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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
一章【孤高の魔術師編~ただのボッチ~】
3/59

兇聖の最期

 今回はプロローグで世界を救ったかもしれない話です。

 どうしてこうなった。



 俺も盗賊になって二十年。世間では兇聖と呼ばれ、王国四強…魔聖は死にやがったから今は三強か、の1人なんて言われているが、そんなんじゃない俺が最強だ。


 確かに剣の腕は剣聖に一歩及ばないし、距離があれば魔聖や弓聖には勝てない。が勝てるようにすれば良い。

 弓聖なら近づきさえすれば勝てるし、剣聖なら数で潰せば良い。


 剣聖の奴は徒党を組むのが嫌いだからな。


 えっなんだって?弓聖はいいとして、剣聖は数で潰すのはセコイという手下がいた。

 が、数も力だ。勝てば良いんだよ。



 そろそろ王国を転覆させて俺が王になるか。

 はっきりいって俺の方がマシだ。

 兵隊も増えたし、貴族達の抱き込みも利益の約束や脅しを使って、半分はいかないまでも少なくない数の支持を得る事ができた。

 俺が王になったら破るつもりだ。約束は破る物だろう?なびかなかった奴の方がまだ信用できる。


 今夜もバルザ子爵を抱き込みが成功した。

 バルザ子爵はバカだったな。成功しても侯爵になれねぇよ。

 後二、三家抱き込めば現実的になってくる。

 次の交渉相手が本番だ。これがあれば大丈夫だろう。



 夕暮れ頃、ランモ町に向かっている時にガキが視界に入った。

 

「お頭、すみません。ちゃんと索敵してたつもりだったんですが…」

「後でお仕置きだな。本職より俺が先に見つけちまった。仕事しない奴はいらないんだよ」

「すみません…勘弁して下さい」

「まぁ、お前のこれまでの功績を加味して今回は許してやる。ガキだったしな。これが魔物や騎士団ならただじゃおかなかったぞ。それに今日は戦える奴が少ないんだからな」

「ありがとうございます。この恩は今後の働きで返しやす」


 本当に反省しろよ。まぁ交渉が上手くいって油断するのもわかるが…

 まぁ今回だけは大目に見よう。同じ失敗はしないだろうしな。


「ダリ運が良かったな。お頭そんな事よりどうしやいすか?」


 こいつ分かってて聞いてやがるな。


「おいおい…俺達は盗賊だ。って事は?」

「さすがお頭!俺がやっても良いですか?」

「ダメだ。お前の魔法使ったら回収するのが面倒臭ぇ。久しぶりに俺がやるか!たまには体動かしとかねぇとな」

「おおっお頭の戦いが見れるんすね」

「おいおいっダリ…戦いじゃねぇよ。ただの運動だ。じゃあ一丁行ってくるか」


 ガキの方へ小走りで向かった。

 顔が見える位置まで近づくとなかなか面が良いし、持っている物も良さそうだ。あいつの魔法を使わせなくて良かった。


「おいっ!ここから先は通行止めだ」

「そうなんですか。わざわざ教えてくれてありがとうございます。それでは…」


 俺に対して普通にお礼を言って来た道を戻ろうとした。


「おいおい、帰るんじゃねぇ!俺が連れていってやるよ。へん…」


 変態貴族の元へな。のセリフの前に「大丈夫です。団体行動は苦手なので…」と恥ずかしそうにしながら言い、「教えてくれただけで十分です。ありがとうございました」と早口で言って走り去った。


 逃げられたと思い「待てっ!」と叫ぶと本当に待ってくれた。


 なんかペースが崩れる。


「なにか他にありますか?あなたも急がないと宿屋が閉まっちゃいますよ」


 なんで俺の心配してんだよ…

 こいつお坊ちゃま過ぎて盗賊の事を知らないのか…埒があかねぇ。


「俺達は盗賊だっ!持っている物を渡して俺について来いっ!」


 自分で「盗賊」と言うのはなんか嫌だったが仕方ない。そうこうしている内に手下共もやって来た。


「お頭…なに恥ずかしい事やってんすか?」


 分かってるよっ!だがダリ。後で覚えていろよ。


「あなた達盗賊なんですか?」

「そうだ!泣く子も黙るドム…くそっ!待ちやがれっ!」


 ダリの口上が終わる前に走って逃げた。

 嫌な予感がしたが、この世界は舐められたら終いだ。


 ガキを追いかけた。

 逃げる前に笑っていたのは見間違いだろう…



 夜になるまで走るとダリと合流した。ダリが一番足が速いし、気配を読むのが得意なので先行して追わせていた。


「お頭…すいやせん。見失いやした。多分町に入ってやす」

「見失ったじゃねぇ!なにやってんだっ!くそっ!お前は三ヶ月ただ働きだっ!!命があるだけで有難いと思え」

「頭…普段の装備なら…」

「言い訳なんか聞きたくねぇ!それにしてもなんだったんだ…」


 ダリがそう言い訳するのも分かるが結果が全てだ。それにしてもあのガキは何者なんだ?


 考えてもしょうがないので他の奴と合流する為に来た道を戻っていった。

 三人と合流してからおかしいと気づいた。

 なかなか四人目と合流できなかったからだ。


「お頭、おかしいです。他の奴の気配がありやせん」

「はぁーっ!?なに言ってんだ。そんな訳ねぇだろ!もしかして魔物か?」

「いや、魔物の気配もないです」


 そんな馬鹿なと思いながら、更に来た道を走ると手下が死んでいた。戻る度に数が増えていく。

 ほとんど急所を一突きで、魔法を受けてしまった後に急所の奴もいた。


 結果的に残っているのは5人だけだ。あっ、4人になった。


 手下から奪ったのであろう短剣が、ダリの首に刺さっていた。


 それからの敵の基本戦法は、雷魔法で痺れさせてからの短剣投擲だった。それ以外もあり多種多様で戦い慣れている。

 辺りが暗いのとダリが死んだ事が痛い…1人また1人と死んでいき俺一人になった。


 くそっ!こいつら俺の王国に必要だったのに死にやがった。

 こいつら育てるのに、時間も金もどれくらいかかったと思ってる!


 今回の旅は貴族達との交渉だったので、半分は将来の文官だった。


 俺にも何度か短剣や雷魔法が飛んで来たが大丈夫だ。向こうもやる様だが最強の俺には通じない。


 俺が着けている指輪は魔法を軽減させる。下級攻撃魔法ならほぼ無効化させるし、中級攻撃魔法でも大丈夫だ。上級や最上級でもなければ俺に魔法は効かない。


 上級以上の魔法をくらっても指輪は壊れるが一度くらいは防げるらしい伝説級のアクセサリーだ。

 こいつがあったから、盗賊なんて最も不安定なものでも今までやってこれた。戦争でもなければ上級の攻撃魔法は使わないからな。


 そんな俺に勝つのは無理だ。

 だがA級以上の魔物かもしれないし、この戦いをみた奴が騎士団に通報するかもしれねぇ…時間は俺の敵だ。


 ここは逃げるかと思った時に「俺の魔法や短剣投擲も意外に使えたな」と幼い声が聞こえたので「誰だっ!」と叫ぶとさっきのガキが現れた。


「今日初めて人を殺したけど、なんともないな。なんか気持ち悪くなるかと思ったけど…小説では結局殺すし向こうの倫理観がないからかな…」

「なに意味分からない事言ってんだっ!」

「あぁすみません。こっちの事です。って盗賊に謝る必要はなかったか…だって魔物と一緒でしょ?」

「ふざけるなっ!」


 声は荒げたが頭はクールに渾身の振りをした。

「っ…おじさんやりますね。でもドルクと比べると甘いですよ」


 ドルクと言ったか?それで俺の攻撃を防ぐってことは…剣聖の弟子だな。

 ふざけるな!と思うが頭は冷静だった。


 だが何度剣で攻撃しても防がれる。選りに選ってあの剣だ…

 奴の弟子だと剣を見る目もあるか…


 他の剣なら終わっていたのに…次の交渉の手土産に持ってきていたんだが…等と愚痴りたくなったが戦いは続いている。

 最善手を出し続けた。あと五手か粘っても十手で終わるはずと思ったが、俺の力を利用して距離をとった。


「ふーっ…剣の腕はおじさんが上だな…盗賊の頭って事は普通の冒険者くらいにはなれたかな…」


 くそっ!俺をイラつかせる天才か?

 冷静にと自分を言い聞かせる間にまた逃げやがった。


 追いかけると足が速くて追いつけない。差が広がっていき見えなくなり見失った。


 最近あまり動くことがなかったから、体力が落ちたな。


 仕方ないので手下が着けていた高価な武器や鎧を回収に戻っていった。


 手下の鎧を外している時に短剣を投擲され、致命傷は防いだが右腕に小さくない傷を負ってしまった。


 それから応戦したが短剣の投擲が終わらない為ポーションも飲めない。左腕や両足にも右腕程ではないが傷が出来た。


「短剣なくなっちゃった。まぁいいか。これなら勝てるかも。まぁ勝てなくても逃げる事はできそうだし、これで負けたら冒険者としてやっていくのに自信無くすな…これからどうしようかな…」


 こいつ何言ってんだ?

 お前の実力で冒険者としてやっていけなかったら、冒険者としてなやっていける奴なんて極少数だぞ…だがチャンスだ。


「今までの事は許してやるから俺の部下になれ。お前なら即幹部だ。どうだ?」


 まだ勝てると思うが正直、七三くらいの確率だ。それにこいつが手下になればいろんな事ができるだろうし、それと手下を育てるのも時間も金もかかる。


 なったらいいなくらいの感覚で誘ってみた。ダメ元だったが感触は悪くない。


「本当にそんな事言うんだ。俺感動したよ。分かった。幹部になってあげるよ。報酬は他の幹部より多めにくれよ」


 こいつも俺と同類か!と少し嬉しくなった。


「それはお前の働き具合だ。了承したなら剣を鞘に納めてくれ。そしたら俺も納める」


 剣を鞘に納めたので俺も納めて近づいた。

 こき使ってやるから覚悟しておけよ。まずは…と次のビジョンを考えていた。


「あれ?攻撃してこない…」


 気づいた時には短剣が首に刺さっていた。


 なんでだ?和解したのではないのか?剣は注意深く見ていたが…短剣はもうないのではないのか?といろいろ考えていた。


「ここは、仲間は嘘で俺に攻撃して返り討ちにあうところだろ!?なんか納得できない」


 納得できないのは俺だ。


 まぁ良いか…剣聖や弓聖みたいな英雄でもなく、強い魔物でもないガキに騙し討ちで殺されるのも俺らしくて良いかもな…


 あぁもしかしたら、こいつがこのクソったれた世界を救うかもしれないしな…


「キモっ!もうすぐ死ぬのに笑ってるよ…」


 こいつは最期まで俺をイラつかせるなぁ…だが最後まで笑って逝ってやるよ。


 ざまぁみろ…


 盗賊もかなり強かったのですが、まさかそんな盗賊がいて、そんな盗賊に剣術が通用しなかったので剣術の自信を無くした原因の一つです。


 次回からしばらくカイの話にするつもりです。

 執筆、投稿は未定です…

 今週中に出来ればいいな…とは思います。

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