その女、ミカ
「は?」
俺はその子の突然の変貌ぶりに思わずそう声をあげてしまった。
「私としても、その言い分がありまして、本当に貴方がくるとは思わず、本当にすみませんでした!」
「えっ、待って、突然なに?」
「いやー。まさかご主人様本人がくるとはおもいませんでした!貴方が出してくださるならもんだいない!さあ、やってください!」
「いや、なにを!」
「ご主人様!もちろんここからの脱出ですよ!」
「え。わかりません。」
彼女が、目をぱちくりさせる。
「なにいってるんですかー!主人よ!貴方が人指立てればいい話じゃないですか。」
彼女が猫撫で声で、猫耳尻尾までつけていう。
「指?」
俺がとりあえず、あげてみる。
すると何かが、ガタガタと音を立てる。
そして上から何かの光が差し込む。
扉だ。
茶色い扉が開いている。
そこから眩い光が差し込んでいる。
「これで解決!」
彼女は微笑みながらいう。
「あそこは?」
俺がそういうと彼女は「魔神たちがいるところです。」
と笑いながらいう。
「てかいまのなに?」
俺が微笑んでいる彼女に、自分の指をみつめながらいう。
「貴方様の力です!……さて、主人よ!一緒に魔神を懲らしめましょう!私の名前はミカ!貴方の僕です。」
さっきから、いっている意味がわからず「僕?魔神?」と鸚鵡返しをする。
「とりあえず飛んでください!私の呪いをいまときますから。」
「飛ぶ?」
俺が飛び方などわからないという顔をしていると、上の扉から誰かがのぞいているのがわかる。
「おい、誰だよ!囚人の扉あけた奴!」
頭は、水色、耳元にひれのようなものがついている。悪魔。まさにそれに近い。
何かののようだが、目は赤い。
「レヴィか。めんどくさいな……ご主人様、今です。
雷を降らせてください。」
「どう言う意味?」という。
「だから!雷です、あなたの雷!」
うえの水色の髪の少年がにらみつけてくる。
「おい、ふざけんはよ!ミカ!誰を連れ込みやがった!」と叫ぶ。
「隣にいる奴は!誰だ!」
少年は視線をこちらにむけてくる。
「おい!なんだ!そいつ!お前が作ったものか!」
ミカと呼ばれた女性は、顔を一瞬暗くする。
「穢らわしい青年だ!壊してやる!」
そして青い炎を出す。
「とべ、私の子供たち!」
そしてそれはいきおいよく俺に放たれた。
炎が俺の頭上へ飛んでくる。
しかし、その瞬間ミカが、目の前に立ち、何かの銀色の剣を出し、それを振り払う。
「お前の方が汚れておるわ!レヴィヤタンの僕」
「はっ!ミカ!まだそんな力残ってたんだ!あんたにはまだ拷問が必要かね!」
「いや、もうその必要はない!」
「はあ?」
「レヴィ、わからないか?」と俺の目の前の女の子は、手のひらか、何かの光の矢を出す。
水色の少年が「なにが?」
「もっとよくみろ!この方をな!」
少年が俺をしばらくみて、息を呑む。
「お……」となにかいいかけた時だ。
ミカは容赦なく
「お前用ではないがくれてやるよ!レオナルド・ルシフェルにいっとけ!我が主人が帰るとな」といい、ミカと呼ばれた女性は矢を少年に向けて放った。