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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
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ドルクの苦難

 剣聖視点ですが…


 弟子(主人公)と別れ、他の弟子達に会いにいったり、教えるに相応しい者を探して放浪していたがなかなか見つからず半年が過ぎた。


 やはりあの弟子の才能を見ると…俺の目も肥えてしまったのかもしれない。


 そろそろ弟子の名を聞いてもいいが、全くそんなことがなく、どうしているか気になっていた。

 偽名を使っているのかもしれないが、それでも強い剣士が現れたら、それだけで噂になるはずだがそんな話も聞かない。


 兇聖を倒した猛者の話を聞いて、あいつかと思ったが名前や年格好を聞くと違う奴だった。


 もしかすると魔物に殺られたのかもしれない…

 あいつの気配察知能力は剣術と同じで非凡だ。奇襲されることは考えにくい。

 考えにくいがなにしろあの剣を持っていたからな…


 奇襲したのに折れてしまって、返り討ちにあった可能性もある。


 少し抜けているところや、思い込みが激しいからな。

 それに加え、魔物は一昔前と比べると強くなっている。


 心配だがあいつならなんとかするだろう。という謎の安心感もあるから、今も元気にしているだろう。


 そこから更に日が過ぎていっていたが、相変わらず名前や噂を聞かない。



 そんななかバルザ街の魔森でゴブリンキングの発生の可能性があることを聞きつけた。


 ゴブリンキングがいたとしても、俺がいれば戦力的には五分以上に持ち込める。

 あそこには元パーティーメンバーのタリババがいる。

 それになんといっても唯一俺の頭が上がらないあの人がいる。

 魔聖(弟子の父)やタリババの師匠でもあり、俺が所属していたパーティーリーダーのシュリさんだ。


 世間では俺がリーダーだと思って、剣聖パーティーと呼ばれているが、実はシュリさんがリーダーだ。


 シュリさんが解散する十年前から引退後に騒がしくならないように、俺がリーダーのように振る舞って勘違いさせたりしたので、俺がリーダーだったと思っている奴が多い。


 そんなこと出来るシュリさんだが今は装備屋をしている。

 シュリさんが作った装備品は俺も愛用している。

 この装備品達のおかげで、討伐が楽になったり生き残れたりした。


 今は装備を作っているが、魔聖の師匠とあってか魔法の腕はピカ一だ。

 エルフで俺よりも随分年上で、鍛練できる時間もあったからか魔法や装備を作ることだけでなく、剣や鈍器を使っての近接戦闘、弓での遠距離攻撃も凄い。


 さすがに剣だけなら負ける気はしないが、全てにおいて一流か準一流の腕を持っているヤバい人だ。

 槍は少し苦手みたいだが、他に比べたらってだけでその辺の冒険者では相手にならない腕を持っている。


 そのためシュリさんは、その時のパーティーメンバーによって役割を変えていた。

 シュリさんが引退したためパーティーが解散した訳だ。


 そんなシュリさんがいるなら、災害級のゴブリンキングでも討伐できる。そんな風に思わせてくれる人だ。


 そんなこんなでバルザ街に到着するとえらく人が少なかった。


 タリババに街の様子を聞くと、情報を聞くとほとんどの人間が逃げてしまったらしく、更に救援を求めると建前で…まぁ逃げた騎士団達は賢者ゴブリンに壊滅させられたらしい。


 他にもいろんな事を聞いたが、弟子らしき奴が魔森に偵察に向かったらしい。

 俺の勘では間違いなくあの弟子だ。上手くやっているようだが、随分寂しい冒険者生活をしているようだ…


 俺は急いで魔森へ向かった。

 シュリさんと一緒に行くべきなのだろうが…


 弟子とシュリさんとの話を聞いてしまったから、一緒に行くのは諦めた。というか会いたくない。

 なにを言われるかわかったもんじゃない。

 タリババありがとう。よく教えてくれた。さっさと弟子と一緒にこの街から離れた方が良さそうだ。


 魔森を進みながら、ついでに魔森の魔物を討伐しながら、勘に従い走っていた。

 勘だがいる方向が全く変わっていなかったので、なにかあったかと心配しながら走っていた。

 討伐は魔物が思ったより強く、やはり一人では少し厳しかったが、討伐は出来ていたので死ぬことはないだろうと走っていた。


 一日ほど走った後、急に弟子がいる方向が変わったような気がしたので不思議に思っていると、デカイ狼…神獣ヴァナルガンドと遭遇してしまった。


 こいつはさすがに俺一人では無理だ。

 パーティーメンバー揃っていれば、勝負になるだろうが…

 俺の命運もこれまでか…


 だが俺の剣がどこまで通じるか、最期に出し尽くせるので、少し楽しみにしていた。


『お前はこいつと知り合いか?』


 ヴァナルガンドが俺の構えをとった途端、念話と共に弟子の姿を俺の頭に直接伝えられた。


「そうだが…まさかお前が殺ったのか?」

『違う。違う。そんなに殺気を出すな。間違って殺してしまいそうだ』

「じゃあなんで知っている!?」

『うーん…なんていうんだろうな…まぁ友達って奴なのかな?あたしにも分からん』


 なんであいつは人の友人は出来ないのに、こんな奴とは友人になれる?


 疑問とを持ちつつ、警戒しながら軽く自己紹介をした。

 ルークと呼べるのは仲間だけだし、ドルクと呼べるのは弟子だけなのでドルルークと名乗った。


 あいつの剣の師匠であることを伝えると、ヴァナルガンドのヴォルの縄張りで一泊することになり、お互いに弟子の知っていることを聞いたり話したりしていると、警戒心も少なくなった。

 

 それにしても、話を聞いているといろんな事がわかった。

 弟子の近況だけじゃなく、兇聖を倒したのは弟子であることや、どうやら厄介な刀を持っていること、なんかヤバイゴブリンを倒した事がわかった。


 目が覚めると俺は二日間寝てしまっていたらしい。

 弟子と変わらないなと笑われた。

 寝てなかったんだから仕方ないじゃないか…


 それから素振りをしていると、また同じ理由で笑われたが、弟子が変わらず続けているみたいで嬉しかった。


 朝の軽い訓練が終わるとお礼を言って街へ戻ろうとすると、ヴォルが仕事のついでに途中まで送ってくれることになった。


 ヴォルはめちゃくちゃ速く強かった。


 途中で別れて、それから一人で街へ到着すると、弟子はこの街を出ていったらしい。


 タリババはあいつに確認したけど、俺の弟子ではないし、貴族の関係者でもないと言ったらしい。


 それに公爵家の跡取りも殺したらしいし、なんかあいつが動けば動くほど問題が大きくなっている。


 それからまた急いで魔森に戻った。

 あいつは変に律儀なので、ここから離れる前にヴォルに挨拶してから行くだろうと予測した。

 俺から離れるときも置き手紙をして、直接挨拶出来なくてすみませんと謝罪していたし…


 ヴォルの縄張りに向かっているとヴォルと会った。

 話を聞くと弟子は既に置き手紙?をして、どこかの街へむかったらしい。

 前の手紙もそうだが、どこに行くか書いとけよ!



 ヴォルにもいろいろ事情があるらしく、追いかけたいが魔森の魔物を間引かないと動けないらしい。


 こんなデカイ狼が街や道で出没したら不味いと思い説得しようとしたが、ヴォルは人型にもなれるらしく、試しに見せてもらったら問題なかったので俺も手伝うことにした。


 旅をするにしても一人より複数の方が良いし、強い奴ならもっと良い。

 なによりなぜかあの弟子は俺を避けているらしく、行き違いになる可能性が大いにある。


 気配を隠すのと察知するのが昔から上手かったが、ヴォルのお陰で更に磨きがかかっているらしい。俺だけでは探せる気がしない。

 気配の事を教えたヴォルがいるなら行き違いにはなりにくいだろう。


 それから何日か手伝った後に、ヴォルと一緒にバルザ街の冒険者ギルドへ行った。


 そこでドワーフと受付嬢、タリババが頭をひねりながらなにやら相談していた。

 事情を聞くとまたあいつか…とため息が出た。


 これは隠した後に見つかった方が大変な目にあうのが目に見えている。


 タリババから次元カバンを返すので、ドワーフのザーザと一緒にシュリさんに事情を説明してくれと頼まれたので、仕方なく四人?…三人と一匹か。ってどっちでもいいか。でシュリさんの元へ行った。


 久しぶりにシュリさんと会うと、かなり雰囲気が変わっていたので驚いた。

 後からザーザに聞いたが、お淑やかになれるようにしているらしい。

 これは騙されるだろう。実際俺は少し焦ったし。まぁ多分そのうち飽きるだろうが…


 言いたくなかったが、これからこの街ではシュリさんがこの街へ来た原因の素材は手に入らなくなること、魔聖の息子で俺の弟子であることを伝えた。


 それらを伝えると、昔のシュリさんに一瞬戻ってしまったが、なにを思ったのかすぐに戻り、俺達についていくらしい。


 タリババに頼まれたので弟子はこの町でお留守番だ。


 これからこの三人、特にシュリさんと共に行くのか…と、大抵のことは出来るので心強いが、出来れば行きたくなかったのが本音だ。

 戦力は俺とヴォルで十二分だし…


「ルーク。なんですか?私が付いていくのは問題ありますか?」


 ヤバい。顔に出ていたか…いやそんな事はない。俺もいろんな経験をしている。

 だとすると勘か…

 安心できないからから嫌なんだよ。


「そんなことないですよ。シュリさんが来てくれるなら一安心ですよ」

「そうですよね。私を邪険に扱いませんよね?」

「なんで俺が?シュリさんにそんなこと出来る訳がないじゃないですか。少し今のシュリさんの口調に慣れないだけです」


 上手く誤魔化せたか…?


「そうですよね。それよりもルーク。あなたの弟子なのに剣の見利きが出来ないみたいだけど…どういうことですか?それに私に対して━━」


 あぁ糞っ!だから会いたくなかったんだよっ!

 意外にシュリさん根に持つからな…


 軽い威圧を受けながら、長い説教を聞いているとシュリさんが口を滑らせた。

 面白い話を聞けたから良しとしよう。あのシュリさんがまさかな…


 口を滑らせたことを気づいたのかはわからないが顔が赤くなり説教をやめた。

 一番の原因は端で笑いを堪えていたザーザに気づいたからだろう。


 もちろん説教が終わった後、ザーザがどこかへ連れ出されてしまった…

 シュリさん口調が昔に戻って…いや俺にはなにも聞こえない…


 ただ彼の犠牲で助かったのは確かだ。感謝するし今後なにか困っていたら助けてやろう。

 もちろんシュリさん関連以外でだがな。



 もう遅い時間だったので出発は明日になった。


 早くあいつに会いたいが、自分のケツは自分で拭くことになる弟子の今後が心配になりながら眠りについた。



 とりあえず魔術学園がある町にいってみたが空振りだった。

 それからいろんな街へ行き、様々な問題に巻き込まれたり、移動している時に魔物や盗賊に襲われたが、シュリさんとヴォル、それに俺がいれば問題にならなかった。


 俺はおまけだったが…


 それぞれの街の問題は問題にならなかったが、街に到着して弟子がいなかった時の二人の機嫌の悪さには勘弁してほしかった。


 悪いのは問題を起こしていた奴だが、そんな奴に同情できるほど二人の仕打ちは酷かった。


 途中セバスに会っていなければ俺とザーザの胃も危なかっただろう…


 さすがあの家の執事を勤めるだけのことはある。戦闘力もあるのに、あのシュリさんとあのヴォルを仲良くさせるなんて…



 ともかくダンジョンで有名な街にたどり着き、弟子がいることがわかった時には全員喜んだ。


 喜んだが弟子がなかなか帰ってこないし、嫌な予感がしたので、ザーザを残してダンジョンへ行き弟子を助けれて良かった。


 状況を見るにギリギリだった。

 なにかあっていれば、俺とザーザ、それにセバスも…


 ダンジョンで初めて見る強そうな奴が出てきたが、まぁこのパーティーなら問題ならずに討伐できた。



 助けた弟子が目を覚まし、弟子の状況や予定を教えた。

 少し気が緩んでしまい、余計なことを言ってしまいシュリさんにやられてしまったが…


 シュリさんを本気で怒らせてしまったら、こんなものではないのは、この旅でもパーティーの頃からの経験で十分知っている。

 だからシュリさんは恥ずかしがって、注意しているつもりなのかもしれないが、痛いものは痛い。


 目を覚ました次の日、弟子と模擬戦をした。


 少しの間だったが弟子の成長と新しい弟子ができたことを喜んだが、シュリさんが少し怒ってしまったのは予想外だった。



 俺と新しい弟子のツバキは三ヶ月後にある剣術大会に出るために弟子と別れた。


 あの家の事や、シュリさんやヴォルとの関係等いろいろとあると思うが、まぁなんだかんだであいつは大丈夫だろう。


 謎の安心感と久しぶりの弟子が出来たことが嬉しかったのだろう。

 すがすがしい気分で新しい弟子と旅へ出た。


 あっ!


 弟子は大丈夫だろうがザーザは…

 また無事に会えることをなにかに祈っておこう。


 他にもなにか忘れているような…

 最後まで読んでいただきありがとうございます。


 シュリとヴォルは最強格ということと、一応世界を救った話です。


 他にも救ったところもありますが、今回は主人公が直接救っていなくても、主人公が行方不明になったことで最強格が動いて間接的に救った話です。


 ※ルータの鴨を移動のやり方が分からなくて移動出来ませんでした。

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