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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
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 このままでは埒が明かないので、一歩踏み込むことにした。

 安全マージンをかけて避けたり受け流しをしていたが、トロールの攻撃にも慣れてきたのかなんか調子が良い。


 これが火事場の馬鹿力やゾーンに入ったとでもいうのかもしれない。

 考える前に体が動いている。俯瞰で自分を見ているみたいな、なんていうのか説明が難しい。


 トロールの攻撃が遅く感じるため、さっきよりももっとギリギリで避け、懐に入り胸に刀を突き立てると、バギッという音が響いた。


 さすがに魔石付近は丈夫な骨に守られていたため、倒すことはできなかったが、丈夫な骨を折った感覚はあった。


 あと二三度攻撃すれば刀が魔石を貫くことが出来そうだ。

 だがトロールも魔石を攻撃をされるのを嫌ってか、攻撃の頻度が下がり胸付近を守り始めた。


 そんな簡単にはいかないかと少し残念に思ったが、今まで出来なかった攻撃のチャンスでもあった。


 トロールの猛攻のなか、方向転換ができないジャンプをして、顔付近を攻撃することは難しかったが、攻撃頻度が下がった今なら可能だ。

 それも骨が再生されるまでだろうが、戦闘になってこちらが初めて優勢になった。


 頭を切ったが頭の骨も固く、断ち切ることは出来なかった。

 トロールも俺がジャンプして攻撃したことで、捕まえようと右腕を挙げたが、振り下ろした刀に俺自身が乗ったことにより、カウンターになって右腕を切断することに成功した。


 トロールが動揺しているうちに、もう一度胸に攻撃したかったが、攻撃する前に立ち直り蹴りがとんできた。

 腕を切断した時のように、体に刀を当てながらその蹴りを合わせてまた切断したかったが、吹っ飛ばされるだけに終わった。


 頭も断ち切ることは出来なかったが、顔の右半分を削ることも出来た。


 戦いが始めってトロールの笑みが消え俺を睨みつけながら、なにやら叫んでいた。


 警戒して攻撃に来なくてとてもありがたい。

 ドーパミンが出て痛みはあまりなかったが、体になにやら違和感はあった。


 それに敵は俺だけじゃない。


 ツバキがトロールの背後から、剣をトロールのお尻の穴へ深々と突き刺した。


 トロールは振り向きツバキを左腕で攻撃したが、刺さった剣を強引に抜いた後、剣で攻撃を捌きながら左腕に傷をつけていた。再生する力にも限界があるのか傷は残ったままだった。


 トロールも右腕が切れたことがトラウマになっているのか、慎重にも攻撃をしていた。


 トロールが背後を向いたくらいにエルザの回復魔法が飛んできて、違和感が少し和らいだと同時にトロールに向かい、背後から肩車(足はかなり開いていたが)をして両目を短剣で突き刺した後、トロールの頭に手を乗せ、足を開いて前転宙返りをして着地した。


 着地した後に振り返ると、トロールが目に刺さった短剣を抜いている隙にツバキが剣で攻撃していたが、それと同時に再生した右腕で攻撃された。


 間に俺が入り攻撃を逸らそうとした。

 再生したばかりで強度が弱いのか、上手い具合に当たったのかはわからないが右腕がまた切断された。


 そこからはトロールの意識が向いていない方が効果的な攻撃をすることで、俺達が優勢に戦いをする事が出来た。

 優勢に戦いをしていてもダメージはあるしトロールには再生能力がある。だがこちらにもエルザがいる。


 良いタイミングで回復やバフをくれるので、俺達に傷が出来てもすぐに動けるようになった。


 何度も攻撃を繰り返していると、ツバキが胸を剣で突き刺し、ツバキはそれを察知したのか剣を離し避けた。

 トロールの攻撃にあわせて俺がトロールの足をすくい倒したことで胸に刺さったままの剣は奥に入り込んだ。


 しばらくするとトロールだったものはドロップアイテムと小さなメダル、ツバキに貸している剣を残してなくなった。


 結果的にはなんとか討伐する事が出来た。

 もう一度同じ戦いをしたいかと言われれば嫌だと答え、次は中級攻撃魔法を使うだろう。

 でも綱渡りを渡っているみたいで少し楽しく、とても満足のいく戦いだった。


 これで終わればだが…


 俺達のピンチは終わらない。トロールと戦闘していたせいか、前後の道の先にはそれぞれ十以上の気配があった。


 トロールとの戦闘中その気配には気づいていたが、トロールの戦闘中にこのことを伝えても悪いことしかならないので、二人には黙っていた。

 もちろん気配に動きがあったら伝えるつもりだったが…


 魔物も死にたくないのか、トロールと戦っている時は、俺達のいる場所には近づかなかったのに、トロールの戦闘が終わった途端に俺達の方へ前後からやって来た。


 冒険者であってほしかった…

 ここまで来る冒険者を見たことがなかったので、十中八九魔物だとは思っていたが、少しの可能性を信じたかった。


 トロールだけでもギリギリなのに、前後に十体ずつほどいる魔物と一緒に戦える訳もない。

 少ない可能性に賭けて、気配の方へ近づくことはできなかった。

 トロールから逃げられなかった原因でもあるが、戦っている時に来られたら終わっていたので複雑だ。


 二人にその事を伝えると、エルザは疲れた顔から少しパニックになり、ツバキも「うちでもお腹一杯やで…」とツバキが珍しく意気消沈していた。


 俺も二人と変わらない気持ちだが、そんな気持ちはなんの役にもたたないので、いろんな指示を出し、二人からも反対されたが最終的には了承してもらった。


 正直俺達に戦闘をする余裕はなく、各々ポーションを飲みながらトロールのドロップ品だけ回収して行動した。


 遂にあれを使う時が来た…そう落とし穴だ。

 現在一八階層で一九階層に落ちてしまうが仕方ない。今俺達の状態でこの数と戦う方が危険だ。


 使うつもりがなくても、一応安全確認していた俺を誉めてやりたい。


 落とし穴がある来た道の方へ、俺が右、ツバキが左、エルザを真ん中の隊列で突っ込み、俺とツバキが魔物の攻撃を受け流しながら突破した。


 突破した後、しばらくの間、俺が殿(しんがり)をしながら、二人はツバキを先頭にして落とし穴の方へ向かわせた。

 雷魔法は足止めに効果的な魔法だし、落とし穴のある場所()()は気配がないので二人を先に行かせた。


 万が一魔物がいても複数体はいないだろうし、ツバキなら一体くらい討伐は無理でも、エルザを守ることはできるはずだ。


 なんとか魔物達を撒く事ができ、落とし穴の場所まで来れた。

 魔物達を撒くために回り道をした。


 ダンジョンの構造は一月くらいで変わる。

 それでも、一月くらいしか役にたたないマップを作っていて良かった。作っていたマップを取り出して、確認する状況ではないので見ていたわけではないが覚えていた。


 マップを覚えていたので、途中の狭い道を利用してヴォルトで魔物の足止めが楽になったのが大きかった。


 落とし穴の場所へいくと、指示通りエルザは詠唱をしていた。

 上級の回復魔法なのでかなり長い。

 上級魔法を使うところをエルザ以外見たことないので、エルザの詠唱速度が早いのか遅いのかはわからないが、エルザは発動まで十三分もかかる。


 以前はもっとかかっていたので、多分早い方だと思うが戦闘では使えない。


 指示を出していたので、詠唱完成まで残り一分もかからないだろう。

 上級水回復魔法の詠唱を全ては覚えていないが、ツバキが入る前は落とし穴を利用していたので、あと少しで完成する文言は覚えている。


 逸る気持ちを抑えながら完成を待った。

 残り十秒でまだ少し落ちるのには早いが、二人を抱えて落とし穴から飛び降りた。


 落ちる直前に来たもう一体のエリアボスを見ながら…


 普通こういうボスって、いくら徘徊するといっても同じ階層にいないだろうが!


 落とし穴から落ちて五秒もかからないうちに、下の階層に落ちた。


 もちろん俺は悲惨な状況だ。


 これはマジでヤバイかもしれない。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

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