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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
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魔神刀に潜むなにか

 妾は魔神刀に潜む━じゃ。


 今、魔神刀はオークの手の中にあるが不服じゃ…妾の使い手に相応しくない。

 全く手入れなどしないし刀の扱いも下手じゃ。


 本来妾は魔王やその側近が使うものなのじゃが仕方ない。誰にも使われないよりはマシじゃし、このままでは魔力が底をついて妾も危なかったしの…


 本来妾に性別などない。奪った魔力の主がオスが多いなら男みたいになるし、メスが多いなら女みたいになる。

 本来戦う者はオスが多いので男っぽくなるのが普通だったが、このオークは…というかオークは女に執着するので今は女の方に傾いてはいる。


 それからしばらくすると今日もオークが荷馬車を襲っていた。他のオークに男を任せ、魔神刀を使っているオークは中にいるメスを狙っていた。

 またメスか…だが妾も魔力がなければ強くなれないしの…と使われてやっていた。

 正直長年、男として存在していたのでオスの魔力を欲しいのだが…


 すると今回は予想外なことが起きた。一人のオスがオークに切りつけていた。剣の振りもまぁまぁだったが武器が悪かった。

 まぁまぁと言ってもこのオークとは天地の差だ。


 だがあれは良質な魔力だ。なにがなんでもあの魔力がほしかった。良質な魔力に加えてオスだ。妾の力でオークを操りあのオスを追わせた。


 少し妾の力が減ったが、あれの魔力を手に入れられるなら十分お釣りがくるし、妾も男に近づくだろう。それに仲間がいるならきっと其奴らも良質な魔力だろう。


 どうやらこのオスには仲間がいないらしい。人族は群れる生き物だがこやつは違うらしい。それでもこのオスの魔力を欲しかった。


 あと少しのところまで追い詰めるが、上手く避けたり隠れたり、魔法、他の魔物を使って逃げてしまう。

 だがそれも長くは続けれまい。と思ったが意外に体力もあるようだ。木ノ上や草木に隠れて要所要所で休んでいたので感心もした。


 だがそれも限界だろう。そろそろ終わりが近づく感覚が俺にはあった。追いかける間にオスの魔物の魔力を結構奪ったので男性寄りくらいになった。


 すると運悪くヴァナルガンドの縄張りに入ってしまった。

 オークを止めようにもせっかくオスの魔力を奪って男性寄りになったのに…と少しの葛藤の間にヴァナルガンドが来てしまった。


 一応、妾のお陰で戦いにはなったが当然オークは負けた。

 せっかく男寄りになったが、戦いにするために妾の力を結構使ったし、メスのヴァナルガンドに刺さったままになった。


 メスの魔力を奪いたくないが消滅よりはマシだ。ヴァナルガンドの魔力とあってか良質な魔力だ。

 これに勝てる奴は少ないだろうし、これが死んだ頃には妾は女として当分の間存在する事になるだろう。今世紀…下手をすると来世紀まで…


 男として存在することを諦めかけては、いやまだ…とどこか諦められない思いをしたまま過ごしていた。

 しばらくすると、またあのオスがヴァナルガンドの元へやってきた。


 死に来たのかのと他人事のように見ていたが驚いた結果になった。なんと妾をヴァナルガンドから抜きおった。その際オスの魔力を少し奪ったが良質な魔力だった。


 これはチャンスだ。こやつの魔力をすぐに全て奪って傀儡にするよりも、こやつの魔力細く長く奪った方が男に早く近づけるのではないかと考えた。

 それに人族が戦うのはオスが多い。上手くいけば諦めていた今世紀に男寄りになれるかもしれない。


 と考えたのだが想定外の事が起きた。こやつまあまあ強いのに自分に自信がないのか全然戦闘をしない。

 まぁ良い。こやつの魔力を吸い続ければ存在は出来るし、戦闘をしない癖に、魔神刀を定期的に大事に手入れしてくれるいい奴だ…

 そんな奴だがオークに苦手意識があるらしい。ここは俺を使ってそれを無くしてあげようと、魔神刀を震わせて俺を使うように誘導したりしたが難しいようだ。


 戦わないが大事にしてくれる主と共に存在するのも悪くない…ってなに考えているっ!ダメだっ!なに(ほだ)されているのだ。俺は男に近づくのだ。…だが主は妾を…


 妾のなかの女としてダメな主に尽くしてしまう感情と、男に戻るのを諦めていない感情がぶつかりあっていた。


 そんな時、主がなにを思ったのかゴブリン狩りを始めた。

 ゴブリンの魔力はあまり美味しくないし微々たるものだが、オスばかりなので男として存在したいものは喜んでいた。より強くなるように振りを教えたりしていたが、女としての妾としては少し複雑だった。


 そんななか決定的なことが起きる。

 なんと傅神服に潜む━の神力を全て奪い、━を滅した。

 なにしろ神力を全て奪ったのだ。かなり妾自身強くなった。歴代最高の強さかもしれぬ。


 同時に妾は男になる事はなく、女として存在する事が確定した。あの神は女だった…というより、現存する神に男はいないし、神でもないオスだけの魔力を何兆集めても無理だろう。どんなに腐っていても神力なのだから…


 男としての感情は木っ端微塵に吹き飛んだので、しばらくの間、妾も動揺したがこれで主に尽くせると思うと、どうでもよくなった。


 それからヴァナルガンド(ババァ)が妾に主から離れろと言ってきて少しイラついた。

 妾の方が長く存在しているが、女として存在した事は十五年もないだろう。だから妾は十四才じゃ。それに比べてババァは千年以上も生きている。あやつをババァと言っても間違いあるまい。


 そんなババァが主に良くない感情を持ち始めているのを感じた。ババァの癖に…


 一日間ずっと口喧嘩をしていたが、それで収まらず、少し戦ったがやはり分が悪い…妾は主がいてこそ十全に発揮できるし、それならば滅してやれただろう。


 だが腐ってもババァは神獣じゃからの…

 それでも歴代最高の妾を滅する事などババァにも不可能だ。主が起きる気配を感じて今回は痛み分けで終わった。


 ババァは謀略を始めた。妾をこれ以上使わせないように牙を渡しおった。

 上手くはいかなかった様じゃ。主の馬鹿さ加減を見謝ったのぉ。ババァの悔しがる様を見れないのは残念じゃが、想像しただけでも楽しい。まさにざまぁじゃのぉ。


 だがババァの目論見が成功したとなると、もしかして妾は使われなかったり、捨てられるのでは…と悲しくなったし、妾はこんなに主に尽くしておるのに、妾に対して感謝がたりないのではないかっ!と怒りもした。


 そんな思いが通じたのか、少しの間、片時も離れずにしてくれて、幸せな時間を過ごしていた。


 主は次の街に着き家を借りおった。

 フフっ…これが主と妾の愛の巣って奴かのぉ…少し邪魔ものもいるが気にすることもないかのぉ…邪魔したら滅せればよい。


 だがその愛の巣に(やから)が入りこみ、妾を盗もうとした。

 すぐさま妾を触った奴を操り、全員殺したあと操った奴も自害させた。

 うーん(笑)。主ほどではないがなかなか良質な魔力じゃった。


 そんな幸せの時間が唐突に終わった。天国から地獄とはこのことなんだと思わせ、妾を怒らせる出来事が起きた。


 主がメスの奴隷を買ってあまつさえ同衾(どうきん)までしおった。

 結局なにも起こらずに眠っていたが、妾というものがありながらそんな事は許せん!と思い、奴隷を亡き者にしようとしたが主にバレて、翌日の夜から眠るときには次元カバンに入れられてしもうた。


 失敗したのぉ…主が怒ったからなのか、毎日妾と共に眠っていたが、次元カバンに入れられる様になってしもうた。


 くそっ…次こそは…と思っていたが…それに妾を大事そうにして一緒に寝てくれてたのに…どうして…



 それでも主も戦闘をするようになってから手入れは、毎日しっかりしてくれたし、そんな主に妾は尽くした。神力とは別に魔力も蓄え、主の為に歴代最高を更新し続けているが主はやはり馬鹿じゃった。


 落とし穴を使って自分を傷めつけていた。

 回復魔法を使うので大丈夫だと思っている。実際大丈夫だろう。術者の腕が良ければだが。


 メスも年の割にはまあまあの様じゃが足りぬ。知識も腕も両方ともな。外見は治っている様に見えるが内部はボロボロじゃ。


 じゃが主は気づいておらぬ。

 気づかぬことは分からないでもない。原因は妾じゃからな。

 妾は魔物の力を奪って強くなっているし、主に妾の使い方を教えている。だから体のダメージで下がる力と妾のおかげで上がる力が同じくらいだからじゃ。


 不服じゃが邪魔ものじゃった奴のおかげでもある。まぁ妾の献身に比べれば微々たるものじゃがの。


 じゃが今のままじゃとその均衡もやがて崩れるだろう。


 だが主は妾が心配しているのにも関わらず、更に調子に乗った主はまたメスの奴隷を買い、あまつさえ今度は妾を貸そうとした。これには妾も怒り心頭だったが、冷静に考えてチャンスだとも思った。


 貸した瞬間にあの時のように傀儡にして、最初のメス奴隷を殺した後に自害させようと考え、それでも妾を捨てるようなことはないだろう。


 もし捨てるなら見る目がなかったと諦めようとしたが、目論見は失敗した。

 失敗はしたが、やはり妾を貸すことなど出来まい。と貸さなかった主がいとおしく思った。


 新しいメスのおかげで落とし穴を使うことはなくなった。均衡が崩れるまであと少しじゃったから、良かったといえば良かったのか…


 じゃが傾いた均衡は日に日に悪い方へ向かっていきおった。


 そして遂に二人抱えて落とし穴に落ち、均衡が崩れさった。意識を持ったまま回復したおかげで首の皮じゃが、これ以上体を動かすとかなり不味い。

 じゃが、トロール戦の主と一体となった感覚はなんとも言いたがたく、幸せな時間じゃった。


 そうこうしているうちに助けがきたようじゃがババアがおるし…


 やはりそろそろ次の段階にいく時が来たのかもしれない…

 その為に…業腹じゃが仕方ない…主のためじゃ。小さい事は我慢しよう。

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