は着実に近づいている。




