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「きゃ、きゃあああああああああああああ!!」


 お姉さんは首を折られた子供を見て、凄い悲鳴を上げていた。

 まぁそうだよな、普通は怖いよな。流石にこれを見て怖がらないやつはいないだろう。いたとしてもこの俺様くらいだろうな。


「おいどうだ。怖いだろう。俺が恐ろしくて恐ろしくてたまらないだろう。もし命ごいをするなら、ちょっと壊すくらいにとどめておいてやるぜ」


「いやああああああああ」


 女は泣き叫びながら、俺に背を向け逃げだしてしまう。

 はぁ、マジでがっかりだ。なんだよそれ、一番しらける反応じゃん。もう俺お前のことどうでもよくなっちゃうよ。もういいよ、おやすみ、ゆっくり眠ろう一緒にね。


「しねえええい!」


 女は花火になって死んでいった。


「はぁ、やれやれだぜ、ていうかいろんなやつが俺から逃げていっちゃってるな。本当にどうしようもないな、もうこの辺全然いなくなってるじゃん、マジで冷めるんだよなあ。ガチで殺したいんだよなぁ」


 俺は走り回ることに決めた。

 走り回って、確実に何人も殺していくのだ。


「新幹線、とおりまああああああああああああす!!」


 俺はとにかく人だかりを凄いスピードで一直線に突っ切った。

 俺に敷かれた人間どもが、ぐちゃりと嫌な音を立てながら壊れていく。

 まぁ身体能力のゴリ押しというやつだな。これはこれで爽快だな。たのしいぃいい。


「通りまーす、通りまーす、とおりぃぃ…………まあああああああああす!!」


 俺は通りをとにかく爆走しまくった。

 俺が走るたびに、たくさんの命が枯れていった。

 楽しくてやめられなくなってしまい、十分くらいこの遊びを繰り返した。


「ふぅ、いい汗かいたな。結構この街走り回ったけど、かなりの人間を殺せたんじゃないか? もう覚えてないけど、数百はくだらないだろうな、千人とかいってんじゃないか?」


 すごい数の人を轢き殺せて超ラッキーだ。

 この遊び、いっぺんやってみたかったんだよなぁ。夢が一つかなって超ラッキーぃいい!


「まぁあんまり一つのことをやっても飽きるから、他のことをやってみよう、そうだなぁ、なんか偉そうな人のところにいって、普通に殺してやるか。そろそろ花火を打ち上げたくなったしなぁ。それ!」


 俺は先走りでその辺にいた子供をひとり爆発させてしまう。

 はぁ、やっちゃった、もう俺ったらここで先走っちゃって慣れちゃったら本番を楽しめなくなるじゃんか。せっかく新幹線ごっこのおかげで花火の光景が薄らいできてたところだったのに。この世で一番怖いのは飽きだからなぁ。もうそれだけが怖くてしゃあない今日このごろっすわ。


「ともかくじゃーあああああああんぷ!」


 とにかく上空から探してやろう。

 上空からなにかを探すんだ。何を探す? そう、すごそうな人を探すんだ。

 すごそうな人を探して、その人にかんちょーをしてやるんだ。

 いや違う、そうだな、かんちょーをしたあと、耳掃除をしてあげるか。耳掃除をしてほっとさせたところで、鼻にかじりついてやろう。おもいっきいり鼻に歯をたててやろう。そうしたらどんな顔するかなぁ。本当にやばいって顔しそうだなぁ。俺をやばいやつ見るみたいな目で見てきそうだなぁ。マジでこうふんしてきちゃうよん、もうむりー。


「おお! あの建物が一番大きんじゃないか。城みたいな感じにもみえるぞー。これはもうきたな。あそこにいくしかない!」


 俺は城に向かってだいぶした。

 すごい速さで城にツッコんだ。


「と、思わせて、ダンスしてやる! ダンスをするんだ、なんのダンスかわからないけど、踊り狂ってやるんだ!」


 俺は城にたどりつく寸前でダンスをすることにした。だんすはいいぞー。これはマジで心を落ち着かせることになるからな。これはマジで気持ちよさそうだ。


「よし、いい感じになぞのダンスで心をぴゅんぴゅんできたな。よし、うれぴいい。これはうれぴいです! うれぴいですよ!」


 俺は気分が良くなったので、もう完全にはいはいモードになった。

 とりあえずハイハイだ。匍匐前進で、城っぽい建物まで向かってやろう。


「おりゃあああああああああああああああ!!」


 俺は声だけすごい本気でいい感じの声を出した。

 だがだめだなこれじゃ、いくら本気で声をあげたところで、マジで意味ないわ。匍匐前進をしている以上、そんなにスピードはでないんだ。これはなんでだ? なんで匍匐前進はだめなんだ? 俺は匍匐前進を前世ではほとんどしたことがない。それこそ赤ちゃんのころくらいしか、たぶんしたことがないんじゃなだろうか。これはもしかすると俺の匍匐前進歴が浅いのが原因なのかな。匍匐前進をもう少し頑張って熟練度をあげていけば、俺も完璧な匍匐前進を繰り出せるようになる時代がくるのかな。


「もういい! 匍匐前進あきた!」


 俺は完全に匍匐前進に飽きてしまった。

 そもそもこんなことしている場合ではない。俺はいっこくも早く、あの城のような建物にいき、人をたくさん殺さないといけないんだ。それができないんじゃ、だめじゃないか。こんなことしてる場合じゃない。

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