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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
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 主人公視点です。

 先に店を出てすぐに二人は追いかけて来た。


 謝ってくれるかと思っていたがなんか怒られた。


 エルザは先に出るなんてひどいみたいな事を、ツバキは男の甲斐性がどうとか言っていた。

 お互いその通りみたいな雰囲気も出してるし…

 あまり仲良くは見えないが、俺になにか言う時は結束している気がする…


 俺の行動は間違っていたのだろうか?

 自分自身は悪くないと思うが、二人から言われると間違っていたように感じる。


 テレビ番組で、女性が怒っていたらとりあえず謝れば良いと丸く収まるといっていて、以前の…前世の俺は共感していた。


 だから実行してみるとエルザは驚き、ツバキには体調の心配をされた。

 俺の事を普段どう思っているのだろうか…


 でも一応収まったので良しとしよう。



 ダンジョンに行くまでになんやかんやあったが、さすがにダンジョンの前になると全員気を引き締めた。


 ツバキは冒険者の手伝いでダンジョンに行った事があったので、装備品は自前で持っていた。

 とりあえず今日は三人で初めてのダンジョンなので、いろんな事を確認しながら進んでいった。


 それでも三人になったので、攻略スピードも上がるだろうと思っていたがそうはいかなかった。


 意外にツバキが苦戦していた。

 危なげなく戦闘しているので苦戦は過言だが、魔物にあまりダメージを与えられていなかった。


 低層の魔物は、弱点を一刀すれば終わっていたので、雑魚だと思っていたがどうやら違うようだ。


「あんさん強過ぎやないか?」

「そうなのか?逆にツバキが戦闘で時間が掛かっているのが疑問だ。確かに俺の方が剣の腕は良いが…」

「そら…そうどすけど…」

 少し悔しそうな顔をしていた。


 それにしてもどうしてだ?動き自体は問題なさそうだし…

 力もツバキが上くらいだ。


 後は…

「そうか。武器が悪いんじゃないか?」

「うちの武器はあんさんのに比べると安物さかいに…これでも奮発して買うたのにな…」


 羨ましそうに俺の刀を見ていた。


「鞘は形見で多分高い物だが刀は違うぞ。拾った物だ」


 過去のことは誰にも言っていないし、ヴォルさんのことは秘密なので、拾った物と言った。

 嘘ではないと思う。


「そないあほな…めっちゃ強くない?国宝級くらいあるんやと思うてましたわ…」

「確かにこれにしてから戦闘で苦戦してないな…それ…」


 それなら俺の刀を貸そうと思ったが嫌な予感がしてやめた。

 咳払いをした後に俺が持っている剣を貸してみた。


 いろんな剣を試してみると、盗賊が持っていた剣が一番良かった。

 頑張れ公爵家。

 せっかくもったいぶって最後に出したのに、最初に出した盗賊が持っていた剣に負けるなんて…


 ツバキに「カイはんの事やさかい最後に一番ええものを出す思うとったわ」と見破られ、焦って嘘をついてしまい盗賊の物だとは言えなかった。


 盗賊の物なので譲ってもいいが、エルザには杖を貸している状態なので貸す事にした。


 それからツバキの戦闘時間も短くなった。

 凄い、楽しいと魔物を倒していた。

 ほとんどの低層の敵は、俺と同じように一刀で討伐していた。(ウッドゴーレムなど剣に耐性があるものは除く)


 俺は今では全部だけどな。

 そこが俺とツバキとの差だな。


 そう言おうとしたが、エルザが悲しそうに俺達を見ていたのでやめ、エルザにダンジョンや戦闘での質問や意見はないか聞いてみたがないらしい。


 なんだったんだろう?と思ったが、ツバキに言おうとしたことは、子供染みたことだったので言わなくて良かった。

 まさかと思うが、エルザが俺が言おうとしたことを察して止めたのか?



 戦闘時間が短くなってからは、二泊で中層入り口の11階層まで来た。

 サクサク進んでツバキが入る前は、三泊していたのでかなりの短縮だ。


 魔物を無視して落とし穴を使えば、一泊でここまでこれると思うが、ダンジョン攻略より稼ぎに来ている。

 だから魔物は積極的に討伐しているので、そんなことする予定はない。



 ダンジョンは全部で31階層あり、1~10が低層、11~20が中層、21~30が深層、31が最深層といわれている。

 階層ごとのボスはいないが、中層からエリアボスといわれる魔物が徘徊しているらしく、かなり強いくせに決まった場所にいるのは一体だけってのが厄介だ。


 中層を攻略している冒険者の死亡原因のトップだ。

 たまに中層の魔物が低層の方へ来ることがあるので、冒険者は序盤の低層に固まっているみたいだ。


 低層にはG~E級、中層にはE~C級、深層にはD~B級下位くらいの魔物が出るらしいく、エリアボスは中層に二体(B級)、深層に三体(B~A級下位)出現する。


 最深層はA上位クラスのガーディアンがいるらしい。


 それらを倒すとメダルを落とすので、それを30階層にある大きい扉にはめると最深層の入り口が空くらしい。


 扉の前にはA級下位の魔物がいるので、メダルを売買等のなんらかの方法で手に入れても、こいつを討伐できる力がないと最深層にはいけない。


 何階層や出てくる魔物のランク、エリアボス、最深層の情報は剣聖からの情報だ。


 以前ダンジョン討伐出来たのだが、政治的な問題等がいろいろあって討伐出来なかったみたいだ。

 それに怒った剣聖が情報を流したらしい。


 死亡原因や中層の魔物が低層に来るという情報は、エルザがパーティーに誘われた時に頼んでもないのに言っているのを聞いた。

 だから俺と組んでいると危ないよと言われた。


 その時は奴隷だったので大人しく引き下がっていた。


 なぜ断定しているのか…そうだ。正解だ。


 俺が隣にいるのにエルザを誘いやがった。

 確かにパーティーの誘い自体は違反ではないが、実際に俺をはじいてエルザだけ誘われるとかなりムカつく。


 仮に誘われても断るが…


 そんな事があった為にエルザに単独行動をさせなかったことは間違いなかったと確信したし、エルザが戦力増強を譲らなかったのだ。


 ツバキにも模擬戦後の雑談で聞いてみると、情報は正しいみたいだった。


 閑話休題。


 今回の目標はここだったが、中層の魔物と一度戦って戻ることにした。

 ツバキは中層まで来たのは初めてだった。


 ツバキの冒険者の手伝いは、低層のなかでは少し強い魔物の討伐がほとんどで、たまに新人の冒険者の指導をするくらいだったらしい。


 無理に挑戦してツバキが死んでしまったら、生き残っても金持ちじゃない限り自分が奴隷になる番だからな…


 戦ってみたが低層の魔物が三度続いたので、結局戦わずに帰った。


 こういう時に意地になっても、良いことがあまりないと思うのでやめておいた。

 こういう時にエリアボスとエンカウントする気がする。


 エルザは俺の意見に同調してくれたが、ツバキは少し残念そうだった。


 ダンジョンは逃げないし、次のダンジョンから本格的に中層を攻略する。

 次は嫌でも戦ってもらうことになることを伝えると楽しみにしていた。

 もちろん俺も楽しみだ。


 今回の結果次第では、次のダンジョンでの中層攻略はおあずけだったが、結果は大満足だったので次回から挑戦するつもりだ。

 序盤少しもたついたが良かった。


 帰っている途中に落とし穴を見つけた。


「落とし穴ためさへんの?」

「今回はやめておく。近くになにかの気配があるからな。その気配が他の冒険者の場合見られるのは不味い」


 気配の強弱は分かるが、それが冒険者か魔物かはわからない。

 低層だし多分冒険者だと思うが…


「そうやな。他の冒険者に見られるのんはうまない。うち達の秘密や」


 エルザは落ちなくてほっとしていた。

 納得したからといって実際にやるのは嫌なんだろう。


 ツバキはなにやら違う意味で納得したみたいだが、俺はおかしな人と思われるのが嫌なだけだ。


 奇行をするのと、奇行をしている人と他人に思われるのは別なのだ。

 正直他人にどう思われようが構わないのだが、ご近所のときの話のようにそれによる不都合がないともいえないので、思われない方がわずらわしくなさそうだ。


 ダンジョンの帰り道は、魔物とあまり戦わない様に道を選んでので潜る時より時間がかからなかった。

 時間は昼過ぎくらいだったので一日と半くらいで出れたと思う。


 二人の時は二泊はしていたので、やはりツバキが入ってくれて良かった。

 ツバキのお陰だけではなく、エルザも初めの頃に比べると体力、魔力がついてきているのでエルザ自身の頑張りも大きい。


 今日は外食をしたがエルザの料理の方が美味しい。

 店を出てエルザに言うと、ツバキも肯定したのでエルザが照れて謙遜していた。


 外食後は冒険者ギルドに行き、潜る前にエルザが選んだ依頼の分だけギルドに提出し報酬をもらった。


 報酬は全て俺の物だったが、これからの報酬は生活費や消耗品のパーティー資金に四割、俺に四割、エルザに二割になった。


 最初は俺が五割でエルザが一割だった。

 さすがにもらいすぎだと、家事が出来ない事を理由にして説得したが、エルザも俺の凄さを誉めてくれたりしていた。


 それを聞いていたツバキが今の分配を提案してこの分配になった。

 俺が二割多いのはツバキの分も入っているらしい…


 ツバキやベッドを購入したにしても、今日の報酬はいつもより多かった。

 エルザに従者を買うつもりになってくれたのかと思ったがどうやら違うようだ。

 次回のダンジョンで必要な物があるかもという理由と、ただ単に依頼を見て売り時だったらしい。


 なんかダンジョン中層を本格的にしようとしている時に、こんな事があるなんて、まるで俺達に攻略させたいのかと思った。

 思ったが、俺にそんなつもりはないし、さすがに三人では無理だし無謀だ。



 それから奴隷館で助っ人を借りて家に帰った。

 ツバキとエルザのベッドをそれぞれの部屋に設置した。

 ちょっと昨日は三人ともあまり寝れなかったので、家事は助っ人に頼み、俺達は順番に仮眠をとった。


 助っ人はエルザの元従者達なので知らない仲ではない。

 だから全員仮眠してもいいかもしれないが、それとこれとは話が別だと思う。


 残った二人でダンジョンの事や戦闘の連携、私生活の事を話し合った。


 全員お風呂に入ったところで夕食をいただき、夕食後は助っ人を戻して、ツバキは自分の部屋でエルザは俺と一緒に眠った。


 昨日までダンジョンだったので今日は休みだ。

 休みなんだがエルザとツバキは家事をした後に、それぞれやりたいことをするだろう。


 一月間、助っ人を呼んだ日以外はエルザが一人で家事をやっていたので、エルザはもちろん俺も気持ちの面で助かっている。


 俺はイメージトレーニングをしていた。

 相手はオークなんだがイメージだからかすぐに勝てるので苦笑いしてしまう。

 実際にオークのランクを倒してはいるが…


 これでは意味がないのでドルクを相手にしていた。


 今回もまた負けてしまった。

 オークにはイメージだけど勝てるのに、ドルクにはイメージでも勝てないのはなぜだろうか…


 イメージトレーニングをしていると、ツバキが模擬戦に誘ってきたので、休日なのによくやるなと思ったが、断る理由がないため乗った。


 お互い素の状態、お互いバフの状態、ツバキにのみバフかけての勝負をした。

 エルザもやって来たので寸止めもなしだ。


 お互いの条件は同じではもちろん俺が勝ったし、ツバキのみバフも今回はなんとか勝利できた。


 模擬戦中、エルザは隣で下級魔法の訓練をしていた。

 威力はそうそう変わらないが、それでも状況に応じた魔法の使い方を研究していた。


 昼過ぎにダンジョンで必要な物を皆で相談しながら購入していった。

 ポーション等は備蓄があったので、保存食や飲み物等の飲食物が主な買い物だった。


 武器は良いが防具が二人とも心もとなかったので、装備屋さんに行って、二人は気になる装備品を見ていた。

 そんな二人の様子を見ていた。


 装備の値段を見て、エルザが「うーん」と悩んでいたアクセサリーを、ツバキが「これ欲しいんやけど、手ぇ出えへんな」と諦めていた革鎧をプレゼントすると言った。


「そんな高い物は受け取れません」


 エルザは最初遠慮していた。


「おおきに。ついでにこれもええどすか?」


 ツバキはお礼を言った後、更に追加していいか聞いてきた。

 もちろんそれは却下したが、ツバキが遠慮しなかったので、エルザの分も購入できた。


 夕方には家へ帰り二人はそれぞれ家事を始めた。

 エルザは食事をツバキはお風呂の用意をしていた。

 俺はというとマップの作成や、罠解除の練習をしていた。


 しばらくするとツバキがお風呂の準備出来たと呼びに来たのでお風呂に入った。


 別に俺は毎日風呂に入らなくて、水浴びか魔法のクリーンで十分だと思うが、二人は家にいる時は毎日入りたいみたいなので入れている。

 二人は奴隷館でもお金があるときは、毎日入ってたみたいだ。

 有料で浴槽はこの家より狭いが毎日入っていたみたいだ。


 お風呂に入らない奴隷もクリーンを使うので奴隷達は皆清潔みたいだ。


 奴隷の仕事は多岐に渡るので、清潔にしていないと仕事ができないらしい。

 ちなみにクリーンはエルザも使える。

 お風呂の値段より安くで売って生活費を稼いでいたらしい。


 いよいよ明日はダンジョンの中層に本格的に攻略するので、楽しみでなかなか寝つけなかった。


 以前エルザのことを子どもっぽいとバカにしていたが、俺も人のこと言えないなと苦笑いしながら眠りについた。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

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