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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
第二部 一章【王都剣術大会~剣術大会の様子が見れるとは限らない~】
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『タヌ、イレイス頼むぞ』

『任せよ』『分かった』

 今回はタヌやイレイスの力を借りて師匠に挑む。


 まずイレイスに足を強化してもらい、走るスピードを速くし、近づいて神狼刀(しんろうとう)(シュリさんに作ってもらった刀)を振り下ろした。


 それから神狼刀と短刀(タヌ)で猛攻をかけた。

 師匠は俺の走るスピードを見誤り後手にまわったが、俺の攻撃をさばかれていた。


 少しの間優勢になっていた。


『主!無理だ!』


 優勢になったことでこのままおしきればと、少し油断してしまったのかもしれない。全く油断したつもりはなかったが…


 師匠が一瞬の隙をついて攻撃を仕掛けた。タヌで攻撃をさばこうとしたが、タヌの助言ですぐに短刀の裏にも神狼刀も合わせた。


 ガキーンっ


 そのお陰で俺が吹っ飛ばされるだけに終わった。

 体全体で受けたので体中ビリビリしている。めっちゃ痛い。片手だけで受けていたら、左手は使い物にならなかっただろう。


 模擬試合とはひと味もふた味もちがうな…


「ほう…よく切り替えたな。短刀(そいつ)の助言か?」

「俺の判断ですよ」


『なにを嘘をついておる。妾の判断じゃろうて』

『タヌとは一心同体だからな』

『そうじゃの。妾が間違っておったわ』

『マスター私は?』

『もちろんイレイスもだ』


「ふーっ…スカイ来ないのか?」

「少し師匠を休ませてあげようとする優しい弟子心ですよ。少しお疲れのようですので…」

「そうか。遠慮はいらん。来るがいい」


 くっ…まだ体の痺れがとれてない。


「師匠優しさには甘えるべきでは?もういい年なんですから」

「優しさに甘えることは悪いことではない。しかし老人扱いはごめんだな」

「老人扱いなんてとんでもない。おじさん扱いですよ」

「…それでも師匠が弟子に甘えるわけにはいかないんだよ。ハンデだよハンデ。さっさと来い」

「分かりました。そうさせてもらいましょうか」


 ……


「どうした?来ないのか?」

「いえっ、ちょっと隙を探していまして…」

「そうか。ならば隙を作ってやろう」


 今度は師匠が突っ込んできた。

 クソっ、もう少し時間を稼ぎたかったが…まぁだいぶ痺れは落ち着いた。


 短剣を投げたが、師匠が簡単にさばいて近づいてきた。

 化け物かよ。

 しかし勢いは緩まった。


 師匠の振りおろした剣を避け、攻撃を試みたがすぐにこの攻撃は本命ではないことを気づき、またすぐに距離をとった。


「どうした?逃げるだけか…」

「そうですね…師匠の剣は怖いので少し様子見です」

「そうだろ。減らず口を叩けなくするまで、もっと味わうがいい」


 師匠がまた突っ込んできた。

 しかし今度は俺も突っ込んだ。しかしギリギリまでイレイスの力を使わずに一歩だけ使った。

 きっと師匠には俺が消えたように思ったはずだ。


 師匠の後ろをとり攻撃したが、すぐに反転してまた受け止められつばぜり合いになった。


「…っ、師匠って人間ですか?」

「はっ!…どこからどうみても人間だろうが?お前の方が怪しいわ」

「ぐぐぐっ、そうですか?百人がいたら九九人が師匠は人間じゃないと思いますよ。師匠は記念すべき一人です」

「バカ野郎。お前は千人がいたら九九九人がお前は人間じゃないと思うぜっ!」


 師匠の言葉と共に吹き飛ばされた。


 ふぅ…やはり強いな。


『主!リミッターをはずそうぞ。それしか勝機はないように思えるぞ』

『リミッターか…あれ使った後疲れるんだよな。記憶なくなるし…それに出来るかわからないだろう?』

『マスターやる?今なら出来るよ』

『やれるのか。仕方ないやるしかないか…二分で切れよ』


「師匠。奥の手を使います」

「ほう…今までは本気ではなかったか?」

「いや、本気ですよ。そうですね。二分間師匠が耐えれば勝ちです」

『馬鹿正直に言わんでもよかろう。主はやはり…』

『いいんだよ。師匠は敵ではないんだしな』


「それなら簡単そうだ。はははっ」

「それではいきます。死なないでくださいね」


『リミッター解除』

 リミッターを外すと意識が遠のいていった。



 目が覚めるとベッドの上だった。

『主…目が覚めたか』

『おはよ。タヌ、師匠との勝負はどうなった?』

『うむ…おはよう。と言うにはちと遅いがの。もうしばらくすれば日が明けるぞ』


 周りは暗かった。

 ということは三時から四時くらいか…起きていたほうがよさそうだ。寝坊しなくてすむ。


『それでどうだったんだ?』

『うむ…』

『マスター負けたよ』

『負けたか…師匠は強いな』

『悔しいぞ。あと二分、いや一分半あれば勝てたはずじゃ。悔しい。悔しいぞ』

『機嫌治せよ』

『マスターは悔しそうじゃないね』

『そうじゃ悔しくないのか?』

『うーん。悔しいは悔しいんだけど…なんていうかな。師匠の背中は大きい方がいいじゃないか。それに意識がない状態で負けても、実感がわかないのが正直な話だ』

『それは…そうかもしれんが』

『やっぱり師匠にはあの状態で勝っても意味ないと思う。だから模擬戦ではもう使わない』

『確かに…』

『まぁ結果は結果だ。なにか今回の模擬戦でヒントを得たか?』

『それは任せよ。主、いや主も含めた妾達の刀術の改善点が見えたぞ』

『私も』

『そうか。それなら良かったじゃないか。俺達はまだ強くなれる』

『そうじゃの…では妾から話そう』


 これからの改善点を相談していた。



 意見を出し合い、とりあえずの方向性が決まる頃に日が明けてきた。


 コンコン


「はーい。どうぞ」


 ガチャ


「お見舞いにきたで」

「ありがとう。いよいよ今日だな。頑張れよ」

「はぁ…なにいうてねん。もう剣術大会は終わったわぁ」


 えっ?終わったの?二分間だったらそこまでダメージ残らないだろう?

『主よ…すまぬ』『マスターごめん』

『どういうこどだ?二分で切ったんじゃないのか?』

『その…ちと熱くなりすぎてのぉ…』

『そうか…それでどのくらい使ったんだ?』

『三分くらいじゃったかな』

『嘘。五分』

『…おーいっ!限界は三分じゃなかったのか?』

『大丈夫じゃ。エルザと主の義母が治してくれた』

『全然大丈夫じゃないじゃないか…』


 お説教が待っているな。俺のせいじゃないのに…いや俺のせいか…


「どのくらい寝てた?」

「もう三日も寝てはったんやから心配やったで」

「そうか…ありがとう。それでごめんな。応援いけなくて」

「ほんまやで、一回戦でレガートさんに負けてもうたわ…」


 ツバキは泣くのを我慢していた。


「そうか…残念だったな。俺も残念だ」

「ごめんな。優勝するって約束したのに…一回戦敗退やなんて情けないわ…」

「そうか…別に気にするなよ。次は勝てるさ」

「うちってカイはんのパーティーにいる意味あるん?エルザも凄うなっとって…」

「どうしたんだ急に。いる意味はあるさ。どうした寝ぼけているのか?」

「ほんまかいな。うち、どんどんお荷物になっとらんか?カイはんほど強くないのに…」

「寝ぼけてなんかいない。ツバキ。悔しいのもわかる。俺も一回戦敗退だったからな。しかも相手はレガートさんだ」

「わからんよ。カイはんその時12やったんやろ?それにこの前、師匠相手にめっちゃええとこまでいっとるやん」

「それは今だからだ。俺にはなにもない。俺も生きる意味があるのか。死んだ方が世の中のためになるのかもって当時は思っていた。剣術くらいしかなかったからな」

「えっ?うちはそこまでは思わへんよ。冗談上手いわ。フフっ」


 思わないのか…

 でもツバキが笑ってくれたから良しとしよう。


「俺は当時は思っていたんだよ。いろいろ勘違いしていたしな」

「あぁ、いじめられとったって話か…」

「それに当時はレガートさんのことを噛ませ犬にしか見えなかったんだ」

「それはひどいわぁ」

「それはツバキがレガートさんを知っているからだ。なにも知らないであの人に負けたらへこむぞ」

「レガートはんには悪いけどそうかもしれん」

「そうだろう。俺は噛ませ犬以下なんだってへこんだんだぞ」

「フフフっ、カイはん、やめてぇや」


 二人で笑い合った。少し元気が戻ったか…


「その後父上が死んで、孤独になったと勘違いした。そして冒険者に騙されて死にそうになって、命からがら逃げる事もあった」

「ほんまかいな。カイはんが…」

「本当だ。いいじゃないか負けたって、いやツバキはまだ負けていないまた挑戦するんだろう?」

「もちろんや。今度こそ優勝すんで」

「そうだろ。俺も次回は出るからな。その頃の俺が優勝候補筆頭だろう。自分でいうのもなんだけど」

「ほんまやで。でも間違うてへんのはすごいわ」

「そうだろう。俺と一緒にいたほうがツバキは得だろう。優勝までの距離がわかるんだから」

「そうかもしれん」

「じゃあこれからも一緒に冒険してくれるよな?」

「わかったわ。これからも利用させてもらいましょうか」

「それでこそツバキだ。俺もアドバイス出来ることがあるかもしれない。それを聞く必要もない」

「もらってばかりで申し訳ないわ。それに聞く必要はないん?」

「もちろんツバキも俺にアドバイスがあるなら言ってくれ。俺も聞くかはわからん」

「フフフっ、そうやな。カイはん。ありがとな。これからもよろしゅう頼むわ」

「あぁ頼むぞ。それに師匠にあと少しだったっていう時の、あの状態はもう模擬戦や剣術大会で使わない」

「いや…冒険者の時も使わんといてや。あれはいろんな意味でヤバイで…師匠も怪我しとったし」


 それからツバキに剣術大会がどうなったかを聞いた。

 ツバキはレガートさんに負け、レガートさんはツバキとの戦いに消耗していたが二回戦は勝てた。

 その人は僕と会ったことはないが、師匠の弟子らしい。

 しかし三回戦でリアさんにあたり負けてしまった。


 リアさんはロビンさんと準決勝だった。

 これまで二人もレガートさんと同じように、師匠の弟子と何度かあたって消耗していた。


 なんとかリアさんが勝ったが、数時間で体力が回復せず、決勝戦では体力がもたず負けてしまった。


 リアさんは申し訳なさ過ぎて切腹しようとしたのを皆で止めたらしい。


 ちまたでは師匠の弟子以外が優勝したことが、ちょっとした…いやかなりのニュースになっているらしい。

 そしてそいつが優勝したものがもらえる師匠と戦う権利を使った。

 今日師匠と戦うらしい。


 今までその権利は使われたことがなかったので、そいつの人気はすごいことになっているとのことだ。


 剣術大会は見れなかったが、どうやらイベントは残っているらしい。

 嫌なイベント(説教)も残っているが…

 お読みいただきありがとうございます。


 おかげさまで総合ポイント100ポイント達成できました。ありがとうございます。

 評価やブックマークをしてくれた方達、皆様のおかげでここまで続けてこれました。本当にありがとうございます。


 していない方で、少しでも面白いと思ってくださるのなら、なにとぞブックマーク、評価をお願いします。

 私のモチベーションがとても上がるので、更新頻度が上がるかもです。

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