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 悲しい気持ちで食べていたが、俺にはヴォルさんがいることを思い出した。


 ヴォルさんはきっと俺を友達と思ってくれているはずだ。

 鬼ごっこやかくれんぼをした仲だしな。


 友達が一人いるとわかっただけで、なんか気が楽になった。


『うーん…あやつは友達なのかのぉ…人ではないぞ』

『タヌはわかってないな。友達っていうのは種族を超えるんだぜ』

『そういうもんかのぉ…しかしその言い方は気持ち悪いのぉ』

『そうだな…俺もちょっと違和感があったわ…』


 それから特になにもなく、これからの予定を話しながら夕食を食べた。


 なんか俺のせいで我が家に帰ることが難しくなり、俺の成人のお祝いは、シュリさんの屋敷で行うことになった。


 まぁ、俺を祝ってくれる人はヴォルさんとザーザさん以外ここに揃っているので、特に問題はないだろう。

 ヴォルさんは元々出席予定じゃなかったし、ザーザさんは成人の祝いまでに呼ぶらしい。


 成人の祝いまでにやることは、俺は弟子候補を見るくらいしかないが、義母上は結構あるらしい。

 成人の祝いの準備とかではなく、義母上の仕事が少し押しているみたいだ。



 それから慌ただしいが特質することもなく、時が流れていった。


 ゲルマン侯爵に一人で交渉しに行き、最初は決裂して一触即発になったが、翌日に当のゲルマン侯爵急病でお亡くなりになり問題がなくなった。


 ゲルマン侯爵には跡継ぎがいなかったので、ベルジーナが宙ぶらりんになった。


 しかし、この顛末を大人達に報告したら、疑いの目を向けられたが俺は本当になにもやってない。


 夜にコソッと忍び込んでヤルこともできたかもしれないし、タヌやイレイスを使いヤルこともできたかもしれないが、今回は本当にやってない。


 接触らしい接触は最初に握手した時だけだし、翌日侯爵邸に行ったら、侯爵が死んだって侯爵の使用人に聞かされただけだ。


 どちらかというとシュリさんのせいだと思う。

 最後にベルジーナはシュリさんが保護してるって言ったら、めっちゃ青い顔になっていたし…

 もちろんシュリさん以外の大人達にはこのことを言ってない。


 シュリさんに後でコソッと報告したら、シュリさんが呆れた顔をした後に話し合い、結論そんなことは言わなかったことにしようとなったので問題ないはずだ。


 これでベルジーナの問題は解決に向かったが、タイミングが良すぎるっていうのも問題という問題は出たな…


 ベルジーナがまだ奴隷なので少し問題もあるが、シュリさんいわくルーターさんがどうにかしてくれるらしい。


 俺がベルマン侯爵の件をやっている最中に、ローズはシュリさんの手を借りて、陛下を説得したらしく無事に弟子になれたようだ。


 一緒に説得に行った師匠からあれは説得なのか?と疑問が出てきたが、シュリさんから説得だった。と言われて説得だったと前言撤回していたので、きっと説得だったのだろう…


 シュリさんと師匠がカラスの色が白というなら白なのだ。

 そこに俺が不利益を被るなら異論はあるが、そうじゃないならなおさらだ。


 弟子は結局とらなかった。

 しかし、なぜかその弟子候補がツバキの弟子になってしまって、俺達と一緒に行動することになった。


 まぁ人に教えるのはツバキが向いているだろうし、ツバキと同じ年みたいなので問題ないだろう。

 やはり年上の弟子というのはなんか嫌だった。


 ちなみに弟子の名前はサエコ・イチジョウというらしい。

 黒髪、黒目の綺麗な女性だが、時折意味がわからないことを小声で発している。


 例えば、「あの小さい子、必当距離で魔法避けるなんてチートじゃん」や、「リアルハーレムじゃん。私は入らないようにしなくちゃ」等、小説やテレビアニメでよく見聞きしたことを言っていた。


 小声だと思って油断したのかもしれないが、高性能の耳は聞こえていた。

 

 きっと転移者なのだろうが確認はしていない。

 転移者だからなんだという話だ。役に立てば問題ないし、役に立たなくても俺にはあまり関係ない。


 パーティーから外せば俺は無関係のはずだ。


 ちなみに俺はエルザ一筋だし、俺の好感度は仲間のなかで最低だから、ハーレム入りを心配する必要はない。


 誕生日に行われた成人の祝いのパーティーもつつがなく終わった。

 それには本来出席予定じゃなかったが、王都で行われたので、義兄上達やローズまで出席してくれ祝ってくれた。


 そこにケイン義兄上の婚約者まで来てくれた。

 義兄上の婚約者は学園でナンバー1か2の美人だったらしく、確かに美人な人だったがエルザの方が素敵だし美人だというと、温厚なケイン義兄上が珍しく張り合ってきた。


 ケイン義兄上と自慢合戦していると、それを聞いたエルザが飛んできて、俺は少しおかしいからと言われてしまった。

 俺はおかしくないと言ったのだが、誰からも賛同の声をもらえなかった…


 俺はどんなに素敵な女性だとしても、エルザに勝てる女性はいないと思う。

 それを言ったらエルザは顔を赤くした後に倒れるし、他の人達にニヤニヤして馬鹿にされたので、主役だったが部屋でふて寝した。


 その夜に夢を見た。

 なぜかそこにラキが主人公のゲームだった。

 あいつが主人公だったらこの世界救われないだろうと思った。


 しかしそのラキがめっちゃくちゃ強かったし、ソロプレイだったので、これならとも思ったが、実際のラキはそんなに強くないし、ソロでもないので所詮は夢だったのだろう。


 そんなこんなでパーティーが終わり、パーティーの翌日、約束通り母上のことを聞けたが、会いにいくためには俺はまだ実力不足らしいので、とりあえずダンジョン攻略をしながら実力を高めることにした。


 予想通り母上は普人族ではなかったが、父上は父上だったので少し…いやかなりホッとした。


 もちろん聞く前にお説教を受けた。

 しかし今回はちょっとした注意だけだった。

 義母上の機嫌がなぜか良かったからだろう…


 ビクターの町には俺、エルザ、ツバキ、ツバキの弟子の四人で行くつもりだったが、シュリさんから魔法も実践があった方が早く上手くなるので同行とダンジョン攻略をお願いされた。


 魔術師をちょうど欲しかった俺達は二つ返事で了承して、シュリさん、ザーザさん、ローズ、ベルジーナの四人の計八人で向かうことになった。


 シュリさんとザーザさんはダンジョン攻略には参加しない。シュリさんが参加すると、イージーになりすぎて鍛錬の意味が無くなるので当たり前だ。


 しかし、俺達に合った装備品を作ってくれることになった。素材は自分達で持ってこないといけないが、そうだったとしても破格だろう。


 俺の装備品はもう揃ってしまっているような気がするし、なんとエルザの杖が賢者の杖でツバキの剣が聖剣らしく、これらを超えるにはヴォルさんの牙並みの素材がないと無理らしい。


 もちろんちゃんと使わないともう作ってくれることは無くなるだろう。

 ツバキの弟子のことはよく知らないので、少しだけ心配だが、俺達の中にそんなことする奴はいないと思う。


 端から見れば順風満帆の旅立ちだったが、俺に大きな問題があった。

 ここ最近お漏らしをすることが増えた。眠る前に用をたしているのだが、朝起きたら必ずといっていいほどだ。

 それに尿の色がおかしい時もある。


 なにかの病気かと思い、義母上に相談しようと思ったが、イレイスからローズの裸体を見た時の後遺症らしい。


 俺のアソコはおかしくなってしまった。

 しかしあの時のことは後悔していない。

 命と天秤をかけたら命の方がよほど大事だ。


 タヌとイレイスによると異常ではないが、アソコが正常過ぎて異常に見えると、なにかのなぞなぞのようなことを言い出した。


 まぁ異常ではないらしいので、義母上には相談しなかった。


 ただエルザと一緒に眠ることがなくなったことは少しだけ悲しい。

 さすがにこの年になっておねしょをしていることをバレたくない。


 しかしいつかはカミングアウトしないといけないだろうとは思っている。


 エルザは受け入れてくれるだろうか…


 そしてパーティーから三日ほどたち、俺達がダンジョンのある町ビクターへ出発した。



 ~イレイス視点~


 成人のパーティーが終わり、マスターが眠っている間に、膨大な情報が頭に入った。


 そのなかに、性に関する情報が多くあったが、マスターの命令…

 ベルジーナを助けたときに、性器は見たくないという命令に従い、その情報は隠匿した。


 うん。大変だった。でもマスターのために頑張った。


 もしかしてやり過ぎたかもしれないと思い、タヌ姉ちゃんに報告したら、


「よくやったのじゃ。大変じゃったじゃろう?」


 喜んでくれたのでよかった。


「うん。頑張った。マスターにも明日報告する」


 マスターにも褒めてもらおうとした。


「待つのじゃ」

「どうして?」

「そうじゃの…」


 タヌ姉ちゃんが止めたので理由を聞くと、よく分からなかった。


「分からない」

「ちと難しいかのぉ…そうじゃの。簡単に言うと主に怒られるかもしれぬ」

「えっ…そうなの?」


 怒られるかもしれないらしい。

 それは嫌だ。でも…


「それなら早く報告した方がいいんじゃないの?」

「そうじゃの。しかしじゃ。主に教えると三年後に控えたあのドルルークという奴に勝てぬかもしれぬ。それは嫌じゃろ?」


 あんな思いをするのは私も嫌だ。


「うん」

「主のためなのじゃ。このことを教えると、刀や体の動かし方の鍛錬が足りなくなるかもしれぬ」

「そうなの?」

「そうなのじゃ。報告は三年後でも問題あるまい」

「タヌ姉ちゃんが言うならそうなんだね」


 タヌ姉ちゃんが顔を赤くした。


「何度も言うが妾はイレイスの姉ちゃんではないぞ」

「タヌ姉ちゃんもマスターと同じ。無駄なことをしてる」


 タヌ姉ちゃんは嬉しがっているのに素直じゃない。


「そうじゃの…認めるしかあるまい。しかし主には内緒じゃぞ」

「わかった」


 そういうことで黙っておくことにした。

 怒られるのは嫌だし、私も負けるのは悔しい。

 それよりも大好きなマスターとタヌ姉ちゃんが剣聖に負けて落ち込むのがもっと嫌だ。


 全部マスターのためだ。


 それにこういうのは十八歳からって書いてもあった。

 今から三年後にマスターは十八歳になる。


 十八歳の時に十八歳から見れる情報を渡すだけだから問題ないはずだ。

 これで2章の主人公視点は終わりです。


 とりあえずきりの良いところまで書いたつもりです。


 ゲルマン侯爵等のざっと書いたところは別視点で書こうと思っています。

 誰の視点で書くかも決めていない状態なので、更新はしばらくお待ちください。


 ブックマークや高評価、いいねをいただいたら、モチベーションは上がるのでよろしくお願いします。

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