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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
一章【孤高の魔術師編~ただのボッチ~】
9/59

ゴブリン伝説の歴史にその服あり

 お待たせしました。

 待っていた方はいないかも知れませんが…


 約一万年以上前。普人族の歴史が始まる前にゴブリンが世を支配してゴブリン帝国が君臨している時代があった。


 ゴブリンクイーン。伝説級の存在でそのゴブリンが産んだゴブリンは、ただ成長するだけでゴブリンジェネラルに匹敵する強さになった。

 ゴブリンは多産で成長も早いので、ジェネラルに匹敵するゴブリンが多く誕生するなら、ゴブリンキングやそれに匹敵するゴブリンの誕生が多くなるのは必然だ。

 それならば、ゴブリンが世を支配するのも当然の結果だった。


 それにゴブリンクイーンは産んだゴブリンの能力の一部が加わる。一体から加わる量は微々たるものだが、数が増えればそれだけゴブリンクイーンが強くなる。

 その特性はゴブリンクイーンの前のゴブリンプリンセスからあるが、ゴブリンクイーンになると産まれてくる子どもの質が違うので比べるまでもない。


 ゴブリンクイーンは世代に渡って誕生し、世を支配したのは五百年程続いたが、ゴブリンクイーンが誕生しなくなると共にゴブリン帝国は緩やかに、でも確実に衰退していき滅んだ。


 そんな伝説のゴブリンが誕生しようとしていた。

 ゴブリンクイーン専用装備で神話級のアイテム。それが傅神服(ふじんふく)だった。それを継承したゴブリンがゴブリンクイーンになった。



 ~???視点~


『やっとだ。やっと。長い期間(とき)費やしたが、我の時代が再び蘇る』


 ゴブリンやオークはメスがあまり産まれない。一万匹に一匹くらいの割合だ。

 ゴブリンやオークは多種のメスでも孕ませれば、ゴブリンやオークが産まれてくるので、普段は多種のメスで数を増やすので絶滅する事はない。


 メスが産まれてもゴブリンは基本馬鹿なので、成長する前に交尾等をしてそのメスが死んでしまう。

 生き残ったとしてもゴブリンから成長してゴブリンジェネラルや賢者ゴブリンになるのも極稀だ。

 その稀な上位種が進化してゴブリンプリンセスになるなど、奇跡に近い確率なのだ。

 その奇跡が起きたとしても傅神服が手元になければ、ゴブリンクイーンにならない。惜しいところまでいった事は二度あるがその度に邪魔された。

 奇跡を起こして更に奇跡を…と、奇跡を何度も起こさないといけない。一万年以上かかってしまうのも仕方ない。


 そんな傅神服に宿るものは、再び自分の時代が来るのを今か今かと待っていた。


 遅くても一年、早ければ一週間も掛かるまい…と思っていたが、なんだこの異常事態は!

 なんでこんな短期間にゴブリンがこんなに死ぬ…おかしい…また誰かに邪魔されているのか…

 以前は多くゴブリンを作り過ぎて、敵にバレて不味かったから少なくしたのは失敗だったかもしれない。


 たった三日間で200匹近いゴブリンが死んだ。

 50匹くらいなら想定内だが、四倍の数が死ぬのはさすがにおかしい。



 だが悪いことが起これば良いことも起こる。

 なにが起きているか調べる為に動き回っていたが、夜に人族の群れを見つけた。


 戦いは勝負になっていたのは最初だけで、結果的には全滅させた。


 こちらの数が少なかったから生き残りがいるかもしれないがそんなのは誤差だろう。際立っていたのは全て殺した。

 多くのの良質な肉と装備品を手に入れた。私が付いているのだ。馬鹿なゴブリン達が高度な戦術を使うなんて想定外だったろう…


 人族は弱い癖に魔力を溜め込んでいるから美味しい獲物だ。二日間でゴブリンが大量に死んで、こいつの能力が少し下がったが進化は早まりそうだ。


 それにこの杖は僥幸だ。

 進化前にこれほどの杖を手に入れるとは…

 まさに世界がゴブリンクイーンの誕生を望んでいるといっても過言ではない。


 昨日殺し過ぎて警戒したのか魔森に人が入ってこない。ゴブリン達もマシになった個体もいたので、もしかするとまたあそこにいるかもしれない。

 まぁダメ元だったが魔森の外に出てみるといた。

 そこまで良質なエサはなかったが、エサと別に食料も多く持っていたので、人がパン背負ってくる。略して人パンだった。


 更にその帰り八人の人族を見つけ殺したが、一番美味しい獲物を逃がしてしまった。もしかしたら、あいつでゴブリンクイーンになったかもしれない。それほど良質な獲物だった。


 だが仕方ない。あの指輪を持っていたからな…

 賢者型のゴブリンプリンスには少し相手が悪かった。ジェネラル型だったら殺れたのだが…そもそも数がもう少しいれば…

 後悔はなんの約にもたたない。


 まぁ相手は一人だ。とりあえずゴブリンのなかでもマシなゴブリン達に探させよう。食料もあるしプリンセス含め他のゴブリンは待機でいいだろ。奴の縄張りに入って殺されるのも面白くないし、数も増やしておいた方がいいからな。


 次の日、今か今かと待っていた。

 夕方になり帰ってきたが、見つける事は出来なかったようだ。


 まぁ別に良い。クイーンになったお祝いにあの獲物があればと思ったが、それは高望みだったか…

 あの八人は意外に良質だった。進化はすぐそこだ。朝にでもなれば進化しているだろう。やっと念願が達成する。


 ゴブリンクイーンになると、ゴブリンキングより体が大きくなるので私を脱がせた。

 サイズの調整は出来るが、装備している者が無意識だとサイズ調整が上手くいかない場合があるからだ。

 ジェネラル型のゴブリンプリンセスなら大丈夫だったのだろうが、賢者型ゴブリンからだと2倍くらい体が変わるので万が一の事を考えた。



 なんだこの煙は…不味い。眠り茸を燃やした煙か!

 敵襲だ。なんでこんな時に…我を装備をしていれば状態異常なんてならないのに…それにゴブリンの上位種がいれば…

 たらればを考えても意味はない。進化を止めて起こすしかない。

 なんとか起こしたが敵も来てしまった。


 くそっ!バカか?なんでそこで応戦する。恥ずかしがってるんじゃない!冷静になれっ!ゴブリン以外で誰もお前の裸なんて興味なんかあるはずないだろうっ!!


 魔法をあっさり避けられて死んでしまった。

 ここは我を着るところだっただろう。我にさえ触れればいいだけなのだから。


 あぁここまできてなんでこうなる…まぁ仕方ない…

 また最初からだが一万年のノウハウがあるし、どんどん目的に近づいている。次は百年、遅くても五百年以内に誕生させ、ゴブリン帝国を築いてみせる。


 とりあえずあいつが持っている服に憑くか…と思ったが私を触らずに出ていってしまった。

 長い期間を過ごしたが、私を認識して無視した奴は初めてだった。なんと見識がない奴だ…


 まぁいい。そのうち誰かがやってくるだろう。

 だがこの場所は奥地にあるからな…どのくらい掛かるか…


 思ったより早く変化が訪れた。火の手があがっていた。


 それでも大丈夫だ。我にも火が点いているが問題ない。私がいる限りこのローブが無くなる事はない。それよりもチャンスだ。この火風を使いゴブリンのところや目のつきやすい場所にでも行こう。


 なんでお前がそこにいる。まぁいい。さぁ私に触れ…

 ちょっと待てっ!それはっ!それだけはダメだつ!

 我が滅んでしまうじゃないかーっ!やめろっ!やめてくれーっ!



 それからこの世界でゴブリンクイーンが誕生する事はなく、ゴブリン帝国も興ることはなかった。


 そんな偉業を達成した英雄はというと…


「ゴブリン出て来なかったな…ここが燃えると焦って仲間のゴブリンがやってくると思ったのに…上手くいかない…」と少し落ち込んでいた。

 お読み頂きありがとうございます


 今回は魔物側にも伝説の装備品があってもいいのでは。や、人が世界の覇者になれるならゴブリンでもと思って書いた話でした。

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