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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
一章【孤高の魔術師編~ただのボッチ~】
8/59

ある男の一生

 今回の話は短いです

 俺はツイている。邪魔者と離れられたし、俺の幸運は続いている。



 一年前、街の門番をしていた時、一人のガキがやって来て、盗賊に襲われて返り討ちにした。と言い、身分証を確認してから街のなかへ入っていった。


 門番は二人一組でやるが、その時は門番の一人の家族が危篤ということで、一人でやっていたので丸儲けだ。 

 それにあと少しで交代の時間だ。盗賊を討伐したのも俺がやった事にしよう。

 普段なら面倒臭いが、今回は最低でも盗賊の武器を売れば小金にはなるかと思い、荷馬車を借りて後始末へ出かけた。

 

 そこからだ。俺の人生が変わったのは…


 なんとガキが討伐した盗賊が兇聖だった。


 それを俺が討伐したことにしたため俺は英雄になった。

 あのガキがなにか言ってきても、ただの新人冒険者と騎士の言うことのどちらを信じるかは決まっているだろう。

 その事をガキも分かっていたのか、なにも言ってはこなかった。

 いろいろと考えていたが無駄に終わった。


 子爵様の初めの反応は、俺が平民とあってかあまり良くなかったが、日がたつにつれ子爵様も認めてくれて、半年後にはバルザ子爵騎士団長になれた。


 子爵様と騎士団長の仲が悪かったので、英雄である俺が騎士団長となった。元騎士団長より話が分かると認めてもらえた。


 それにきちんと実力を示してなった。

 さすが兇聖。持っていた武器や装備品も良かった。剣も良いもので見た目より軽いのに、攻撃した際の相手のダメージは見た目以上の威力があったり、鎧の性能も申し分なかった。

 普通に勝つことが出来た。


 俺も良い装備品さえあれば負けることはないのだ。


 子爵様も元騎士団長の鎧や剣になにかしていた気がするが、子爵様がそんな事するはずがない。

 あれは俺の気のせいか夢でも見ていたのだろう。


 それに加え俺には奥の手があった。

 それは子爵様にも話していない武器でこの杖だ。この杖は恐らく国宝級以上の物だろう。

 魔法の威力も上がるのに消費魔力も節約できる代物だ。他にも効果がありそうだが、調べて藪をつつく結果になっても面白くないので、きちんと調べてはいない。


 俺に負けた元騎士団長は辞めると思ったが、先代に恩義があるし、先代の遺言があるとかで辞める事も辞めさせる事も出来なかったみたいだ。



 騎士団長の役職は天国だった。


 俺の気に入らない奴は元騎士団長以外解雇できるし、実力が少しくらい足りなくても、袖の下をもらって入れてやったり、訓練も部下に任せて俺は女遊びをくりかえした。


 息子のラキは正直邪魔だ。

 俺自身は英雄や騎士団長になれてモテはじめたが、以前はただのこぶ付きだったのでモテなかった。


 それなのに、なぜか息子の周りにはいい女が付いてきていたので気に入らなかったし、俺のことを尊敬しているみたいだが、男に尊敬されても嬉しくない。


 そんななか、ゴブリンキングが発生した可能性があるらしく、子爵家は大混乱になった。


 子爵様は賢い。

 これをいい機会だと考え、邪魔な弟と元騎士団長を残して王都に助けを求めるらしい。


 これは使えると俺も邪魔な息子にはなにも言わずに残して、俺が集めた大半の騎士達と共に、子爵と一緒に逃げだした。


 俺はツイている。邪魔者とも離れられたし、俺の幸運はまだ続いている。

 俺が騎士団長になっていなければ、この情報も後で知っただろうし、元騎士団長みたいに街を守るという騎士も少なかった。


 街を出てしばらくするとゴブリンの群れが現れた。

 しかも賢者ゴブリンまでいた。

 本当にゴブリンキング発生したかもな。

 早くこいつらを始末して逃げないと、ゴブリンキングなんか相手にしてられない。


 数は少なかったので安心していたが、思ったより犠牲は多かった。

 だが時間は稼げた。俺の中級魔法をくらえ。

 あの杖を使った魔法でゴブリンは半壊はするだろう。もしかするとこの魔法で終わりだ。


 俺の中級魔法はゴブリンの群れに当たるはずだったが、賢者ゴブリンのローブが伸びて広がり、ローブが中級魔法を吸収してゴブリン達を守りやがった。

 ゴブリン達に犠牲はなかった。


 それからも俺は頑張っていたが、騎士達のなかに逃げる奴が出始め、騎士団は機能しなくなり、子爵一家にも被害が出始めた。


 俺だけでも逃げようとしたが、ゴブリン達に囲まれている。

 それでも突破口を開けようとしたが、家族を殺されて動転している子爵が邪魔をしてきた。


 どうするか迷っている間に中級魔法が当たり、怯んでいる間に子爵が殺られたのを視認した後、正面を見るとゴブリンのニヤケ顔を最後に…


 俺はどこかで間違っていたのか…

 お読み頂きありがとうございます。


 主人公の功績を盗んだ騎士の話でした


 日は跨ぎますが、寝る前にもう一話投稿する予定です

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