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 匍匐前進をしていると時間が流れる。

 全然前に進まないからだ。

 なんで俺はこんなことをしているんだろう。

 もう二時間くらいは経ってるんじゃないか。

 もう頭がおかしくなりそうだよ、もう信じられないくらいバタ足したくなってきたよ。

 地面の上でバタ足するのか? 本当にバタ足するのか? やだよ、地面でバタ足なんて、全くバタ足したくないから、マジでいやだから、本当に死にたくなるから、うえん、ちょへん! ないちゃう!


「そんなことはいやだ。俺はもう匍匐前進をやめる。もう立ち上がってやるよ。匍匐前進はもうこれ以上嫌だ。全然楽しくないし、本当にいやなんだ。もういやでいやで仕方がないんだ」


 だから俺は立ち上がることにした。

 これで地獄から開放されるんだ。俺は地上に上がるぞ、地上に立ち上がる、そして全てを破壊するんだ。


「うおりゃああああああああああああああああああ! よっしゃ、立ち上がったぜ!」


 俺は立ち上がることができた。匍匐前進モードを解除してやった。これはマジで最強すぎますわ。俺っちマジで最強、もう本当に気持ちいい、違う自分に慣れた気分だ。俺はぶじ匍匐前進を卒業、これで本当に最強だわ。もう俺に敵なしだわ。


「と、思わせて匍匐前進!」


 俺は素早くしゃがみ込み、再び匍匐前進の体制に入った。

 ふははははは! 俺が匍匐前進を解除すると思ったか? そんなわけねぇだろ、俺は初志貫徹型なんだよ、絶対絶対に匍匐前進をやめないんだよ。

 もうこのまま匍匐前進でどこまでも突き進んでいく所存なんだ! 匍匐前進をしないで生きるなんてもうありえない。その意気になってきてしまってるんだよ。


「うおりゃあああああ!! 俺は完全に怒ったぞ、もうこの調子だと本当に腹が減りすぎて干からびてしまう。だから絶対に早くほふる。早くほふることで、効率よくいどうできるようになり、最強になれる。だから俺は素早くほふる方法を考え、実行する!」


 俺は練習することにした。

 修行するんだ、修行して、素早い匍匐前進が繰り出せるようにがんばるんだ。


「もうこれはかなりいい、匍匐前進かなり早くなってきてるよ。もうこの調子で街を練り進もう。あの大きな建物を練り歩くぞーよーし!」


 俺は目標としていた。大きくて最強の建物を目指すことにした。

 鍛えられた俺の匍匐前進で、いっきに距離を詰め、俺はその建物に到着することができた。


「なんだ貴様は!?」


「なにか用なのか?」


 近づいていくと、門番らしき男二人が道を塞いできた。

 なんだよ、そんな厳重に護衛してるのかよ。マジできしょいな、きしょすぎてなんのために生きてるのかわかんなくなるよ。もう本当に消えてしまいたくなってきてしまうよ。もう右腕ウワンしたい気分だよ。


「残念ながら、俺は匍匐前進をしているんだ。君たちには僕を邪魔することはできないよ。ホントだよん」


「なんだそれは、マジで何を言ってるのかわかんねぇぞ」


「ネイク、こいつは絶対にキチガイだ。ただのイカレ野郎だ。マジでこんなやつ死んでいい。殺してしまおう。追い払うのも面倒だろうからな」


「わかったぜ相棒、こいつを殺そう、殺して死体遺棄すればどうとでもなるだろ」


 そう言い、二人は這いつくばる俺の方に剣を持ち迫ってきた。

 うわわああああああ! 俺は殺されるのか? こんなところで殺されるのか? どうして、どうして俺はそんな殺されないといけないんだ。俺なにか悪いことしたか? そんなにその先の建物に入ることが悪いことなのか? 俺にはわからない、俺は絶対に悪くない、悪くないだろ。絶対絶対悪くないだろ、マジで悪いのはこいつらだ、コイツラが悪すぎて、俺がもっと悪くなる感じになってしまうよ。こんなのあんまりだ。俺は叫ぶぞ、恐竜のように叫ぶぞ、一億年前の地球になった気分で叫んでやるぞ。そういやこの世界の一億年前ってどんな感じなんだろう。もう知らない、本当にそんなことどうでもいいから、俺は叫んでやるんだ、


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 俺は叫んだ。こんなにも叫ぶんだっていうくらい叫んだ。


「うおおおお!?」


「なんだ、気持ち悪い!」


 はぁ、そんなに叫ぶ姿が嫌なのか? 全然いいじゃないか、素早いだろ? 素早く叫ぶのが結構気持ちいいだr? こんなにも気持ちいいとか、マジでいやだなぁ。本当に気持ち悪いからもっと叫んじゃうかな、気持ち悪いを気持ち悪いで相殺してやろうかな。それが俺が匍匐前進をする意味にもつながるかもしれないけどな。まぁそれは絶対にないだろうけどな。それは流石に考えすぎだとおもうから自分でも。


「きゅえええええええええ!!」


 俺は変わった方向性から叫んでみた。

 変な叫び方をしたと自分でも思う。

 でもこうでもしないと、やっぱり威嚇の意味を成さないと思うんだ。

 本当に気持ちいい、気持ちく叫ぶのは本当にうわああああああ、って気分になるから最高なんだよな、叫ぶのやめられない。そして匍匐前進もやめられない。

 門番は。ばん! 花火になっちゃった、瞬殺でお願いしますたいあり!

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