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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
三章【里帰り】~誰もが凱旋できる訳ではない~
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 数日間魔法の勉強に励んでいると今朝、義母から手から腕の魔力経路が馴染んだみたいなので、明日から上半身の治療を行うと教えてくれた。


 朝食後、いつもの様に勉強をしていると、そういえば聖霊の問題は解決してなかった。


 もしかすると、繋がっているタヌなら聖霊と意思交換できるのではと考えて、次元カバンから短刀になったタヌを取り出した。


『酷いのじゃっ!何日間もあのカバンのなかに入れおって!主は最低じゃ━━』

 しばらくの間、俺が酷いと念話で喋って?…訴えていた。

 念話でも魔力を使うが顕現と比べると全然違う。というか回復量とペイできるので、勝手に顕現はしない事だけ約束して話をさせた。


 こういう時は言いたいことを言わせておいた方がいいだろう。


『あぁそうじゃ。言いたいことを言わせてもらうぞ。━━。』

 悪口が長くなったような気がする。


『今のところ言いたいことはこれだけじゃ』

 どうやら終わったようだ。


「それなら…」

『それならではないっ!まずは謝罪じゃろうて。主も主の先祖と同じじゃ。妾を━━』

 終わったんじゃなかったのか…

 それに先祖の悪口を聞いてどう反応すればいいのか…


 タヌの愚痴が終わったので謝罪をした。


 確かにタヌが愚痴りたくなる気持ちが少しはわかる。

 長い間、暗い場所?に放置してしまったのだから。俺なら耐えられないだろうし…


 それに聞きたくもない先祖の愚痴にどう反応すればいいのか…

 ご先祖様もなかなか酷かった…

 以外にタヌは器が広いのかもしれない。


 とりあえずタヌには許してもらえたので、聖霊と意思交換出来るかを聞いた。


『もちろん出来るが…』

「おぉっ。さすがタヌだ。頼りになるな」

『そうじゃろ。そうじゃろ。妾は頼りになるからな』

「それじゃあお願いしていいか。難しいなら大丈夫だが…」

『なにを言うておる。妾にとっては朝飯前じゃ』

「それならよろしく頼むよ」

『わかった。…というか主。主の先祖と同じで妾を(たば)かっておらぬよな?』

「なにを言っているんだ。そんなこと出来る訳ないだろう。タヌにどうやって嘘をつくんだ?繋がっているんだろう?」

『それもそうか。妾と主の力を使えば出来るじゃろう。その代わり、主の覚悟が必要じゃ。まず一週間程は刀になれないからの』

「一週間ならまだ治療中で戦う予定もないし問題ないだろう?」

『じゃが、こういう時に限って…』

「やめろっ!そういうのが危ないんだ」

『どうした急に…じゃが主の本気さは伝わったぞ』


 そうだ。

 世の中には言ってはいけないタイミングってのがあるんだ。


「それでどうすればいいんだ?」

『あいつとの意思交換するには、妾が主の力を奪って短刀に妾を主の体の一部に刺して寝ればよい』


 …こいつ何を言っているんだ?


『じゃから覚悟が必要だと言うたでは…言うてはないの。教えたではないか』


「そんな事はどうでもいい。一週間刀になれないことが覚悟なんじゃないのか?」

『主…主は知ってはいたがやはり馬鹿じゃの。それがどこの覚悟なんじゃ?』


 …


『主やめよ。なんでそのカバンに入れようとする。すまぬ。許してくれぇ』


 タヌが謝罪したので許すことにした。


『ちと言い過ぎ…教え過ぎ…こういうときはなんていうんじゃろうか?』


 そんなことはどうでもいい…

 どうでもいいが、教え過ぎはムカつくことは確かだな。


『確かに…それもそうじゃな。それでどうするのじゃ?』

「他に方法はないのか?」

『無いことも無いが今は無理じゃな。条件が足りぬ』


 そうか…

 それなら仕方ない。


「それで一つ聞きたいんだが…俺死なないよな?」

『主は…はぁーっ、なんで身の危険があるところに刺すんじゃ?髪を束ねて刺せば良いじゃろうに』


 …

 主はの後に続く言葉はすぐに想像ついたが我慢したし、いろいろとツッコミたかったが我慢した。


『なにを我慢しておる。我慢は毒じゃぞ』


 …

 相手のことを何でも知りたいという奴がいるが、ろくなものではない事を確信した。


『それはそうじゃろ。それを許されるのは妾だけじゃ』


 …


 こんな感じじゃ聖霊といつまでたっても意思交換出来ないので、タヌに俺の力を奪ってもらい髪に刺そうとした。


 早く聖霊と意思交換したかったが報告は大事だ。

 部屋から出て、歩いていたメイドを呼び止め、エルザと義母に伝言を頼んだ。


 今度こそ力を奪ってもらい髪に刺して横になった。


 随分と長い間タヌと話していたので、ほとんどがタヌの愚痴と俺やご先祖様の悪口だったが…

 とにかくタヌに力を奪われると魔力が減っていたので、タヌと二三言話すと眠りについた。


 眠る前に話した事は我慢していたツッコミだった。

 髪でもいいなら最初からそう言え。

 タヌの返答は髪も体の一部じゃろう。だった。


 それなら覚悟はなんだったんだるの質問には髪が切れるかもしれないだろう。だった。確かに束ねた髪に短刀をさすと毛の何本かは切れるだろう…


 だが…

 俺は女かっ!とツッコミたかったが、もうツッコんでも疲れるだけだ。

 返答も予想できる。「主は男じゃ」か、「そんなことも分からないほど馬鹿なのか?」だろうし…


 そんなことより聖霊だ。と思っていると、ちょうど魔力が切れたのか意識が遠くなった。



 次に目覚める?とタヌと夢?の中で会った幼女がいた。


『こいつが聖霊じゃ。どうじゃ?妾に感謝してよいぞ』

「ありがとう。タヌのお陰で助かったよ」

『そうじゃろ。そうじゃろ。もっと妾を褒めるが良い』

「ありがとう」

『苦しゅうない。苦しゅうない。妾と主との仲じゃ』


 ドヤ顔が…


「すまないがタヌは少し黙っててもらっていいか?聖霊と話が進まなくなりそうだ」

『そうじゃな。主は妾と話すのを優先してしまうかもしれぬ。ここは妾が主を無視することにしようぞ』


 …まぁ納得してくれたならいいか。


「初めましてじゃないか…久しぶりだね。名前はあるのか?」

『ない…出来ればあなたがつけて』


 うーん。難しいな。


「…大事なことだしゆっくり考えたい」

『分かった。早くお願い』

「うんわかった。でもあまり期待しないでくれよ」

『分かった』


 そこを了承されると…まあいいか。


「それで明日から体の治療が始まるから、出来れば顔や足側に移動できるかを聞きたかったんだ。もし…」


 無理ならどうするかを聞こうとしたが

『それならそう願われたときから頭に移動してた』


 …えっ?


『だから勉強も進んでいたでしょ?脳のなかの記憶に関わる部分を活性化させたから』

「はっ?それなら魔法の勉強が進んだのも君のおかげなの?」

『その通り』


 俺の天才的頭が魔法を求めていた訳ではないのか。恥ずかしい…

 タヌが笑いを堪えていた。


「そ、そうなのか。それは助かるな。本当にありがとう」

『あなたのためなら当然。でも褒めてもらえて嬉しい』


 聖霊が嬉しそうにしていた。俺が更に褒めようとしたが『主!』と言ってタヌが挙手していた。


「黙っておくんじゃなかったのか?」


 タヌがそれでも手を挙げながら、うーっうーっ言っている。


 なんだタヌ?


『主!騙されてはいけないぞ。脳を活性化させてメリットもあればデメリットもあるのじゃぞ』


 デメリット?

「脳を活性化するのにそんなものがあるのか?」

『当たり前じゃ。どんなことでもメリットがあれば、ほぼ必ずデメリットがあるじゃろうて』


 脳を活性化させるデメリットってなに?


『そうじゃの…例えば記憶が無くなるのじゃ』


 えっ!?

 デメリットでかすぎないか…


『その言い方は誤解をうむ。今回無くなったのはあなたがいらないと思っている記憶だけ。脳が覚えることが出来る量は決まっている。あなたは一月前に食べた昼食を全て覚えてる?覚えていたとして役にたったことある?』


 全く覚えていない。ちなみに最近のなら覚えている。というかあれだけだったしなっ!


「そんな記憶ならいらないから別にいいが…大事な知識や思い出が消えることはないのか?」

『可能性はある。でも仕方ない。あなたが知ろうとする量が多いほど可能性は高くなる。さっきも言った通り脳が覚えていられる量って決まっているから』

「それってどのくらいの量まで大丈夫なんだ?」

『この世界のこと全てを知ろうとしたとしても覚えられない。というか創造神くらいしか無理。あなたの脳はそこまでの性能はない。いろんな経験をすれば将来容量が増えるかもしれないけど今は無理』


 容量って増えるんだ…って今はそこじゃない。


「どのくらいの量を覚えると大事な思い出を忘れてしまうんだ?」

『そんなのはわからない。あなたが覚えている知識の必要性や、あなたにとってその思い出がどのくらい印象的だったかにもよるし、具体的にこのくらいと示すことは出来ない』

「魔法を全て覚えるのはどうだ?」

『全てをどのくらいの定義付けるのかによる。人間が知っている魔法なら、ほとんどの知識や思い出を忘れれば覚えられる可能性はある』


 マジか…

 確かに詠唱だけでも覚えるの大変だもんな…


「廃人にならない?」

『可能性は高い。だけど別に全てを覚える必要はない。あなたの才能がある分だけなら大丈夫だと思う。才能がどこまであるかは知らないから確実なことはいえないけど』

「そうか。確かに俺には雷しか属性ないし…」

『それは間違い。あなたには火、水、風、土、雷、氷、光、闇、…禁則事項みたい。とりあえず雷だけじゃない』


 光と闇の上位属性は確かにやっていなかったな。

 でも基本属性の才能は雷以外となかったのに全属性あったのか…


「判別方法間違えたのか?」

『それは間違い』

「そうか。間違っていたのか。やはり俺は全属性だったんだな」


 そうだよな。俺は全属性だったんだ。魔法の才能があったんだと嬉しくなった。


『それが間違い』


 えっどういうことだ?


 …


『…ふふっ、やはり全属性だったんだな…あははっ、俺は全ぞ…ははっ。魔法の才能がじゃと…あはははっ…えっどういうことだ?じゃないわ。くくっ、そのままの意味じゃろうて、妾を笑い殺すつもりなのか?』


 顔が熱い。タヌは無視して詳しく聖霊から聞いた。

 どうやら雷以外の基本属性と上位属性は、聖霊ちゃんのお陰でついたらしい。


 話が進むたびに俺の誤解は解けたが、顔の熱さとタヌの笑い声は上昇した。


 俺自身も雷以外の適正があるが禁則事項らしい。

 なんだよ禁則事項って。


「タヌ。うるさいぞ。全属性になったのは変わらないだろっ!」

『すまぬの。じゃがのう…くくっ…』

『その才能は借りものみたいなものだから、過信はしない方が良い。初級魔法くらいはいいけど攻撃魔法は雷属性以外はあまり覚えない方がいい。あなたに分かりやすくいうと、今から弓や槍を鍛えるのと変わらない』

『そういうことじゃからな…「全属性になったのは変わらないだろっ!」か…フフフっ…アハハハハっ。ヤバイ死ぬ』


 タヌは目に涙を浮かべて笑い転げていた。

 タヌは無視だ。


 それにしても…なるほど。分かりやすい。


「俺の弓と槍の才能なかったからな」

『そういうこと』

「事実だからかそう言われると少し凹む…」

『なにを言うておる。主には剣の才があるのじゃ。一つ道を極めるのも難しいのに、あれもこれもは無理じゃぞ』


 タヌが復活してそんなことを言った。


「そうだよな。俺には剣の才能があるよな。ありがとうタヌ。」

『ということで魔法を極めることはよした方ががいいのじゃ』

「なんで!?」

『主…話を聞いておったか?まぁそれは今後話し合っていくか…』


 どういうことだ?


『それが良い。それより名前考えてくれた?』


 えっ!?


『そうじゃな。早めにつけた方がよいぞ。言うておった条件じゃ。ここでこやつと契約した方がよいぞ。それとも今後も妾の力を使って繋ぐのか?』


 話がどんどん進んでいく…


 って契約のことを早く言えよ!

 それに契約ってなんだよ?


『契約は契約じゃ。主は契約の意味もわからぬのか?』

「契約の意味は分かるよっ!」


 そこまでものを知らない訳じゃない。

 どんな契約内容か、メリット、デメリットはなにかあるのかって意味だ!


『それなら最初からそう言えばよいものを…』


 …

 それから、タヌと聖霊に契約したらどんなことになるか教えてもらった。

 お読み頂きありがとうございます

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