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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
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14

 目が覚めると…知らないてん…じゃない。知っている天井だ。

 俺の家の天井だった。


 起きて周りを確認しても俺の家だ。

 時間は昼過ぎってところか…だから眩しかったんだ…じゃない。今の時間なんてどうでもいい。それより意味が分からない。


 どういう事だ?俺は死んだんじゃないのか?死んでいなくてもダンジョンにいたはずだろう?予知夢?などパニックになった。


 パニックになっていると、エルザが俺の部屋に入ってきたが、すぐに出ていってしまった。


 しばらくすると、夢で出てきた人達が一斉に俺の部屋へやってきて、これからの予定を話しながら、いろいろな事を教えてくれた。

 そのなかには良いニュースや悪いニュースもあったが、とりあえず状況確認からだ。


 俺がバルザ街から出てすぐに俺に伝えることが出来た為に、ドルクとヴォルさん、シュリさん、ザーザさんの臨時パーティーで追いかけて来たらしい。

 ヴォルさんは人型にもなれるみたいで驚いた。


 いろいろな街で探していたので、この街に到着するのに時間がかかったらしい。

 その過程でセバスもパーティーに入ったらしい。


 到着後、情報を集めると俺がこの街にいることが分かり、やっと会えると思っていたが、ダンジョンに行った後だった。


 前回みたいに行き違いにならないために、待っていたが遅かったので、ザーザさんをギルドに置いて追いかけてきたらしい。


 それで俺達を見つけて保護して俺の家まで連れてきて、俺が起きるのを待っていたらしい。

 どうやらあれは走馬灯ではなく、ただ単に寝惚けていたらしい。

 トロール戦から五日たっていた。やはり記録更新したな…


 まずは良いニュースから。

 なんといっても三人とも生きてダンジョンを出たことだ。

 三人の誰かが死んでもおかしくない状況だったので間違いない。


 次にシュリさんが刀を作ってくれるらしい。

 詳細は教えてくれなかったが、いろいろと勘違いしたらしい。

 教えてほしかったし、師匠は教えたそうにしていたが、聞いてやっぱり作らないと言われるかもしれないので聞かない。


 シュリさんが話したそうにしていた師匠を庭に連れ出して魔法等でぼこぼこにしたのを見たからでは決してない。


 師匠は剣聖と呼ばれていて、バルザ街の副マスが言っていた天才は俺らしい。

 俺があの天才とは思っていなかったが、結構強いことは薄々勘づいてはいた。

 半年間、ダンジョン等で他の冒険者を戦闘を見てきたが、俺はおろかツバキより強い剣士を見つけるのに苦労したからだ。

 俺やツバキが負けるビジョンを思い描けなかった。


 ただ、汚い言葉を使う師匠に少し戸惑ったのは内緒だ。


 驚いたのはシュリさんは父上の師匠で、師匠ともパーティーを組んでいた。パーティーのリーダーはなんとシュリさんだったらしい。


 メンバーはころころ変わったらしいが、俺が知っている人だと師匠、父上、母上、義母上、バルザ街の副マス、セバスもいたらしい。他にも自他国の要人も在籍したことがあるらしい。例えば自国だと弓聖様とかだ。


 ちなみに弓聖様は初期メンバーで、結成は百年以上前らしい。

 シュリさんはいったい何歳…いや、女性の年齢を気にすることはダメな事だ…


 セバスは父上の護衛でついてきたが、シュリさんに上手く使われていたらしい。

 母上も…と感慨深く、母上の事を聞いてみると、なんと母上は生きているらしい。

 生きていて嬉しいが父上のあれはなんだったんだ?

 見た目を聞くとあの幼女は母上ではなかったので安心した。


 シュリさんはパーティーメンバーの装備品を作ったり、改造したりしていたシュリさんが、装備品を作ることを本格的にしたいという事でパーティーは解散したと説明していた。

 が、師匠の話によると他のA級に比べて頭が一つ、二つは抜きん出ていた。

 そんなシュリさんのパーティーをA級の上を冒険者ギルドが作ろうとしているのを知って、顔が売れる前に辞めたかったらしい。


 その六年前にちょうど剣術大会を二連覇して、有名になった師匠を前面に出して、目論見通りシュリさんは知る人が知る程度の装備屋さんになったらしい…


 シュリさんが不意打ちしたことを謝った際に、よく生きてたなと師匠は驚き笑っていた。



 次は悪いニュースだ。

 俺の髪の半分が白くなったが、これは仕方ないだろう。足を再生するのに、地獄を味わったのだから…無くならなかっただけでも良しとしなければ…


 身長がこれ以上伸びることは絶望的という事。

 いろいろ問題はあったが一番は上級回復魔法を使い過ぎたらしい。


 普通は成長が終える前に、そんなに使うことがないので分からないが、一回使うだけで成長をかなり阻害するらしい。

 俺は何回使ってもらっただろうか…


 成長が止まったなら魔法の訓練だと思ったが、無理したせいで魔力経路という魔力の通り道がボロボロらしい。


 それに加えて俺の体に聖霊がいるらしく…

 聖霊はよく分からなかったのでおいおい理解するか…

 とりあえず俺の体は魔法の訓練はおろか体もあまり動かさない方がいい状態らしい。


 義母の元(別邸じゃなくて本邸)へ一度は帰らないといけないという事。


 これが話を聞いて一番最悪だった…セバスが俺を探していたのはこの為だった。


 それでこれから向かわないといけないらしく、起きた頃には馬車等の準備も万端で目を覚まさなくても向かう予定だったらしい。


 エルザはついてきてくれるが、ツバキは師匠の弟子になりたいらしく、修行をして今年の剣術大会に出たいらしい。

 俺もリベンジしたいところだがそれどころではない…


 師匠はやはり剣を志す者には、憧れの存在らしく、俺と初めて会った時の様に接するみたいには出来ないようだった。


 ここは少し無理をしてでもツバキの願いを叶えるのが、仲間だろうと思い師匠と再戦した。


 俺の内側はぼろぼろだったが、師匠もシュリさんにぼこぼこにされた後だったので、条件はイーブンだろう。


 出来ればこんな格好でお互い再戦したくなかっただろうが、師匠は受けてくれた。


 勝負は引き分けだったが、それはシュリさんに見つかってかなり怒られた。


 シュリさんの俺は口頭だけだったが…


 試合後、二人して俺のベッドで横になっている時に、いろいろ誉めてくれた。

 そのなかにツバキが考えた剣技もあったので、その時にツバキをプッシュした。


 ツバキは俺より才能があること。それに違う技術を剣に利用することが上手いから、師匠も剣技が伸びるかもなどを言って推薦した。


 そのかいあってか一度見てくれることになり、その後弟子にするみたいだった。


 師匠と一緒に報告に来たツバキに感謝されたので、無理したかいがあったと思ったが…

 その際に、わざわざお前が頑張らなくても、お前が推薦するだけでよかったと愚痴っぽく言われ、ツバキからも目を潤しながらアホ呼ばわりされた。


 そんな馬鹿なと思ったし、愚痴言われても受けたのは師匠じゃんと思わなくもなかったが、言いたい気持ちは痛いほどわかったし、しかもあの時は本当に痛そうだったので謝った。


 ツバキのことをどう評価したかはわからないが、師匠は新しい弟子が出来たことを、喜んでいるみたいだったので悪くはないだろう。


 別れの際に貸していた剣は返された。

 まだ扱うのは早いと師匠に言われたらしい。

 自分の腕より良い武器は、ダンジョン等の魔物を討伐する場ならまだ許せるが、修行や鍛錬をするときはダメらしい。



 ということで、俺についてきているメンバーはエルザ、ヴォルさん、シュリさん、セバスがついてきてくれる。

 ツバキと師匠はお別れだ。


 ザーザさんは先に義母のいる街で、シュリさんがいつでも仕事が出来るように準備しているらしい。



 なんかアクシデントが起これと念じていたら、本当に魔物が襲撃してきた。

 しかしヴォルさんが俺より早く気付き、エルザがバフをかけると、ヴォルさん、シュリさん、セバスの三人で危なげなく討伐したらしい。


 俺は馬車でお留守番だった。


 そんな事が一、二度あったくらいで、無事に本邸のある街にたどり着いた。


 街に到着すると、セバスは連絡のため先に本邸の方へ走っていき、シュリさんとヴォルさんはシュリさんの装備屋の近くで降りた。


 道中にヴォルさんの牙と、バルザ街で採集していた数種類の薬草、ダンジョンのドロップ品を渡していた。


 俺が渡したものや、俺を探している時に見つけた貴重な物、ヴォルさんに貰ったものを使って、俺に武器を作ってくれるらしい。

 ヴォルさんは俺の刀が出来て、俺が受け取ったら縄張りに帰るらしい。



 シュリさんとヴォルさんが馬車を降りて、しばらくたつと本邸が見えてきた。


 門の前では義母、義兄達、セバスを含めた使用人達が待っていた。

 14まで世話になった使用人は見当たらなかった。

 相変わらず義母は綺麗で義兄達はイケメンぶりを上げていた。


 馬車が門の前で止まり、俺は一呼吸ついて馬車から降りた。


「義母上、義兄さ…」


 パーンっと良い音を響かせた。

 義母に頬を叩かれた。

 避けようと思えば避けれたが…


 叩かれた後に抱きしめられた。


「どれだけ心配したと思っているのです。待つように言いましたよね?こんなに無理をして…」

「本当だよ。スカイ。どれだけ私達が心配したか…」

「母上、兄貴、ぷっ…仕方ないよスカイは俺達がいじめていたと思ってたんだから…ぷっはははっ」

「申し訳ありません。義母上、義兄上…」


 そうだったのだ…いじめられていたと思っていたのは、俺の勘違いだった。

 本当に最悪だ…穴があったら入りたい…


 あの激マズ料理は、高級ポーションの原料を使ったとても体に良い高級品であり、あれを食べていたおかげで師匠の厳しい訓練も、無理なダンジョン攻略も出来ていたみたいだ。


 俺が激マズ料理の食事中嬉しそうに見ていたのも、小さい子どもが野菜みたいに体には良いけど美味しくないものを、子どもが我慢して食べるのを見て喜ぶ親達と同じ心境だった。であった。


 義兄達も食べていたらしく、あれは確かにいじめられていると勘違いするのも分かると言っていた。


 義兄達がやっていたサンドバッグや魔法の的にされていたのも、魔術師名門のこの家ならではの訓練方法ってだけだった。

 本当かどうかは分からないが、幼少期が回避能力が一番伸びるらしい。


 確かにあれを幼少期にしていたお陰で回避能力は高くなり、冒険者として今までやってこられたのかもしれない。


 しかも、その事を義母や義兄達はちゃんと説明していたが、義母や義兄達はいじめるものという固定観念が、説明されても信じられず勘違いした大きな原因なのだろう。


 ちゃんと義母達は俺を家族として愛してくれていたのだ。


 ちなみに父上が俺や義兄達を溺愛していたが、いろんな理由があって難しかったという事も師匠から聞いていた。

 師匠から聞いた父上の溺愛っぷりは俺ですら引いてしまった。


 もちろん義兄達は落ちこぼれなんかではなく、しっかりエリート街道に乗っているらしく、上の義兄は魔術師の最年少の師団長で、下の義兄も大隊長らしい。


 父上が育て上げた魔術師団の人達に揉まれながら成長しているらしい。


 下の義兄とはエルザも一年だけ学園で被ってたらしいが、高い実力と凄い家柄なのに気さくで優しい。

 それに加えてルックスが良いので凄く人気があったと教えてくれた。


 義母がセバスに俺を探させていたのは顔見せや成人のお祝いのためだったが、今では俺の治療にやる気を見せていた。


 義母は回復魔法のスペシャリストだけでなく、医者としても優秀な超人だった。


 シュリさんのパーティーに在籍していた人が、ただの人ではないみたいだ。

 義母がそんな人で運が良いのだろう。


 だが俺を端からみると、反抗期で家出したがどうしようもなくて、家に出戻り、お世話をしてもらうという恥ずかしいガキそのものだ。


 まぁかなり気まずいが、体を治してほしいことは変わらないので、しばらくお世話になろう。


 勘違いしていたが、どんな人達なのかも気にもなったし、信頼してほしいし信頼したい。


 申し訳なさや恥ずかしさ、いろんな感情で泣きそうになりながら、二年ぶりに実家の門をくぐった。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。


 別視点を二話くらい投稿したら二章終わりです。

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