表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

 海底都市はもうボコボコだ。ボコボコのボコで、ボコボコ音頭だ!

 これはもうすごいぞ、すごい音を立てて、どんどんいろんなものが壊れていってしまってるよぉ。

 もうすごいよ、しゅごい! しゅごい! しゅごしゅごしゅご!


「うひょっほーい! しろすぎるよぉ! 白い、海中白い! いや、全然白くないぞ? なんで俺は白いと思ったんだろう。俺はアホなのかな? というより俺って海中だけどすげー喋れてるじゃん! すごくないおれ? これはもうすぎょいと言わざるを得ないだろう! くそ! くそ!」


 俺は悲しいような、嬉しいような気分になった。

 悲しい理由はわからない。嬉しい理由は、海の中でも息ができていることだ。


「やっほい! やっほおおおおいい! やっほいうれしいな、嬉しい音頭だやっほおおおおおおおおおいい!!」


 怖いよ、怖いくらい嬉しいよ、もう自分が自分自身でなくなってしまうのかと思うくらい、やばいんだよ、もうこわいんだよ、怖すぎて、ちゅぱちゅぱちゅっぱすしたい気分になってしもうたんだよ。もう俺を殺してくれ、殺すというのが一番いい選択肢なんだと思うんだ。


「ごわおおおおおお、ごわおおおおお!!」


 もう叫ぶしかない。本当に叫ぶしかないんだ。

 ごぼごぼと、死ぬ方がいいのかもしれない。いや、死にたくはない。俺はすごい死にたくないんだ。


「およぐぞおおおお! 泳ぐ要素をいっぱい見つけるぞー! 泳ぐことで、俺の生きる意味、そして死にたくない意味を探すんだー! しゃがしゅ、しゃがしゅ! しゃがしゅ! しゅがしゅがしゅんがゆんがしゅ!」


 もうこれはしゅだ。完全にしゅでしかないよ。もうしゅでしゅでしゅなんだよ。

 きもちいいいいいいわ! しゅうううううううううう!! しゅでいいよ。もう俺はしゅで全てをのりきるんだ。もう完璧なんだよ。


「いいな。かなりいいな。気持ちいな。ぬもももも。ねむい。もう眠すぎるよ。海の中で寝ようかな。もう瓦礫で眠ろうかな」


 俺は瓦礫に近づいていった。

 すごいバタ足で近づいていった。

 瓦礫を毛布のようにして、俺は眠ろうとした。はは、もう本当にいい気分だ。かなり気持ちいかもしれん。ガチでいい感じの毛布ですわ。毛布が完璧すぎるわ。この毛布ってすごくいいね。手頃な瓦礫で、本当はすごく重いのかもしれないけど、海だから重さが軽減されるんだ。本当に軽減されて、もうかなりいい感じの軽減だよ。もうこれはゆっくり寝れますよ。本当に気持ちよくなりますよ。


「ふはははははっはあはははははは! 眠い。眠いから笑おう。眠いんです。眠いんですよぉおおお! ぬおおおおおおお!!」


 俺は根性で寝ることにした。

 こうなればもう根性で寝るしかない。

 この海の中で、すごくいい感じにねよう。

 でも待てよ、寝てる間に、もしかすれば、かなり悪い感じになるかもしれない。ぐたいてきにどんなことが起こるかといえば、俺が溺死してしまうかもしれない。

 俺が溺れ死ぬ? そんなこと許されていいはずもない。いや、でも溺れ死ぬ可能性はかなりあるよな。いや、そこまではないか? でもおれが今海中で息ができているのも、俺からしたらマジでわからんのだよな。本当にわからんのだ。もうわかんないんで、寝る前に、わかんない音頭をかまして、そして寝ようかな。

 もう気持ちくらいに寝れるなそうしたら。

 でもそうしてしまった場合、普通に眠くなくなってしまうかもしれないんだよなぁ。そんなことがあってもいいのか? あっていいのか悪いのか、ガチでわかんないな。


「ふえへっへへへへへへへへへへえへへええええええ!! ぎょおおおおおおぎょぎょぎょおおおおお!!」


 俺はもう本当に魚になろうかなと思った。そういえば魚になればいいんじゃないか。魚になることで、俺は完全体になれるんじゃないか。

 そうだ、そうすれば鰓呼吸ができるし、溺れ死ぬということも絶対になくなる。

 ああ、なんて完璧な作戦なんだ。

 完璧すぎて、自分が恐ろしくなってきてしまうよ。もう自分が本当に心のそこから怖くなってきてしまうよ。


「よーし、そうなれば、早くお魚さんになろう。いくぞー! へんしいいいいいいいいいん!!」


 俺は変身した。

 なぜかそれが叶うという確信があった。

 なんで俺が確信できたのかというところはマジでわからない。

 わからないが、なんでか確信できたんだ。ひゃっほおおおおおおおおいい!!



 俺は光り輝いた。

 やっぱりだ、やっぱり俺は最強になれるんだよ。最強のお魚になって、水陸どちらでも生活できるような最強戦士になれるんだ。それは本当に素晴らしいことなんだよ。誰かわかってくれよ。じゃないと俺が変身した意味がなくなっちまうじゃないかぁ。誰か教えて、俺が変身する意味を教えて!



 そんなことを考えているうちにも、俺の変身は進んでいった。

 そして変身が終わり、光が晴れた時に、俺の体はどうなっていたかというと。



「うほ」


 俺はゴリラになっていました。

 うほ、うほほほほ、うっほほほほ!


「ううっっほほい! うっほほおい! うっほほおおい!」


 俺はうほほいダンスをかました。

 これは本当にすごいことだ。完璧なことだ。世界を救えるかもしれないと、この瞬間思えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ