それは突然の事故死
夜の街を走っていると、様々な老若男女が、話しながら歩いている。
「でざーあいつがさー付き合いたいっていうわけよ」
男の1人がわきあいあいと五人ぐらいのグループを連れて歩いている。
「でもいってやったの。あいつのお下がりなんて無理って！誰もビッチなんかとつきあいたくないでしょ」
男は、金髪に上半身ピンクの柄Tにジーンズを履いている。
周りはギャルの女の子と同じく不良の少年たちだ。
「いや、一つ屋根の下でやっただけよ。なのにさ、すぐ結婚したいとかさ！バカじゃね！」
俺はひどい男だなとおもいながらその場を通り過ぎる。
しばらくすると、横断歩道があった。
たくさんの人々が信号待ちをしている。
俺は誰かが違反をしないかみることにする。
人びとが警官だーという眼差しをする
「今時警官とかダサ！」
不良たちがこれみよがしにいってくる。
うるせえなと内心思っていると、
赤いランプが点滅し、青くなる。
俺は不良たちの戯言を無視し、集中する。
人々が一斉に動き出す。
俺が見守っていると、赤いランプが点滅しばしめる。
俺は、全員が渡る様子をみていると、後ろから茶色い服をした婆さんがよろよろと横断歩道を渡っていくのがみえる。
足は遅く、ランプが青になるまでに間に合うわけがないと思った。
声をかけようとしたその時だ、
ブウウウン
真ん中あたりにいたオートバイが、エンジンをかけながら、周りの車を追い抜き、歩道へと走っていく。
明らかに危険運転といっていいだろう。
「そこのオートバイ！いますぐ止まりなさい！」
しかし、オートバイの主はガン無視だ！
「クソ！」
俺はすぐに自転車を走らせると、ばあさんのもとにいく。
直前で、ばあさんのちかくまでいくと、エスコートをしようとする。
「おばあさん。できるだけ早く渡ってください。ここは危険です！」
しかし、老婆を目をしょぼしょぼさせるだけだ。
オートバイが見え、直前までせまってくるのがわかる。
俺は、ばあさんをかかえてとにかく向こう側に渡る方法を考えた。
そして、首のうしろにてをやろうとした時にはすでに、オートバイの光がみえた。
「あぶない！」
俺はばあさんをとにかく強く推し、右側からくるオートバイから離した。
しかし、その瞬間、俺の体が軋むのを感じた。
はねられた。
空中を、舞う。
下には老婆がいる。
怯えた目をしていた。
オートバイはそのままつきすすむ。
体がアスファルトに落ちると、体中から血がでていくのがわかる。
ばあさんがただ、あせったように「だれか！」といっている。
俺は霞む意識の中、彼女に手をのばしたが、次の瞬間意識が途絶えた。
